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梨泰院クラスから考える強い組織と弱い組織

梨泰院クラスが与える組織への示唆

こんばんは、潤吉です。

最近、友人の薦めで見始めた梨泰院クラスですが、めちゃくちゃ面白いですね!(見始めたと書きましたが3日で見終わりました笑)

半沢直樹的な勧善懲悪な物語であり、かつ韓国っぽい一話目から激しいストーリー展開。半沢直樹にはない甘酸っぱい恋愛要素も入っており、すぐにのめり込んでしまいました。

余談ですけど韓国のドラマとか映画って激しい話多いですよね。(パラサイトしかり、タクシー運転手しかり、冬のソナタもか。。。)

前置きはさておき、梨泰院クラスではセロイ率いるICとチャン会長率いる長家が対立関係になって話が進んでいきますが、それぞれの会社の組織に注目してみると面白い示唆が得られるように感じられます。

結論からいうと、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している、組織の成功循環モデルのグッドサイクルがICでは起こっており、バッドサイクルが長家では起こっているように見えるのです!!

組織の成功循環モデルとは

組織の成功循環モデルとは、組織が結果を出すための好循環(グッドサイクル)を生み出すためにはどうしたらよいのか定義したものになります。

キム教授はグッドサイクルを回していくためには、まず”関係の質”を高めるところから始めていくべきだと述べています。”関係の質”とはメンバーがお互いに尊重し合い、一緒に考えていくことを指します。これができるようになるとメンバーは自分で気付き、面白いと感じるようになって”思考の質”が向上します。”思考の質”が向上すると、自発的に行動するようになり、”行動の質”が向上します。その結果、”結果の質”が向上し、成果が得られ、信頼関係が高まることで、さらに”関係の質”が高まっていく。というサイクルになります。

これが成功循環モデルというものになります。一方で、キム教授は、循環モデルの中でもバッドサイクルに関しても説明しています。

バッドサイクルは、”関係の質”を大切にしないで、いきなり”結果の質”だけを求めるという形になります。メンバーは、結果や数字だけを求められることによって、関係の質が悪化し、仕事を面白く感じられず、受身な思考に陥ってしまいます。その結果、自発的な行動が抑制され、それによって結果もでなくなり、さらに関係も悪化していくという負のスパイラルに陥っていくというのがバッドサイクルです。

梨泰院クラスから考える強い組織と弱い組織

ここまでの説明を聞くと、ICがグッドサイクルを回せていて、長家がバッドサイクルに陥ってしまっていたというイメージが湧いてくるのではないでしょうか。ここでは、それをドラマの中のシーンを元に考えてみましょう。

★ICのグッドサイクル

ICのグッドサイクルのキーマンと言えば、パク・セロイですね。彼は1話目の学生時代のシーンからもわかるように正義感が大変強く、どんな人も尊重した上で接しているように感じられます。実際に、スアが駅で物乞いを突き飛ばしたシーンでは、物乞いに手を貸していたり、イソが区長にビンタされそうな時には区長を止めたりしていましたね。

タンバムを開いてから結果がでなくても、いつもメンバーと一緒に考え、部下の意見を取り入れながら、店を大きくしようと努力しています。イソのSNSを使ったマーケティングのアイディアを取り入れたのもその一つですね。

このように、関係の質を高めることから取り組んでいることで、例えばその後妨害をしてくる長家の馬鹿息子(グンウォン)の自白を録音することに成功したり、ヒョニが努力して、最強の居酒屋というTV番組で優勝したり、それぞれが自発的に考え、行動し、成果に結びつけることができています。

★長家のバッドサイクル

一方長家はどうでしょうか?

チャンデヒ会長は、最強の居酒屋で2位になったことに激昂したり、成果の出せない馬鹿息子君(グンウォン)を怒鳴り散らしたり、殴ったりしてますよね。

明らかに”結果の質”を先に求めて、実の息子とすら上手く関係を築けておらず、社内では、カン専務含む多数の役員メンバーにもクーデターを起こされる始末。。。

キム教授が提唱する理論と大きく違うところと言えば、本来、関係の質が悪化すると受身になって行動しなくなるというのがバッドサイクルなのですが、それどころか長家の奴らは、トランスジェンダーであることを暴露したり、終いにはヤクザと組んで誘拐、殺人まで企てるという有り得ない方向に能動的になっているところです。笑笑

長々と説明しましたが、最終的にICが長家を買収するまでに至るところを見るにグッドサイクルとバッドサイクルの行末が占えるように感じます。

長家は少しバッドサイクルの極端な例でしたが、日本の大企業もICというよりも長家に近い体質の会社が多いのではないでしょうか。あくまで会社の人間とは数値目標を達成するという利害関係だけで結ばれており、尊重も一緒に高め合うこともできていない組織がほとんどなのではないでしょうか。

ある種こういった組織はドライで楽ですが、本当に強い組織として勝ち残っていくには、どこかでメンバーの意識を改革して、グッドサイクルに乗せていく組織運営が必要なのかもしれません。

潤吉


P.S

(少数派かもしれませんが、)それにしてもスアと結ばれて欲しかった。。。

スアは10年以上も待っていたのにな。。。

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