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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。

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双極性障害を発症して25年。やっと、一緒に生きるのが楽になってきました。bipolarとして考えていること、生活面で気をつけていること、日々の思いなどを綴っています。私の知る限り…
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#自分史

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<1>はじめに

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<1>はじめに

20代、30代、40代の半ばまで、病いが私に勝っている時間が長く続きました。双極性障害と言われる病気です。
いま、私は英語を教える仕事をしていますが、大学卒業以来、4年以上続けて同じ仕事を続けることはできずにいました。それが、いまの仕事に関しては2016年より続けられています。また、毎年恒例になっていた精神科への入院も2015年の秋を最後に、せずにすんでいます。自分のペースで生きられていることに、

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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<2>『ノルウェイの森』に救われた。

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<2>『ノルウェイの森』に救われた。

読書は、私にとって最高の娯楽です。本を読んでいられたら幸せ。ですから、病状、特に鬱状態が悪化して、いちばんつらいことの一つは、本が読めなくなることです。
鬱状態の人は、よく同じところを何度も読み返してしまったり、何度読んでも頭に入ってこなかったりすると聞きます。私の場合もそうで、過去に、鬱が酷かったとき、自分がものすごく低能になったように感じて、苦しかったです。
だったら、本を読むのを止めさえすれ

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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<3>手持ちのカード。

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<3>手持ちのカード。

カードといっても、クレジットカードやポイントカードのことではありません。トランプでいう手持ちの札のこと。
ある尊敬する先生に「人間は、手持ちのカードで勝負するしかない」と言われたことがあります。私には、長らくこの言葉の意味が理解できずにいました。むしろ、自分の手持ちのカードの少なさや、カードの弱さを運命として呪っていたようなところがあったと思います。

なぜ、私には〇〇が無いんだろう。どうして私に

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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<4>努力は嫌い、と言うことにした。

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<4>努力は嫌い、と言うことにした。

大学時代に、とてもお世話になったご夫婦がいます。
証券会社勤務の奥様とインダストリアルデザイナーのご主人(いま、書きながら思いましたが、奥様とご主人という言い方以外に、いい表現方法はないでしょうかね)。当時、アパートの近くにあった、アメリカ人やオーストラリア人の宣教師たちが営む英会話学校と英会話カフェの常連さんでした。同じレッスンをご主人と取っていたことがきっかけで仲良くなり、レッスンやカフェで2

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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<5>通院とお薬と私。

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<5>通院とお薬と私。

7年前から、ラミクタールとエビリファイという薬を飲み続けています。これだけ長く飲み続けているお薬は初めて。それまでは、入院のたびに、お薬を調整していただいて、いろいろなお薬を飲んできました。

かれこれ12年お世話になっている精神科の先生は、「うまくいっていることは続ける」というスタンスの方なので、たぶん、このお薬をずっと飲んでいくことになるのではないでしょうか。一時は、いつかお薬を完全に止められ

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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<6>決まり事がスムーズに生きさせてくれる。

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<6>決まり事がスムーズに生きさせてくれる。

双極性障害の人にとって大切なことのひとつに「心地いい程度のルールや決まり事があること」があると思います。

なぜ完全な自由が駄目かというと、双極性障害をもつ本人が、ふわふわした不定形の人間なので、地に足をつけてくれるための機能がないと、社会生活が難しくなるからです。

私自身、完全な自由は苦手です。

20代後半で、私は、オフィシャルに(?)発病しました(病院に行かなかったから診断されなかっただけ

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へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<7>52歳の誕生日に思うこと。

へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<7>52歳の誕生日に思うこと。

たくさんの方々に支えられて、52歳の誕生日を迎えることができました。

年齢を重ねることに落ち込んだり、不安を感じたりしていた時期もありましたが、ここ数年は、誕生日が純粋に、単純に、嬉しく、楽しいです。みなさんのおかげです。本当にありがとうございます。

何度も体験した入院中に、誕生日を迎えたことも数回あります。そのたびに、そのとき知り合った患者さんやナースさんにお祝いの言葉をかけていただいたり、

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