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母は手負いの虎だった

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残酷で過酷ながらも、人生から目をそらさず、命懸けで自分と向き合う幼い姉弟。そこで体験した「気づき」と「魂の覚醒」 リーディングカウンセラー丸岡淳子のノンフィクションストーリーです。
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#ノンフィクション

母は手負いの虎だった6 「偏見は無知なり・人が本来見るべきところ」

母は手負いの虎だった6 「偏見は無知なり・人が本来見るべきところ」

手負いの虎シリーズ。全部はとても書けないボリュームなので。メインイベント的なことを書き綴っています。

壊滅的に何か壊れた気がした19才の私。

なんかもう、とにかく、ぜんぶ、

ぜーんぶどーでもよくなっちゃったんですよね。

この世なんかどうせ自分とは関係ないし。

国の相談所も全然、具体的には力かしてくれなかったし。

身内はみんな他人事扱いだし。

異性にモテても全然現実味ないし。

唯一、

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母は手負いの虎だった5 「現代人は選択肢があるから迷うのか?選べるということ」

母は手負いの虎だった5 「現代人は選択肢があるから迷うのか?選べるということ」

「選択肢」について話したいと思います。

わたしが小学校1年生の頃だったか。

夜、寝ている時に「いたっ!」と感じて起きたら。

泥酔した母が泣きながら。

私の手首に、ぐにゃぐにゃと包丁を切りつけていましてね。

私が目を覚ますと、今後は自分の胸をめがけて包丁をゆるっと突き立てました。

ぐでんぐでんなので手に力が入っておらず、いずれも軽傷。

わたしは自分の手首を見て

「自転車でひどく転んだ

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母は手負いの虎だった4 「群集心理の出どころを知る・薄ら笑いの野次馬」

母は手負いの虎だった4 「群集心理の出どころを知る・薄ら笑いの野次馬」

ディープに綴るサバイバルサンプル。手負いの虎シリーズ4話目です。

【閲覧注意】今回の内容はユーモア適応外の事件が含まれます。

母は毎日泥酔しておりました。
足元はよろよろですし。
呂律は回らないし。
支離滅裂なことを叫んでは気絶したり。

わたしも弟も

「うちだけ戦場」

みたいな、生死に直面する毎日に疲れ果てていて。

10代にして、精神は。

死ねない人生を3ターンくらい生きた感じがして

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母は手負いの虎だった3 「人の闇は滑稽でユーモアは最強」(ただし例外あり)

母は手負いの虎だった3 「人の闇は滑稽でユーモアは最強」(ただし例外あり)

わたしが「手負いの虎」だった母について綴るのは。

こんな破天荒な状況で30年くらい過ごしても。

結構、笑いの沸点低く、ヘラヘラと楽しく生きているわたしの例もあるから。

環境や人間関係で。人生の過酷さやショックから立ち直れずに、今も窒息悶絶している人がいるなら。

どうかこまめにゆるんでね!

人生にはどこかしら滑稽さがあるから、そこ、自分への取材してね!

という願いからです。

日本は「笑

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母は手負いの虎だった2 「これじゃないってものを差し出されても人は受け取らない」

母は手負いの虎だった2 「これじゃないってものを差し出されても人は受け取らない」

幼い頃のわたしに、母から浴びせかけられる

「わたしの子どもとは思えない」

「本当に嘘つきで嫌な人間」

「あなたは冷たくて薄情」

「売女みたいに男に媚び売って」

などの言葉を聞くたびに。

幼心なりに

『うちの親、おかしいな』

と感じました。

相当おかしい。

わたしの真実とも事実とも違うことを言われている。

そうわかってはいても。

思ってはいても。

毎日、昼夜問わず、夜中に叩

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母は手負いの虎だった1 「母の悲しみ」

母は手負いの虎だった1 「母の悲しみ」

スズメは20gの体で、懸命にヒナを育てようとします。

野生の生き物は自然の育みを誰に教わらずとも、子を敵から守り、自立に必要な知恵を授け、その時が来たら突き放すかのように親は自ら離れていく。

そんな自然の育む姿は、なぜか人間ではエラーを起こしてしまうようで。

感情と知恵が複雑なほどに成熟した生き物ならではなのかな、と思います。

わたしの母はアルコール依存症でした。

とても美人で成績優秀な

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