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(おすすめ本)世界一流エンジニアの思考法/牛尾剛〜マイクロソフトの凄腕エンジニアたちはどのように仕事をしているのか

米マイクロソフトで働く牛尾さんがビジネス書を出していたので早速購入し、読んでみました。
ブログの内容に加筆修正した内容がメインでしたが、一度でもブログを読んだ人はその内容の確認、未読の方はマイクロソフトという一流企業の一流のプログラマがどんな仕事の仕方をしているかを知る上で有益な一冊です。


ゆっくり、ちゃんとわかることが大事

牛尾さんは(謙遜かもしれませんが)自分が仕事ができないことを認め、周りの優秀と言われるプログラマがどんな思考回路でどんな仕事の仕方をしているかを深く観察しています。
個人的に刺さったのは
”優秀な人でも理解には時間がかかる”
という当たり前の事実でした。

自分もそれなりに名の通った国立大学を出て、いわゆる大手企業に勤務しています。そういったキャリアを歩む中で、数多くの優秀と言われる人と出会ってきました。
そういう人を出会う度に、その「凄さ」は
・才能
・頭の作りが違う
といった、漠然とした要素のせいだと決めつけ、自分には追いつけないと勝手に思い込んでいたような気がします。確かに、時々超人レベルに優秀な人もいますが・・・

牛尾さんは、そういう逃げをしなかった。
ちゃんと目の前の優秀な人を観察し、その技を盗んで、小見出しのような結論を得たのだとか。

ある時、牛尾さんは優秀な若手2人とランチをした時に、こんな会話を耳にしたそう。

(あることを習得するために講義のビデオを見る場面)
「いやぁ、ビデオを見ても難しいので10回は見てるね。何回も見直して、わからないところはポーズをしてメモして見てます。」
もう一人の同僚も
「やっぱそうなるよね。自分も何回も何回も見た。」とと言う。

優秀、と言われて基礎ができている人であっても、一から勉強をする際には、一読・一見で理解できている訳じゃなかったんですね。
むしろ、愚直とも言えるくらい、回数をこなし、手を動かしている。
シンプルですが、優秀とそれ以外を分けるとすると、この理解の習慣の有無、なのかもしれません。

自分の身に置き換えてみると・・・

牛尾さんの感想は自分が思うところと重なる部分が多くありました。
むしろ、”一読してすぐに理解できたつもりになる”というのは受験勉強で勝ち残ってきた人、資格試験が得意な人にありがちなことのような気もします。

正直、受験勉強においては正確な理解よりも単なる記憶力が求められるケースが多い気がします。某精神科医が表した受験本が一時期ブームになりましたが、それも基本的には「暗記」を推奨するものでした。
数学でも、解法をたくさん暗記すればOKと言うような主張の内容です。

自分も含め、受験を要領よくクリアしてきた人は、この「表面的な暗記」で乗り切ってきた(その場を凌いできた)人が少なくない気がします。
正直、世の資格試験なるもののほとんどはこの手法で乗り切れる気がしています。
自分も、受験勉強とメソッドはほとんど変えずにそれなりに難関と言われる試験にもクリアしてきました。

一方で、仕事となってくると、この
・ちゃんとした理解ができている人
・表面の受験勉強の暗記的にしか把握できていない人
の積み重ねは、時間を追うごとにひろがっていく気がします。
一夜漬けの勉強の内容が、少し経つと綺麗さっぱり忘れ去られてしまうのと同じ現象で、それをもっと長期スパンで見た時にはもっと大きな差になるのは言わずもがな、ですよね。

時間に追われると、丁寧なきちんとした理解をするための時間すら惜しくなり、上辺を撫でてわかった気になりたいと言う気持ちも、痛いほど理解できます。
だけど、少しペースを落としてトルクを強めにし、理解に務める。
そんな習慣が大事だと気付かされた読書体験でした。

プログラマに限らず、仕事で一皮剥けたい方は是非手に取って見てください!














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