おばあちゃんとお酒
昨日、母方のおばあちゃんのことを書きながら他の事も思い出したので書く。
おばあちゃんは年齢にしてはお酒を飲む人だった。
常に。という訳ではなく親戚が集まった時とかに結構な量を飲んでいた。
対して、おじいちゃんはお坊さんだからか元々、好きじゃないのか自分から呑むことなく嗜む程度。
おばあちゃんは若い頃は大酒呑みだっと母から聞いた。
母が子供の頃、おばあちゃんは婦人会の集まりで日本酒を一升。1人で飲んだらしい。
そのことを別の集会に参加したおじいちゃんがご近所の方に「奥さん、お酒強いね」と笑い話として言われ、おじいちゃん激怒。
「こんな小さな町でそんなことすりゃ、すぐに噂になるのが分かんねえのか!坊主の嫁さんが大酒呑みなんていい笑い話だ!」
怒るおじいちゃんにおばあちゃんは居間の真ん中で大の字になって寝転び、
「文句あんなら殺せ!」
お坊さんであるおじいちゃんに“ 殺せ ”発言。
おじいちゃんは握り拳をプルプル震わせて何も言えずにいたと母と叔父から聞いた。
おばあちゃんはお酒を人に勧めるのも好きだった。
僕が高校に入学した年のお正月に親戚が集まった時、
「ユリアンも大人になったな。ほら、一杯いけ」
コップを渡され、ビールを注がれそうになった。
『何、言ってんの。まだ未成年だよ』
内心、“ おばあちゃんボケた? ”と心配しつつ笑いながら断ろうとしたら、
「うちの一族は16歳は元服と言って大人だ」
そう言って、ビールを注ごうとする。
「バカ言ってんじゃねえ。何が元服だ」
おじいちゃんがすぐに止めに入る。
「昔の侍は16で一人前だったべ」
「バカか。おめえ。うちの家系に侍なんかいねえ」
ご先祖様に侍がいるいないじゃなく、現行法でアウトなことを言わないおじいちゃんにそこじゃないだろ。と思った。
ちょいちょいケンカと言うか言い合いのようなことをしていたけど、何だかんだ、うまくいっていた。
物静かなおじいちゃんと破天荒なおばあちゃん。
真逆な者同士だけど、真逆だからこそ上手くいっていたのか。
ジュースが飲みたいです('ω')ノ