見出し画像

【学級運営】「礼を尽くす」クラスを育てるには?


はじめに

 「時・場・礼」シリーズの最後の項目となりました。
今回は「礼を尽くす」ということに焦点を当てて記事を書きたいと思います。

「礼を尽くす」とはつまり、挨拶ができるだったり、礼儀がきちんとしているだったりを指すと思います。
それらがきちんとした生徒や集団は「すごいなぁ」と思います。

ただ、そのことを強く求めすぎて、無用な軋轢が生じることはなるべく避けたいものです。

ここで、おおらかに考えられるように次の質問を投げかけます。

みなさんの職場の大人集団は毎日元気に大きな声で挨拶してますか?全員が礼儀正しいですか?

私が見渡す限り、完璧に「礼を尽くす」ができている大人集団は少ないように思います。

もちろん大人の人たちだって「礼を尽くす」が大切なことの一つだと知っているはずです。
ただ、周りの目があったり、職場の雰囲気だったり、忙しさだっりで、色んなことも影響して「礼を尽くす」が完璧にはできていないということが考えられます。

この話は「だから礼を尽くすことはテキトーにしたら良い」ということではなく、生徒たちができてなくても気を病む必要がないですよということです。

その上で、生徒たちにポジティブな価値観を培うために、教師は「礼を尽くす」クラスの雰囲気を醸成していくことが大切かなと思います。

ただ、新入生(中学一年生)は習慣化しやすいと感じているので、もちろん「礼を尽くす」の意義を生徒と一緒に考えた上で、ある程度「礼を尽くす」を徹底しておくと、その後の基準は高く維持できると思います。

ただ、2年生、3年生と上がっていくうちに、挨拶も元気さというより、慎ましい・お淑やかな感じになってくるのかなと感じています。

新入生(中学1年生)向け「礼を尽くす」の指導

  やはり出だしの時期が大切です。
みんなで挨拶する時に声が小さかったり、テキトーにやっている雰囲気があれば、やり直しをするのが有効だと思います。
怒鳴ったりする必要はなく、「声が小さい(テキトーな挨拶)なので、もう一度やり直します」と簡潔に冷静に伝えると良いでしょう。
そして、できたら端的に褒めると良いでしょう。
これをある程度身につくまで意識して取り組むと良いでしょう。

ただ、どこかのタイミングで「挨拶の意義」について取り上げて、生徒たち自身から「挨拶の意義」を引き出しておくと、より教育的で良いと思います。ぜひ、道徳の時間にでも!
そこで意義を強く感じたら、挨拶などの質問しっかり高まるでしょう。

このように一定期間で習慣化させるために「やり直し→褒める→意義の確認」という流れは他の礼節(プリントの受け取り方、職員室の入室の仕方など)においても同じ流れをおすすめします。

ただ、どうしても発達段階が大人になるにつれて挨拶の声量等は下がってきます。それに合わせて、許容範囲を下げていく方が精神的には良いかもそれません。

※部活動などの挨拶は別次元だと捉えています。部活動とクラス運営では、挨拶などへの意識の高めやすさは違ってくると思います。

2年生以降&年度途中から「礼を尽くす」の意識を高めるために。

 新入生の最初の時期以外の場合は、長い時間をかけて「礼を尽くす」の雰囲気を醸成していくしかありません。

例えば、教師が信頼される大人になり、教師自身がお手本となり生徒が感化されていく。
挨拶などが適切にできている子を全体の前でも褒める。
挨拶や礼儀などにまつわる良いエピソードを紹介する。

このように、あらゆる方面から「礼を尽くす」についてのポジティブな価値観を醸成していくことが大切だと思います。

もちろん、強制ではないので時間がかかります。もちろん在学中に大きな変容はないかもしれません。
それでも価値観という種を蒔いておくことで、いつか花開いた時に、それまでの努力も報われているのかもしれません。

私の場合、卒業した生徒から後々になってお礼を言われたことがあります。

教師の仕事の成果は即物的なものだけではないということですね。

おわりに

 今回は「時・場・礼」シリーズの「礼を尽くす」ということを取り上げました。
様々な要因もあって難しいこの項目。
だからこそ、長い目で生徒たちにポジティブな影響を与えられると素敵だなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?