【学級経営】話を”聴く”クラスにしよう


1⃣ 「聴く」とは?

学校の教師として、次のような話は有名ですよね。

「聞く」と「聴く」の違いについて。

「聞く」は耳だけで聞き。

「聴く」は耳と目と心で聴く。

これらの漢字の成り立ちの真相はさておき、とてもわかりやすい話だと思い、私も生徒たちにこの話をします。

私は、この「聴く」が土台にある人や集団は素敵だなと思います。

そして、生徒たちに大切なことを伝えていくときに、この「聴く」という姿勢が大前提にある必要があります。

ということで、私は過去の学級においても、まず初めに「聴く」姿勢を大切にしてきました。

今回は、「聴く」姿勢を習慣化してもらうためのポイントを書きたいと思います。

2⃣ 「聞く」と「聴く」の違いを生徒に考えてもらう。


 
 まずは、根本的な理解を生徒にしてもらえると、価値ある指導になると思いますので、先ほど書いたように「聞く」と「聴く」の違いを生徒たちに話し合ってもらい意見を出してもらいます。その上で、教師の考えとして「聴く」というのは、「耳と目と心」で聴くことだと伝えます。
(※生徒同士の話し合いが上手くいかないクラスの場合は教師が直接伝えるのも仕方ないことでしょう)

その上で、

「では、みなさんで聴く姿勢をとってみてください」と伝えます。

そうすると、生徒たちはしっかり目を見て聴く姿勢をとってくれると思います。

その時に、教師は「そうですね!それが聴く姿勢ですよね」と大いに褒めましょう。素晴らしい姿勢の生徒は全体の前で褒めてもいいかもしれません。

また、「このような素敵な姿勢は、教師だけでなく、お友達の発表などを聴くときも大切にしましょうね」と伝えることも、その後の学級生活にもつながります。

3⃣ 「聴く姿勢」を維持していく。

 この「聴く姿勢」というのは1日ぐらいだったら意識して、生徒たちもできるでしょう。

しかし、大切なのはその後の長い学級生活で、その姿勢を維持できるかです。

特に中学1年生などは、それらをより強く意識すると、その後の学校生活の当たり前の習慣として定着しやすいと思います。

では、この「聴く姿勢」を維持していくポイントは、「教師が見過ごさない」ということです。

話をするときに、全体を見渡し、全員の体の向きと目がこちらを向き、静かになったら話をすることが大切です。

これは、仲間の生徒が発表する場面でも同じです。
(※もちろん、授業の中ではやいテンポやリズムで進める場合は、多少できていない状態でも仕方ないと思います)

この「見過ごさない」という覚悟を教師が持つということが大切です。

年度当初や休み明けなどにより強く意識して「聴く姿勢」をとらせることで、年度の後半などは言わなくてもできる習慣ができてきます。
そうなると、学級にとっての大切な話が伝わりやすかったり、生徒が連絡事項を聞き逃すということもだいぶ減ったり、仲間の発表を大切に聴くという雰囲気も維持されます。

このような状態は、学級運営をしていく上でもとても大切です。

私が大切だと思っている「時・場・礼」についても、この「聴く姿勢」があるからこそ、生徒に伝わり、学級に浸透していくと考えています。

ぜひ、生徒たちのより快適な生活と良い人生のためを想って、
覚悟をもって「聴く姿勢」の習慣化に取り組みましょう。

4⃣ 補足~実際の大人社会を見ると~

 今回、「聴く姿勢」について記事を書きましたが、大人社会はどうでしょうか。みなさんの周りはどうですか?

私が大人社会を見た時に、話し手の目を見て聴いている人はそんなに多くないように思います。

しかし、それはそれで仕方ないことなのかなとも思います。
大人なので、ある程度の分別はつくし、何か作業をやりながら聞くということもあるでしょう。

ですから、そのような現実を見た時に、子どもたちに「聴く姿勢」ということを、ある意味「押しつけ」てもいいのかなと葛藤する時もあります。

ただ、やはり人と人とのコミュニケーションの中で、目を見て聴いてくれる人は素敵だなと思います。

だから、私はそのような人になってほしいという願いも込めて、「聴く姿勢」の指導をしています。

ただ、学年があがるにつれて、「聴く姿勢」の指導場面は減ってしまっても仕方がないかなと思います。

例えば、朝の会の連絡事項において、中学1年生には「聴く姿勢」を強く意識して指導していきますが、中学3年生はそれまでの習慣の部分もあるので、「聴く姿勢」を強く指導すると、そこで余計な摩擦が生まれて、学級経営にも良くない影響を及ぼす可能性があります。

また、一年生でも年度後半になっても、「聴く姿勢」がとれない生徒も少しばかりいることもあります。その場合、年度末になっても、そこに目くじらを立てて指導していると、クラスの雰囲気が悪い方向へ引っ張られることになるので、全体の前で指導するということは減っていきます。

ただ、どんな場合でも、”大切な話をするとき”などは、「聴く姿勢」をしっかりとらせてから話をすることは変わりありません。

ですので、クラス集団のレベルや話の重要度をしっかり考えて、「聴く姿勢」を指導する場面の割合を調整するといいでしょう。

5⃣ 最後に

今回は「聴く姿勢」について記事を書きました。これは休み明けなどに特に有効なことですので、ぜひGW明けにからでも実践してみてください。


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