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ドイツ語の学習手帳

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僕なりのドイツ語の勉強法や文法に関する記事をまとめています。良ければ読んでいただければ嬉しいです。
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記事一覧

ドイツ語とアジア人蔑称

ドイツ語とアジア人蔑称

今回は明るくないテーマですが、ドイツで暮らす上では重要な話です。

ドイツと言うと、ユダヤ人大虐殺の反省をしっかりとしている、過去の歴史認識における模範国で、2015年の欧州難民危機でも積極的に難民を受け入れた人権先進国、というようなイメージがあるかもしれません。

が、こと、アジア人に対する差別意識はと言うと、「英仏と比べてそこまで酷くない」というのが私の今までの認識でしたが、残念ながら「どうも

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(9)~不定冠詞:中性形・女性形~

【ドイツ語文法】名詞の格変化(9)~不定冠詞:中性形・女性形~

だいぶ更新が遅くなってしまい、失礼いたしました…。
今回は前回に引き続き、不定冠詞の格変化を見ていきたいと思います。

さて、前回の男性形では、「が」の部分を除き、全て定冠詞と語尾の形が一致する、ということをお話してきました。

そして、「が」の部分には語尾がつかない、ということもお話ししました。

実はこの「語尾がつかない」点が、不定冠詞と定冠詞の格変化の決定的な違いなのです。それ以外は変化の仕

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「涙の女王」のドイツのロケ地

「涙の女王」のドイツのロケ地

ドイツのフランクフルトに住みながら、韓ドラの視聴を再開したところ、
目の前の画面に見慣れた風景が現れて驚きました。
何ならこの前、あそこ、散歩してたぞ、っていう…。

確かに韓ドラって欧州の名所がよく出てくるイメージはあります。
ですが、よりによって、フランクフルト……?
こんな、知名度だけは一級で、これと言った名所のない、
フランクフルトが……?

この画像の背景に見える鉄橋。これはドラマの中で

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ドイツ語の「敬語」

ドイツ語の「敬語」

ドイツ語を勉強したての頃に、2人称の「あなた」にあたる表現に2つあることを習います。

これはドイツ語に限らず、ヨーロッパの他の言語にも見られる現象です。
2人称が「you」1つしか無くなってしまった英語を基準に考えると、不思議に見えるかもしれません(英語にも昔はこの違いがありました)。

ドイツ語には、親しい間柄(親称)で使う「du」(複数形は「ihr」)と、改まった表現(敬称)の「Sie」(複

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(8)~不定冠詞・男性形~

【ドイツ語文法】名詞の格変化(8)~不定冠詞・男性形~

さて、前回までは定冠詞の格変化を見てきました。
今回は不定冠詞の変化を見ていきたいと思います。

前回までのペースで不定冠詞の格変化を見ていっても良いのですが、実は不定冠詞と定冠詞の変化は、語尾の変化に注目すると非常に似ているので、違う点に注目した方が効率が良さそうです。

とは言え、まずは男性形から順番に見ていきましょう。

さて、英語の「不定冠詞」は「a/an」で、どちらも単数形につけます。

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【ドイツ語】名詞の格変化(7)~定冠詞のおさらい~

【ドイツ語】名詞の格変化(7)~定冠詞のおさらい~

さて、ここまで名詞の格変化、というか定冠詞の格変化を見てきました。
少しここでおさらいをしてみましょう。

まず、名詞自体の格変化です。
男性・中性・女性・複数のどこの格で名詞が形を変えたか、覚えていますか?

ハイフン(-)があるのは、これが名詞の本体につける語尾であるためです。
[e]と囲っているのは、「省略してもいい」という意味です。
が、習い始めの段階では、「-es」という語尾で覚えておく

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(6)定冠詞・複数形

【ドイツ語文法】名詞の格変化(6)定冠詞・複数形

定冠詞だけでかなりゆっくりと見てきましたが、定冠詞シリーズも今回でいよいよ終わりです。

最後は「複数形」です。
以前お話ししたように、ドイツ語は「男性」「中性」「女性」で変化が異なるのは「単数形」のみで、「複数形」では全性で変化が共通となります。

そのため、「男性」「中性」「女性」「複数」の4つの変化パターンがあると考えて差し支えありません。

そして、それぞれの変化パターンは、「男性&中性」

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【ドイツ語】前置詞「auf」いろいろ

【ドイツ語】前置詞「auf」いろいろ

今回はドイツ語の前置詞「auf」の色々な意味を見ていきたいと思います。

はじめに「auf」は、語源の上では英語の「up」に相当します。
ドイツ語の方言に「uf」(ウーフ)という言い方が残っているように、昔は「au」の二重母音は「u」という長母音でした。
「uf」のほうが「up」に似ていますよね。

英語の「up」も「up the stairs」のように前置詞として使うときはありますが、どちらかと

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日本語に似ているドイツ語*3

日本語に似ているドイツ語*3

こんにちは!
「2」を書いてからだいぶ時間が経ってしまいました。
今回は日本語に似ているドイツ語の表現をいくつか書いていこうと思います。品詞も不揃い、思いつくままです。

涙袋意外なところに同じ表現がありました。
「涙袋」はドイツ語でも「Tränensack」と言います。
複合語は繋げて書くので長く見えますが、「Tränen(涙)」+「Sack(袋)」です。

「Sack」と言えば、「Sackga

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(5)定冠詞・女性形

【ドイツ語文法】名詞の格変化(5)定冠詞・女性形

さて、今回は定冠詞の女性形の格変化です。

定冠詞の性は名詞の性に合わせるので、格変化の説明には女性名詞が必要です。

男性形の話で「犬」を引き合いに出したので、今回は「猫」にしましょう。
猫はドイツ語で「Katze」です。
どことなく、英語の「cat」に似ていませんか?

さて、格変化は、大きく分けて「男性形&中性形」と「女性形&複数形」の2つのグループに分けられます。

それぞれのグループ内で

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ドイツ語圏では無名の名作

ドイツ語圏では無名の名作

「ドレミの歌」「私のお気に入り」「エーデルワイス」など、数々の名曲で知られるミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」。

「何を今さら」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実はこの名作映画、舞台となったオーストリアや同じドイツ語圏のドイツでは、全くと言っていいほど無名なんです。

この映画は私がドイツ語を学ぶきっかけを与えてくれた映画ですが、
ドイツ人に話してもポカンとするばかり

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ドイツ語のド直球さが好き(複合語)

ドイツ語のド直球さが好き(複合語)

今年はうるう年、2月29日は皆さんどう過ごされたでしょうか?

Googleのトップページでは、お腹に「29」と書かれたカエルが飛び跳ねていました。

これは、英語で「うるう年」を「leap year」と言うところからの発想ですね。「飛び跳ねる年」というわけです。

で、ドイツ語ではどういうのだろう…と調べると、

「Schaltjahr」

直訳すると「調整年」(または「スイッチの年」)。

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(4)定冠詞・中性形

【ドイツ語文法】名詞の格変化(4)定冠詞・中性形

前回はようやく定冠詞の男性形の格変化の説明ができました。
今回は、定冠詞の「中性形」の説明をします。

女性形よりも先にこちらを説明するのは何故かと言うと、
中性形は男性形と変化がよく似ているからです。

冠詞の性は名詞の性に合わせます。
そのため、冠詞の中性形の説明には中性名詞が必要となります。

私は「馬」が好きなので、そのドイツ語「Pferd」を使いましょう。
「Pferd」は中性名詞です。

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(3)

【ドイツ語文法】名詞の格変化(3)

今回で4つめの記事ですが、殆ど格変化表が出てきていません。
ようやく今回から登場するはずです。

それでは、今回からは「定冠詞」の格変化です。

念のために繰り返しますが、
「格」があるのは名詞のほうです。
ドイツ語の名詞は、必ず4つある格のうちのどれかの形をしています。
ですが、名詞の形からはほとんど格が区別できません。
そのため、冠詞や形容詞と言う、別の単語の力を借りて「格」を示します。

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