見出し画像

【ドイツ語文法】名詞の格変化(3)

今回で4つめの記事ですが、殆ど格変化表が出てきていません。
ようやく今回から登場するはずです。

それでは、今回からは「定冠詞」の格変化です。

念のために繰り返しますが、
「格」があるのは名詞のほうです。
ドイツ語の名詞は、必ず4つある格のうちのどれかの形をしています。
ですが、名詞の形からはほとんど格が区別できません。
そのため、冠詞や形容詞と言う、別の単語の力を借りて「格」を示します。

ただ、冠詞や形容詞はあくまで「オプション」的な存在で、常に名詞につける必要はありません

冠詞や形容詞がない場合、文の中での名詞の格は、動詞の形や文脈など、別の要素から推測しなければいけません。

例えば「Maria」という固有名詞の場合は、「マリアが」「マリアを」「マリアに」と言う風に、色々な可能性がありますが、通常は冠詞も形容詞も付けないので、形の上では格は分かりません。

(「マリアの」という場合は「Marias」と形の上でも格が分かります)

これは本題からずれるので、これ以上は省略します。

さて、定冠詞の話。
名詞には3つの性と、2つの数がありましたね。
そのため、定冠詞も「男性」「中性」「女性」「複数」の4パターンに変化します。

しかも格が各4つあるわけですから、単純計算で16パターンあるわけですが、実際はどうなのでしょうか

では、「定冠詞の男性形」を見てみましょう。
なお、ここからは「男性」「中性」「女性」と言う場合は、断りの無い限り「単数」を意味します。
と言うのも、ドイツ語では「複数」になると性の別なく変化が同じになるためです。

「Hund」(犬が、犬を、犬に…)は、男性名詞ですので、これに定冠詞を付けてみましょう。

「その犬が」は「der Hund」。

「その犬を」は「den Hund」。

はい、「Hund」だけでは見えなかった「格」がハッキリ見えてきました

ちなみに、この「r」や「n」の語尾は、それぞれの格に特徴的な語尾です。

「その犬に」は「dem Hund」。

私たち日本人には酷ですが、「n」と「m」で意味が変わってしまいます

そして最後に、

「その犬の」は「des Hundes

この場合は「Hund」の形も変化するんでしたね。
この「s」の語尾もとても大事です。

整理すると以下の通りです。

その犬「が」 der Hund
その犬「を」 den Hund
その犬「に」 dem Hund
その犬「の」 des Hundes

以上が、定冠詞の男性形の格変化です。
見事に4つの格で変化します。
では、中性でも女性でも、複数形でも、
それぞれ全く違う形をしているのでしょうか?

次からは、中性、女性、それから複数を見ていきましょう。

もし宜しければサポートいただけるととても嬉しいです!