『読むアートはいかがですか?』3
秋の空気がすがすがしい昼下がり、皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は現代美術家である中国のアーティスト「アイ・ウェイ・ウェイ」をご紹介させていただきたいと思います。
彼の作品に出会ったのは、少し前の「横浜トリエンナーレ」にて。大好きな横浜での横浜美術館は当時ずっと行きたかった場所だったので、本当に感慨深かったのを覚えています。この横浜美術館も素敵なので紹介させてください。
横浜美術館、とは
1989年開館。実はそんなに古くない気がします。あ!今年で30周年なんですね。おめでとうございます!こちらで見た作品はいくつかあるので追ってご紹介できれば嬉しいです。位置はみなとみらいにほど近い場所にあり、アクセスはとても楽ちんです。そして美術館の敷地内にはちょっとした水場があって子供たちの遊ぶ光景も美しい。
そして今回ご紹介するアイウェイウェイの作品。
2017年の「ヨコハマトリエンナーレ」
この時のテーマは「島と星座とガラパゴス」。
写真の美術館入口に展示されている作品はアイ・ウェイウェイの作品「安全な通行」日本初公開(2016)。この作品は難民問題にフォーカスした作品でした。
美術館のエントランスに位置する二つの巨大な柱を覆っているのは、中東や北アフリカから地中海を渡り、レスボス島に漂着した難民たちが実際に着用していた、およそ800のライフジャケットで構成された《安全な通行》だ。生死を賭けた人々が着用していたライフジャケットの群れは《安全な通行》というタイトルのもと、トリエンナーレへの(避けては通れない)入口となる。「私たちは、すべての境界をなくし、同じ価値を共有し、自分以外の人々の苦悩や悲劇をはじめとする様々な苦難に関わるべき」という自身の作品に込めた思いを語ったアイ。その言葉の通り、ニュースで知りながらも、日本ではなかなか実感できない難民問題の現実性が強く突きつけられる作品だと言えるだろう。
日本では難民問題という事実は非日常であるため共感性が薄い。しかし、このアートを通じて感じるものが確かにありました。鮮やかに見えて、映えているものはライフジャケット。その800着の数々を着て、漂着した人たちは少なからず安全への担保としていたのだろうなと想像します。
こちらアイ・ウェイウェイの監督作品。『ヒューマン・フロー』こちらの映画私は恥ずかしながら知りませんでした。アマゾンで探してみよう。
日本での展示もこれから期待したいところであるが、日本での現代美術というカテゴリはウケないのか、あまり大々的にこういう展示を見ない気がします。それは多分、”アジア人であるから”のような先入観足らしめるものではないのでしょうか。
韓国や中国の方々の作品、そしてその他海外の現代美術家の作品を多く東京で見たい。
現代美術家と言われているアーティストたち
私が好きな作品の中に抽象表現主義を代表する画家、マーク・ロスコの「All-over」があります。この激しさしかない色の洪水に飲み込まれる感覚が好きです。こんな風に感情が見える作品、私好みなのです。仮面を被って生きている、人の本質を知りたい。この作品と実際に対峙したことはないのですが、大きいキャンバスならば嬉しいな。
アートとは
難民問題や世界の貧困などまだ日本では薄いと感じられていること。アートを通じて垣間見え体感することができることにアートの価値があると思います。
私が毎年足を運んでいるものは二つ。
・東京国際映画祭
・世界報道写真展
どちらも世界の文化や課題をテーマとしているところの作品が見受けられるが、後者はより、リアルで直接的です。
私は世界で何が起こっていて日本でこれから何が起こりうるのか、その手がかりの手段としてこの二つに足を運び続けているといってもいい。そして、その世界の人たちの感覚や日常を少しでも感じ取り自分がこの日本で生きている幸せも実感できるのではないでしょうか。
アートは相対的な比較を通して自分の中の考えや軸の解像度を上げる役割もある。
私が今おすすめの美術展
ジャン-ミカエル・バスキア。彼は27歳の若さでこの世を去りました。その力強い表現からは生きる強さを感じます。まだ私も見ておらずこれからなのですが11月17日までなので、気になる方は是非。
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