桜も散り始める頃。 日差しが少しあったかくなってきた。 「今日暑いな」と、腕まくりをしだす彼。 少しかいた汗に肌が光って、 少しふわっと彼の匂いがした。 汗の匂い…
朝が早くなり、一日が長くなる夏。 今日も彼に会える。少しばかりだけ、いつもより長く。 今日も彼の汗をかく姿を目に焼き付こう。 球技大会。 高校2年、夏終わり。 同じ…
いつからだろうか、好きになったのは。 何て恋愛ドラマの冒頭シーンみたいな事は言わない。 はっきりと覚えている。彼を好きになった時の事。 僕の生徒時代は、暗くはない…
好きという感情は皆と同じなのに、 ただただ同性を愛してしまった、恋に臆病な少年。 届く事のない、想い。 高校入学。 かの人気俳優に似ている人がいるという。 どこ…
優太
2023年4月11日 16:04
桜も散り始める頃。日差しが少しあったかくなってきた。「今日暑いな」と、腕まくりをしだす彼。少しかいた汗に肌が光って、少しふわっと彼の匂いがした。汗の匂いと柔軟剤の匂いと春風の匂いが混ざって僕の心はうずく。手で風を煽っては、腕にコブが見えて、筋トレ続けてんだ、なんて思いながら、「早よいこ」って言ってわざとくっつく。汗がべたっとくっつき、「うわ」なんて声をもらすも、「拭
2023年1月12日 14:55
朝が早くなり、一日が長くなる夏。今日も彼に会える。少しばかりだけ、いつもより長く。今日も彼の汗をかく姿を目に焼き付こう。球技大会。高校2年、夏終わり。同じクラスになってから時間は早く過ぎていった。時間というものは、こんなに早かったんだろうかと、ふと思う下校も増えた。そんな季節に訪れた、汗をかくイベント。陸上部が活躍する体育祭ではなく、ボールさばきに長けた人たちが活躍するイ
2022年12月28日 09:56
いつからだろうか、好きになったのは。何て恋愛ドラマの冒頭シーンみたいな事は言わない。はっきりと覚えている。彼を好きになった時の事。僕の生徒時代は、暗くはないが、決して明るくはない。それなりに友達もいたし、頭も良かった方だし、運動もできた。けど、どこか違和感を感じていた。もちろん、親友と呼べる人はできたが、ほんの少しの違和感、皆と同じ空間で遊んでいる筈なのに、自分だけ手を繋げない
2022年12月28日 08:11
好きという感情は皆と同じなのに、ただただ同性を愛してしまった、恋に臆病な少年。届く事のない、想い。 高校入学。かの人気俳優に似ている人がいるという。どこもかしこも、女子が大騒ぎ。イケメンで、学力上位で、サッカー部。僕から見ても、確かにイケメンだし、カッコいい要素満載だ。だけど、それ以上でもそれ以下でもない。その時はそう思った。 高校2年。同じ理系クラスのクラス