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「自分のメインSNS」選びは慎重に。LinkedIn(リンクトイン)を活用しよう。

 「ツイッター最高!」とか思ってないだろうか。その考えで、本当に大丈夫だろうか。 もちろん、その意見を否定するものではない。ツイッターに真剣に取り組み、仕事にプライベートに、十分に活かせているという人は多いと思う。基本的には僕もそうだ。1年半前にツイッターを再開してからというもの、このSNSから受けた恩恵は計り知れないし、フォロワーの皆さんにも深く感謝している。

 しかし、ものごとにはいつも光と影がある。光の部分だけしか見ようとせず、盲目的になってはいけないと思う。好きだからこそ、一生懸命だからこそ、意識的に冷静になって、客観的に自分の行動を判断しようとする努力が必要ではないか。

 ちなみにこのnoteは、主に「ツイッターを、仕事用途に活かしたい」と思っている人に向けて書いているので、その点ご留意いただきたい。


 ツイッターは、とても強力なSNSだと思う。国際的に有名なリーダーたちの発言で、政治も、経済も動く。特に米国と日本ではツイッターの存在感が高く、今日も恐ろしい数のツイートが飛び交っている。マスメディアが言う「SNSでの意見」というのも、そのほとんどは(Facebookやインスタではなく)ツイッターから取られている。NHKなんかを見てると、ツイッターがとても大好きというのが良くわかる。

 僕自身もそうだけど、仕事にも使えるし、実際の話、かなり使ってる。最近の新しい知り合いはほとんどがツイッター経由だし、人材関連のビジネスをやってると、法人、個人ともにツイッターで良い出会いがあることが多い。うまく使うことができれば、とてもありがたいツールだ。


 しかしながら忘れてはいけない大切な事実は、「ツイッターは現実世界の反映ではない」ということ。国内のアカウントの内、多くは匿名アカウントだ。総務省の調査では、日本の4500万人のツイッターアカウントのうち「7割以上が匿名」ということだが、実感値としてはもっと匿名率が高い。ビジネスクラスタであっても、大多数の人が匿名(ニックネームも含め)で運用していると思う。

 ツイッターのフォロワー数を増やすには、実名がいいか匿名がいいか、という議論があった。フォロワー数にもよるが、僕の今のところの結論でいうと、フォロワー数が万を超えたあたりからは、匿名の方が圧倒的に有利になる。(ただし芸能人などのセレブは例外で、「普通の人」がやる場合の話)

 それはなぜか。匿名の方が、「ストーリーを作りやすい」からだ。以前のnoteで、ツイッターを使うときには自己開示が大切だと書いたことがあるけど、この「自己開示」が、匿名の方が圧倒的にやりやすいのだ。匿名なのに自己開示も何もあったものじゃないと思うかもしれないが、もちろんここで言ってるのは、「作られたアカウント像としての」自己開示の話。


 自己開示は大変だ。自分の人生や想いを人前に晒すことになる。実名でバンバン自己開示をする人もいるが、心の底から尊敬する。そういう人は、臆せず本音を言うので、傍から見ていてとても面白い。だから、フォロワー数も伸びる。そしてその一方、批判や炎上リスクも負うことになる。そうやって、ツイッターに疲れてやめていく人も多いのだ。

 しかし、匿名垢だと、「作られた人物像」の自己開示などいくらでもできる。自分の人生に及ぼすリスクがないからだ。最悪、炎上したとしても、アカウントを閉じてしまえばそれでおしまい。自分のリアル人生にはなんの影響もなく、普通に生きていける。だから、言おうと思えばなんでも言えるし、作ろうと思ってたらなんでも作れる。


 ひとつ重要なのは、「盛る・飾る」という行為は、SNSではデフォルトだということ。これは、実名垢であっても同じだと思う。正直、僕自身も、SNSで言ったりすることは、リアルな自分と比べていい部分だけを取り出してたり、カッコよく言ったりしてることは自覚している。しかしそれこそがSNSの面白さでもあり、例えば生活臭丸出しの写真をインスタに上げたって何も面白くない。「ハレ」の場として、自分を魅力的にアピールする、だからこそ、お互いが面白く使えるのだと思ってる。

 そして、この「盛る」レベルが、匿名垢では青天井で可能なのだ。


 例えば、すごい美人な女性アイコンで、プロフに「20代、モデル、年収○○○○万円、上場企業複数社の顧問」というアカウントがあったとしよう。その経歴が本当かどうかは、誰にもわからない。もしかして本当なのかもしれない。しかし、本当だと思うにしては、ツイッター界隈には、年収数千万円の人、上場企業顧問の人、GAFA幹部の人が多すぎると思ってる。(実話だが、「株式会社GAFAの特命執行役員」なるアカウントが突如現れて、超ネタにされていたことがある)

 そしてそういう、「現実離れしたすばらしすぎる経歴の人」が、面白いツイートを連発したとすれば、普通に見たくなる。もしその人に、「家庭崩壊、極貧、いじめ、うつから這い上がってきた」みたいな人生ストーリーがあるなら、なおさらだ。

 誤解してほしくないのは、こういうアカウントの人たちを、ここで批判する意図はないということ。ツイッターは、ある意味「ファンタジー」な世界だと思ってる。ネタをネタとして楽しむ、そういうエンターテイメントワールドだと考えればいい。

 だから、どんなにキラキラしていて、どんなに奇跡的な経歴を持つアカウントの人がいたとしても、それを、「よく練り込まれた上質なフィクション」として楽しく消費すればいいだけだ。実際、ストーリー作りに関し非常にライティング能力が高い人もいて、いつも関心している。それでフォロワーさんたち(僕も含む)が楽しむことができれば、それでいいのでは、と思ってる。


 そして、ここからが本題。だからこそ、ツイッターを「ビジネスで使う」という意図があるのであれば、そういう現実をきちんと認識した上で、正しい時間の使い方をしなければならないということだ。例えば、そういったファンタジー系の方々とまともに張り合っても、フォロワー数で競うのはしんどい。だから、そんなことに時間を使うべきではない。

 また、人材ビジネスをやってると直面するのだけど、そういう人に直接コンタクトをとっても、実際に時間をムダにすることも多い。前に「トップセールス」とプロフィールに書いている人がいて、zoomしましょうと連絡したとき、「あ、実はボク、本当はそういうんじゃないんで... 」と返答が返ってきたことがある。そんなものだ。

 

 ツイッターには、実際に強みや利点は多い。なんといってもユーザ数が多く、拡散力があるので、PRやブランディングにはかなり使える。だから、大勢の人に広く薄くリーチしたいときは、ツイッターを存分に使ったらいいと思う。これは、マーケティングでも、営業でも、採用でもそう。

 一方で、個別にリーチしようと思ったときには要注意。実際、上に書いたような例もある。そういったアカウントを「ファンタジー」としてコンテンツ的に楽しむ分には全然いいのだけど、最近は、悪意を持った出会い、詐欺、マルチまがいの話も多い。相手の素性をきちんと確認した上でコンタクトしたいのであれば、ツイッターではない、もっと実名性が高く、ネットワーク間の相互リファレンス機能が効くSNSを使った方がいい場合もある。


 SNSは、時間を膨大に消費する。Clubhouseなんかもそうで、昼も夜も一日中入り浸ってる人もいる。だからこそ、もし仕事などの目的を持ってSNSを使うのであれば、自分はどのSNSをメインとして使うべきなのか、そういうことをきちんと考えた方がいいと思う。

 ツイッターは楽しもうと思ったら楽しめるけど、くれぐれも「食い物にされない」ように注意が必要。2ちゃんねる創業者である西村博之氏の往年の名言「うそはうそであると見抜ける人でないとネットを使うのは難しい」、このことについて、もう一度よく考えたいものだ。


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