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2021年のLinkedIn(リンクトイン)運用を振り返ってみる

2021年は、日本のリンクトインにとってどんな年だったのだろうか。積極的に活用してきた身として、年末というこのタイミングで一度まとめておきたい。自分にとっては、とにかく、非常にエキサイティングで面白い一年だったと思っている。

この記事は【QUMZINEアドベントカレンダー2021】の第7日目(12月7日分)にエントリーしています


自分自身、リンクトインに登録したのは国内ユーザの中でもかなり古いほうだと思う。ただ、ご多分に漏れず、長い期間登録はしているものの、あまり積極的には活用してこなかった。昨年までは、ログイン頻度もあまり多くなく、他の人の投稿を閲覧するだけの利用だった。

そして昨年までは、自分のフィードには英文での投稿が圧倒的に多く流れていた。日本語での投稿はごく少数で、あってもニュースをそのまま引用するか、一言二言コメントを付けただけのものが多い。

その内容も、政治的なものや国際紛争などに関する内容が目立ち、厳しめの意見や批判を投げかけるものが多かったように覚えてる。だからか、多くの人が、「リンクトインは、他のSNSに比べてもとっつきにくいな」と感じていたところがあったように思う。


そんな中、2021年初頭から音声SNSアプリ『Clubhouse』が爆発的に流行し、リンクトイン日本代表の村上臣さんも積極的にリンクトインについて語っていた。今から、本格的に来ますよと。それを聞いて、「ああ、そろそろ真剣にやらないといけないな」と感じ、その翌日から投稿を開始した。

発信を始めてから気づいたのは、思ったよりも自分の投稿にリアクションが付くということ。ツイッターの運用開始時を思えば、「こんなに反応をくれるものか」という大きな驚きがあった(ツイッターは、リアクションが増え始めるまでに相当時間がかかる)。

この理由のひとつとして、リンクトインでは閲覧者の割に投稿者が少ない、ということがあると思う。まさに、昨年までの自分のように。

そんなリンクトインの可能性に気づき、春頃にはツイッターからフォロワーさんをたくさん呼んできた。記録メモによると、累計で800名くらいにお誘いのDMを送ってる。その内、500名くらいはリンクトインを取りあえず開始、もしくは再開してくれたようだ。


その影響も少しはあったのか、3月〜5月くらいにかけ、一気に日本語での投稿数が増えたという時期があった。古参ユーザの一部の方々からは「ここはツイッターじゃねえぞ」「リンクトインも民度が下がったもんだな」というご批判も頂いたものだが、ものごとが変わる瞬間にはいつもそういう摩擦があるのかもしれない。

そこから、年末に至るまで、全体の投稿数やリアクションの総数は堅調に伸びてきているようだ。リンクトイン内部の人じゃないと正確なデータが分からないけど、1ユーザの実感値としてはまさにそう。

一方、国内ユーザ数の総数が大幅に伸びているかどうかには強い確信が持てない。リンクトインの国別ユーザ数は100万人単位でしか発表できないそうだけど、日本国内においては数年以上、公式発表ユーザ数がずっと200万人で固定されている(そろそろ「永遠の200万人」感も否めないが、300万人の声はいつ聞けるのだろうか)。

一方、グローバルでは、マイクロソフトがリンクトインを買収した2016年6月時点でユーザー数は4億3300万人、そこから5億人、6億人、7億人と着実にユーザ数を伸ばし、最新の公式では「8億人近く(Nearly 800M)」と発表されている。直近まで100万人単位で数字が明記されていたが、中国の離脱予定を見越して数字を曖昧にしたのだろうか。


いずれにせよ、グローバルでの伸び率を考えたら、日本でのユーザ数の伸びももっと期待したいところではある。

国内での投稿数やリアクション数が増えているのは、新規流入ユーザの影響よりも、登録だけ、もしくは閲覧だけしていた既存ユーザが積極活動を開始した分が大きいと感じている。それはそれで重要なことで、その流れが着実に広がることで、力強いネットワークの成長に結びつくと思う。その結果として、新規流入ユーザの伸びもさらに加速するだろう。


そして、最近気がつくリンクトイン内の重要な変化は、「あちこちで実際にビジネスが回り始めている」ということだ。

特に、研修やコンサルティング、コーチング関連サービスの躍進が目覚ましい。多くの投稿で「実際にサービスを受けてみた」との報告が飛躍的に増えてきており、「リンクトイン経済圏」が国内でもようやく浮上してきたとの実感がある。

昨年までは、リンクトインのビジネス利用というのは採用業務が占める割合がほとんどだったように思う。求人情報投稿などの「表」の活動に限らず、裏側、つまりDMやInMailを駆使したスカウト活動も以前よりかなり活発に行われていた。

「リンクトインはリクルーティングツール」だとの認識がまだ根強いが、実は、グローバルでは採用関連売上は全体の割合としては徐々に低下してきている。逆に、マーケティング、営業、教育研修に関わる利用やサービス売上が全体として急伸しているのだ。

日本国内のこの動きも、グローバルの潮流にキャッチアップしていることになる。ソーシャルマーケティング/ソーシャルセリングの時代の到来が言われているが、実際にこの世界を知ると、既存の広告や電話営業などの手法には未来を見い出せないようになる。


リンクインには、学習意欲が高く、自己成長のために積極的に投資しようとするビジネスパーソンが多いため、上記のような研修やコーチング関連サービスとの親和性が高いのだとも思う。そして、SNSという特性により、信頼とビジョンによる「出会い」を増やしやすい。だから、実際に多くの新規取引が成約するのだ。

実際、弊社(アースメディア)に関しても、コンサルティング、セルフブランディング、事業創造コーチングなどの依頼は今はほぼ100%SNS経由で頂いている。というか、実際は、その中でもほとんどはリンクトイン経由だ。

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そして、今はまだ小〜中規模ビジネスの新規取引が多い状況だとしても、いずれ、本格的なBtoBサービスについてもSNS上で営業・マーケティングを展開することが本格的になると思う。さらには、SNSこそがメインストリームにもなる時代もそう遠くないはず。その時の主戦場は、リンクトインに違いないと思ってる。

2021年が国内リンクトイン界隈における「ビジネス利用元年」だとすると、2022年は、それがさらに本格的に浮上していく年になると予想している。

この流れの加速に貢献するためにも、引き続き地道な努力を続けていきたい。


少し早いですが、2021年、本当にいろいろとありがとうございました。皆さまに深く感謝します。2022年も、どうかよろしくお願い致します。

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