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心の休め方、気持ちの休め方

身体的な疲労であれば、お腹も空きますし、眠たくもなるので、体の中から生じる生理的な欲求に従って行動すれば、自然と回復してくれます。ところが、同じ「疲れる」という言葉を使っていても、「精神的な疲れ」では大きく意味合いが異なってきます。


例えば、職場で一日中椅子に座って、緊張感のあるやりとりばかりをしていたとします。肉体的な疲れと同様に「疲れたー」とはなるのですが、本当に疲れているわけではありません。

本当の疲れであれば、自然な空腹と眠気が感じられてくるのですが、緊張感が続いた後の疲れは、それとは異なり、神経がたかぶり、眠りは浅くなります。食事は、通常の空腹とは違い、精神的な安心感を得るために、ジャンクな中毒性の高いものに走ってしまいます。


これらの反応は、客観的に見ると、「疲れ」というよりは、「不安」にさらされている時の反応です。日々の緊張感やストレスから生まれる不安は、明確な危機と結びついていないので、終わりがなく、慢性化していきます。

本当の疲れは、人に休養を取らせ、より元気にする糧になってくれますが、慢性化した不安は、そこから逃れるための衝動的、中毒的な行動へと、人を駆り立てます。


疲れの対処なら、休息で良いのですが、不安の対処であるなら、話は変わってきます。不安の中では、無理矢理に休息を取ったところで、気は休まるどころか、不安が膨らみ、悪化してしまいます。休職しても、状態が良くなるどころか、悪くなる人がいるのは、この為です。

不安が根底にある「疲れ」は、不安のもとになっているものに対処しなければ、脅かされ続けます。弱っている時に、かなり大変なことですが、不安の源に、取り組んでいくことが、精神的な疲れ(不安)に対する真の休息法になってくるように思います。


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