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仏のいえ(2024年2月)
2月3日は節分の山内全員でお経を読み、本堂から自室まで全てのお部屋に豆を撒きます。「鬼はうち、福は内」と言いながら豆を撒き、鬼役の一人がスリコギを持って「ごもっとも、ごもっとも」と合いの手を打ちます。「このからだ鬼と仏と相住める(死刑囚の遺句)」私の中にいる鬼も、たくさんの気付きを与えてくれる大切な存在です。節分の翌日は二十四節気の「立春」。地面からはスノードロップ(雪の雫)が顔を出していました。
もっとみる仏のいえ(2024年1月)
12月31日の夕方にはご本尊様や世代様に御膳をお供えし、お経を読みます。そして早めの薬石を取り、お風呂を頂いて、23時からの年越し坐禅と除夜の鐘の準備をします。昼間に降っていた雨も上がり、今回も15人ほどの人が一緒に坐り、また村内の方は二日参りをしながら除夜の鐘をついてくださいました。ここでの年越しも、5年目になりました。
翌朝は5時半には支度をし、若水を沸かします。若水とは元旦の早朝、その年の
仏のいえ(2023年12月)
愛知専門尼僧堂では、毎年12月2日から8日(お釈迦様のお悟りの日・成道会)の明け方まで、臘八接心が行われます。今年は青山先生のご都合で7日の早朝まで行われ、私は最後の2日間だけ参禅させて頂きました。久しぶりに僧堂で応量器を使っての食事を頂戴しました。静かな中でいただくお粥は胃袋に染み渡り、典座さんや浄人さんなどへ感謝の気持ちをいっぱいに抱きました。
修行道場では毎日応量器を使っていますが、食事が終
仏のいえ(2023年11月)
毎年11月15日は、お寺で一番大きな法要「お十夜」が行われます。
廃仏毀釈で無住になる前は浄土宗だったお寺なので、曹洞宗の御本尊様はお釈迦様が多い中、当寺院の御本尊様は阿弥陀様。「お十夜」というのも浄土宗の念仏行事として、旧暦の10月5日の夜から15日の朝までの10日間、昼夜を通して絶えず念仏を唱える法要でした。現在は新暦の11月15日に曹洞宗式のお施餓鬼法要を行いますが、名前だけは今も「お十夜法
仏のいえ(2023年10月)
毎年10月になるとフクロウが渡ってきます。秋冬の間、寺の横の森で過ごし、春になるといつの間にか姿を消します。夜の静けさの中「ホーホー」という声はなんとも心地いい響きですが、姿は一度も見たことがありません。植物に開花時期があるように鳥にも渡り時期があり、去年と同じ鳥なのか、去年来た鳥の子供なのか、はたまた全く関係のない鳥なのか知る余地はありませんが、私たちは鳴き声を聞いて「ボボちゃん、おかえり」と声
もっとみる仏のいえ(2023年9月)
今年はお彼岸まで、日中35度になる日が続いていました。雨も少なく、その影響は地域の畑や境内の植物たちにありました。玉ねぎ、豆類や栗の実りが少ない、お米も粒が小さく、秋の花がいつもの時期に咲かないなど。お寺では、お供え用と自分達が食べる用に小さな畑で遊ぶ程度ですが、生業として野菜やお米を育てている方には厳しい夏のようでした。
それでも九月に入ると、カレンダーの絵柄が変わるように景色は変化しました。田