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【SDGsへの向き合い方】人事労務管理とSDGs。無理なく会社の仕組みにするためには。

ここ1~2年で急激にメディアにSDGsという言葉が取り上げられるようになり、世間的な知名度がかなり高くなってきたと思います。

「会社の責務としてSDGsに取り組んでいる」という会社も多く現れていますし、私の業務でも、「うちの会社にSDGsを取り入れたいのだけれど、手伝ってくれないか?」という依頼が入ってくるようになりました。

しかし、「SDGsの内容」をきちんと理解している会社は多く無く、私への依頼も「とりあえずSDGsに取り組んでいる、という形をアピールできれば良いから」なんていう、ざっくりしたものがほとんどです。

SDGsは「17の目標」と言われ、その全てに影響のある会社はほとんどありませんから、まずは、人事労務で絡んでくるSDGsについて、基礎的なことをまとめたいと思います。

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上記したSDGsの「17の目標」のうち、そのうちの4つが、一般的な中小企業にも当てはまる(会社として取り組むことが出来る)ものだと思います。

目標3:全ての人に健康と福祉を。

『過労死』や『業務による健康障碍』につながるような労働環境を改善する取組み。

目標5:ジェンダー平等を実現しよう。

『全ての女性の能力強化』を行う事で、男性社員との差が発生しないようにする取組み。

目標8:働き甲斐も経済成長も。

従業員に『生産的な業務』と『働き甲斐』のある、人間らしい雇用の促進。

目標10:人や国の不平等を無くそう。

障碍者・シニア層・グローバル人材、など各従業員雇用&労務管理で不平等を無くす。

(これに加え、
「目標11:住み続けられる街づくりを」
「目標16:平和と公正を全ての人に」
の二つについても、対象企業の業務内容、考え方によっては関連する可能性があります)

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上記のように、目標3・5・8・10の4つが、多くの中小企業が取り組む必要があるSDGsの目標(当てはまる目標)と考えることが出来ます。

そして、SDGsだけではないのですが、新しく会社の取組みにするためには、今までの業務に大きな支障が出るような仕組み作りをしてはいけません。

なぜなら、

1.新しい仕組みが、通常業務の効率を悪くする。
 ↓
2.会社業績にマイナスになる。
 ↓
3.従業員の心身に悪影響を及ぼす。
 ↓
4.新しい仕組みに対し、会社・従業員共にきちんと取り組まなくなる。

というような流れになってしまうと、仕組みを入れ込んだことによって、会社にとってプラスにならないどころかマイナスになってしまう可能性が高いからです。

そうならない為に必要な事は、

①自社に必要なSDGsの内容を把握する。
②通常業務を棚卸しして、新しい仕組み作りのための基礎を整備する。
③新しい仕組みを、段階的に導入する形にする。


という、(基本的な)三つの流れを守ることです。

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例えば、建設業界において、親会社が取り組んでいるので自分の会社もやっておく必要があるという場合、

①については、
親会社の取組みに反する・取り組みから逸脱するような内容であってはいけませんし、

②については、
無理に親会社に合わせようとすると、人数にも資金にも時間にも余裕の無い中小企業では、本来の業務に支障が出てしまう可能性があります。

そして、③については、
新しい仕組みというのは、ほとんどの場合、机上の空論になりますので、ある時点で計画を見直し&立て直す必要があります。

このように行えば、上記1.から4.のような、自社にとってマイナスの影響を及ぼすようなことになる可能性は、かなり低くなります。

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人事労務部門においては、毎年のように、SDGsのような新しい観点からの労務管理が必要になる時代です。

会社の運営だけを考えてしまうと、様々な取り組みが必要になった場合に、
「わざわざ新しい仕組みを作る必要は無い!」
と考えてしまいがちなのですが、そうではなく、
「新しい観点の良い所を取入れ、会社を変革していこう!」
という柔軟でプラスの考えを持つことが、これからの会社運営に必要だと思います。


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今回の画像は【山川俊司 @放送作家系noter】さんからお借りしました。ありがとうございます。

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