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【要約/ビジネス書】人をあやつる心理学・イラストマニュアル【齊藤勇監修/宝島社】


思わず試したくなる心理学200のテクニックを、16個の実験と共にイラストで分かりやすく記載。

他人の意識・無意識に働きかけるためには、どのように行動し働きかける必要があるのか。

ジャケットの見た目とは裏腹に、全四章構成のうち、第一章~三章まではビジネスシーンでも使える例が多数あります。

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『はじめに』
朝晩は涼しくなることが多くなり、紅葉が間近に感じられるなど少しずつ冬が近づいてくることが感じられる季節となってきました。
例年よりも遅くはなってしまいましたが、「読書の秋」として最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

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今回もジャケ買いのビジネス本です。

数年前に、ジャケットのインパクトなどから大きく話題になった一冊です。
ただ、インパクトがあり過ぎて、多くの社会人の方は読むことを敬遠したのではないでしょうか。

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第一章 人を上手に動かす心理テクニック

①印象アップのテクニック
『第一印象だけはなんとしても良く見せる』『好印象を与えてその後はなるべく会わない』
⇒初対面の印象は「初頭効果」といって、そのイメージが固定化され、その後の関係に影響を与えるほど強力。さらに、会わないうちに、勝手に美化され・良いイメージが膨らんでいく可能性が高い。

②男女で違う「お願いのコツ」
『男性の部下には、励ましと共にお願いを』
⇒好結果を褒め、奮起させる言葉をセットにすることで、効果的に感情が伝わる。
『女性の部下には、お願いとお礼をセットで』
⇒指示するのではなく、「配慮したお願い」であれば反感を買いにくい。

③成功する「ものの言い方」
『余裕だなと思う仕事も、簡単ですよと言わない』
『途中経過を控えめに伝えて相手に期待させない』
⇒相手からの期待値を下げる工夫をすることで、完了させるだけで評価が上がる。

等、16種類

〇関連する心理学実験

①フォアの実験「バーナム効果」
『適当に性格を指摘するだけで信頼を得られる』
⇒誰にでも当てはまるような心理結果を渡した生徒群は、ほぼ全ての生徒が「当たっている」と答えた。

②アッシュの実験「印象形成」
『残念な知らせは良い知らせで包み込むと好印象』
⇒情報を伝える順番が重要。

③ランガーの実験「カチッサー効果」
『ちょっとした理由をつけることで交渉の成功率が上がる』
⇒理由をつけた頼みごとは、成功率90%超え。
 理由ない頼みごとは、成功率60%程度。

等、6種類。

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第二章 人を動かす交渉テクニック

①人をおだててノセるコツ
『褒める場合には一度だけでなく、謙遜されてから「さらにもう一度褒める」ことが重要』
⇒謙遜されてからが本当の勝負。

②話の主導権を握るには
『結論を「最初」か「最後」に述べることで、相手の印象に残る』
『会話中に目線をそらすことで、相手の注目を集めることが出来る』

等、23種類。

〇関連する心理学実験

①メラビアンの実験「メラビアンの法則」
『人の印象の最終判断は見た目で決まる』
⇒判断は「視覚」「聴覚」に9割がた依存しており、「言葉」はほとんど影響を与えない。

等、3種類。

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第三章 組織を動かす心理術

①オピニオンリーダーになるには
『同性のネットワークでうわさは広まる』
⇒複雑な(噂話)については、異性に話すことが重要。

②人を惹きつけるには
『相手からの質問にはとりあえず答えない』
『「君はどう考える」で、相手の出方をうかがう』
⇒正直なことが良いこととは限らず、作戦を立てることが必要。

③部下が育つ指示の出し方
『部下を逐一管理すると部下の芽は育たない』
『ある程度放置することで部下は成長できる』
『はじめに指示を出してから部下を動かすこと』
⇒部下に自主性を出させることが成長のポイントで、ゴール地点や業務の流れを部下にイメージさせてからある程度行わせる。

等、20種類。

〇関連する心理学実験

①ミラーの実験「マジカルナンバー」
『人が一時的に記憶できる限界は7(±2)だが、意味づけすると覚えやすい』
⇒作業記憶(=一時的記憶)では7つしか覚えられないが、関連付けることでより多くのことを覚えることが出来る。

等、4種類。

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第四章 気になる相手をあやつるテクニック

①「YES」と言わせる誘い方
『女性に声をかけるときには2人組を狙うべし!』
『2人の好感度を均等に上げていく!』
⇒会話に自信が無くとも、女性2人が勝手に盛り上がってくれる。

②相手の感情を揺さぶるテクニック
『悩みを相談して感情を揺さぶる!』
『嫉妬心を覚える→愛情に進化する!』
⇒共通の知人の名前を使わなければ、ウソでも構わない。

等、18種類。

〇関連する心理学実験

①スナイダーの実験「セルフ・モニタリング」
『自分の態度や行動を決めるときには、自分と周囲の関係を無意識に観察している』
⇒自分の評価や立ち位置を知ろうとする「セルフ・モニタリング」の能力によって、行動などが変化する。

等、3種類。

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上記のように、実際に読了してみると、全四章構成のうち「第一章から三章の多くでビジネスシーンにも応用出来る内容」でした。

ジャケットにインパクトがあることは良い面もありますが、今作品については、デメリットが多かったような気がします。

この機会に、新刊として発行された時期には読まず嫌いが発生した方々も、じっくりと読みこんでみては如何でしょうか。



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