【読書レビュー】日本人のくらしと文化/炉辺夜話 宮本常一
民俗学者である宮本 常一氏(みやもと つねいち、1907年-1981年)の講演記録。著者は、農村指導者、社会教育家としても活動していましたが、復興のために地方の人間と直接の会話をしながら、それによる理解と共感によって各地元に生きる人間にかみ砕いた上で、著者の卓越した知恵を時に厳しく伝導していくという内容です。講演自体は40年近く前のものになりますが、現代の地域社会の在り方や、地方自治、地方政治を考える際の示唆に富んでいると思います。特にコロナ禍で、日本でも働き方を変え、生活の