石田 利生 TOSHIO ISHIDA

令和5年3月末、37年間務めた大阪府立高校を退職しました 六年間の大阪府立高校 校長経…

石田 利生 TOSHIO ISHIDA

令和5年3月末、37年間務めた大阪府立高校を退職しました 六年間の大阪府立高校 校長経験をふまえて、後期中等教育の可能性、方向性、課題について思うところを綴りたいと思い no⁺e をはじめてみました。現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います

最近の記事

コロナ禍の高校生(5)

令和2年(2020)7月~10月 修学旅行・学校行事の実施 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 箕面高校は大阪府立高校には2校しかないグローバル科・普通科併設校で、例年、夏期休業中に2方面にそれぞれ40名規模の海外研修を実施していました それに参加したくて箕高を志す生徒も多数いました 令和2年度当初年間行事計画では、サンディエゴ夏期海外研修(8/24~9/2)・シアトル夏期海外研修(9/12~9/21)を企画していましたが4月エージェントとの協

    • コロナ禍の高校生(4)

      令和2年(2020)6月 授業・クラブの再開 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 6月1日(月)漸く全学年揃っての分散・短縮授業が始まりました(6月12日(金)まで) 出席番号により「1班」と「2班」に分け(1班:出席番号1~20、2班:出席番号 21~)、  「1班」9時 SHR(健康観察)40分3限授業    「2班」13時 SHR(健康観察)40分3限授業 同時に、大阪府立高校では、6月1日(月)~6月 12 日(金)にオンライン授業

      • コロナ禍の高校生(3)

        臨時休業期間中の登校日の開始 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 令和2年(2020)5月 当初予定していた4月の登校日も、当面の間実施しないことになり、本来なら、学校中に響き渡る生徒たちの声も戻ってきません 私は、2年生、3年生の生徒たちと挨拶を交わしたことがありません 学校で、顔を合わすことすらなかったのです 1年生は、新入生体操服及び体育館シューズの購入日の4月7日(緊急事態宣言が発出されたその日です)に、正門で登校の挨拶をし、顔を合

        • コロナ禍の高校生(2)

          臨時休業措置の延期 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 令和2年(2020)4月 私は、大阪府立箕面高等学校(以下、箕高)に異動・着任しました 辞令交付・経営企画会議・運営委員会・職員会議、担任会、分掌会議、等々と4月1日は慌ただしく過ごします 箕高でも、学校を挙げて、保護者・生徒の理解のもと、感染症対策に留意し、4月8日からの学校再開の準備を進めていました そこにはクラブ活動をする新2・3年生の声は聴こえてきませんでした 4月2日「第

        コロナ禍の高校生(5)

          コロナ禍の高校生(1)

          全国一斉臨時休業 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 私は、平成29年(2017)年より3年間 大阪府立東百舌鳥高等学校、令和2年(2020)より3年間 大阪府立箕面高等学校(以下、箕高)のそれぞれ校長職に就きました 箕高に着任した令和2年(2020)は、4月・5月の一斉休業、6月からの分散登校ではじまりました。令和2年(2020)入学生たちは、入学式のみならず、青年期の発達段階でかけがえのない教科外教育活動である部活動、体育祭、文化祭、校外

          コロナ禍の高校生(1)

          教員の働き方改革への提言(6)

          教員の働き方改革への提言と高大接続改革 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 本論では、「適正な学習評価」としてのエビデンス・アカウンタビリティの根拠を、学校全体(全教科科目、教科外教育活動の総て)で、「グラデーションポリシー」の共有と実践を進めていくことに求め、「定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行することを提言しました 同時に、「テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)」の思考から脱却し、新学習指導要領・

          教員の働き方改革への提言(6)

          教員の働き方改革への提言(5)

          「グラデーションポリシー」に基づく「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点による「適正な学習評価」をめぐって おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! めざすのは定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減です 定期考査に代わり、単元テストを、 平常点に代わり、パフォーマンス課題を という訳です 先ず、定期考査に代わる「単元テスト」です 単元終了時に単元の学習内容を、教科書の副読本(問題集)、使用した授業プリントか

          教員の働き方改革への提言(5)

          教員の働き方改革への提言(4)

          「グラデーションポリシー」の共有と実践による「適正な学習評価」 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 私が考える「適正な学習評価」のポイントはこうなります (1)校長は、「スクールミッション」を実現するため、3年間の教育活動で身に付けるべきCompetencies(資質・能力)を「グラデーションポリシー」として公表する(教育委員会による承認・公認) (2)先生方は、担当する教科・科目で、「グラデーションポリシー」(Competency-bas

          教員の働き方改革への提言(4)

          教員の働き方改革への提言(3)

          適正な「学習評価」のエビデンス・アカウンタビリティをめぐって おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! また、この間、フォロー、「スキ」をいただきありがとうございました。大変励みになります! ペーパーテストによる到達度評価の定期考査   ― 採点ミスさえなければ客観的なエビデンスを示せます 平常点  ― 膨大な時間と労力をかけて加点できる要素を詳細に記録し評価します。こちらも客観的なエビデンスを示すことができます 先生方にとっては「テスト点70

          教員の働き方改革への提言(3)

          教員の働き方改革への提言(2)

          定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 教職37年、校長職6年の現場経験・肌感覚と、自分なりに得た専門的知見より、 法改正や制度設計、財源確保の議論とも並行しつつ、令和6年度新学期より即実践できる私の考える「教員の働き方改革」は、 新学習指導要領・観点別学習状況の評価の理念に基づく適正な学習評価・授業改善の取組みの推進に基軸を置いた「定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行することに他なりません

          教員の働き方改革への提言(2)

          教員の働き方改革への提言(1)

          教育政策の経緯と問題提起 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 今週からは、私が大阪府立東百舌鳥高等学校・大阪府立箕面高等学校の校長職六年間で、あたためてきた「先生方の働き方改革」についての構想を、毎日曜日更新で提言していきます 初等・中等教育諸学校における「教員の働き方改革」は喫緊の課題で、文部科学省は、「教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供(ママ)たちに対して効果的な教育活動を行うことがで

          教員の働き方改革への提言(1)

          教員研修を創る!(7) -私たちはどのような生徒を育てますか-

          私たちはどのような生徒を育てますか おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 表題は、令和4年6月23日開催 教員研修で私がパワーポイントでプレゼンテーションしたタイトルです 個人情報・守秘義務事項を除いたプレゼンテーション(パワーポイント)内容は次のとおりです 令和4年6月23日開催 教員研修(石田) 「私たちはどのような生徒を育ててきましたか」の問いかけ、で始まり 「私たちはどのような生徒を育てますか」の問いかけで終えました 前任校の東百

          教員研修を創る!(7) -私たちはどのような生徒を育てますか-

          教員研修を創る!(6) -ノークラブディ 教員研修-

          ノークラブディ 教員研修 こんにちは! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 箕高では、ディプロマポリシーの共有を図りました 次に取組むべきこと ディプロマポリシーに基づき、 教科教育活動・教科外教育活動の両輪で生徒たちの人間的成長・発達に働きかける、 自身の教科・科目で学年の発達段階に応じて卒業時に身に付けて欲しい Competencies(資質・能力)の、どの部分を育てていくのか、 それを学校全体で共有することにより、各単元、それを構成する一時間一時間の授業で

          教員研修を創る!(6) -ノークラブディ 教員研修-

          感謝!

          令和5年4月26日(日)に初回投稿して以来、これまでに19週連続 毎日曜日に更新して来ました 大阪府立高校 退職校長の視点で、後期中等教育(高校)の可能性、これからの方向性、現場の抱える課題について、37年間の教員生活(うち6年は校長として)で得た知見・経験を踏まえて書き綴った、敢えて積極的に読んでみたいとも思われないであろう内容を、 しかも総文字数65880文字、一投稿平均3467文字の文章を、 総計 1000回以上、しかも内容に対して 100回以上の「スキ」をいただき

          教員研修を創る!(5) -ディプロマポリシー 研修-

          ディプロマポリシー 研修 おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 令和 2 年 12 月 23 日 教員研修のねらいは、箕高で初めての「ディプロマポリシー(グラデーションポリシー)」議論・全体共有、「授業改善・適正な学習評価」の研究・開発・実践に学校を挙げて取組むための第一歩とすることでした 今まで、先生方がそれぞれの教科・科目で、卒業時までにこんな力を身に付けて、こんなことを考えられ、こんなことができる、そんな青年・大人に育って欲しい、と教科・

          教員研修を創る!(5) -ディプロマポリシー 研修-

          教員研修を創る!(4)-なぜ、「グラデーションポリシー」(「ディプロマポリシー」)を議論し、全体共有することが必要なのか-

          なぜ、「グラデーションポリシー」(「ディプロマポリシー」)を議論し、全体共有することが必要なのか おはようございます! 毎週ご高覧いただきありがとうございます! 「海外大学に一番近い府立高校」としての大阪府立高校を牽引する実績があり、他校の海外大学進学指導にも貢献している 地域の進学校として、国公立大学、関関同立への進学も大阪府立高校の上位を誇る 府立高校としての実績、それらを創りあげた生徒たち、導きあげた教員集団 全く申し分ありません でも、私が教員生活のなかで、教

          教員研修を創る!(4)-なぜ、「グラデーションポリシー」(「ディプロマポリシー」)を議論し、全体共有することが必要なのか-