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中野 崇
2022年5月16日 12:53
フィジカル。サッカーに限らずスポーツ界でごく一般的に使われている言葉である。そこには分野があり、そこには役割がある。近年、多くの競技で”フィジカルの重要性”が説かれ、さまざまな方法論が開発されてきた。「世界との差はフィジカルの差」という表現も日本ではよく耳にしてきた人も多いと思う。私自身もこれまで数多くのチームで”フィジカルコーチ”としての任を与えられてきた。時には日本代表のコーチとして”
2022年5月4日 14:07
チーム内に必ずいるであろう、”戦術実行レベルが低い”選手。チームとして同じ練習をしてきているのに、なぜ彼らは他の選手よりも戦術が十分に実行できないのだろうか。戦術を理解できていない?状況把握ができていない?判断が遅い?そもそも技術が不足?決してそれだけではないはずである。戦術が実行できるか否に影響を与える要因は少なくとも大きく分けて『8つ』ある。チームとしてその全ての要素と戦
2022年4月14日 21:11
サッカーの試合で勝つために必要な「フィジカルの要素」はどんなものがあるだろうか?試しにピックアップしてみてほしい。例えば「体幹の強さ」や「スプリント」などだ。ちょっとサッカーのフィジカルに関心のある方でしたらかなりたくさん出てきたのではないだろうか。普通にピックアップすると余裕で100は超えてくるほど、サッカーにおけるフィジカル要素は数多い。(というかフィジカルが関与しない競技動作は存在
2022年4月9日 11:44
そもそもの私の立場は、トレーニングを指導することが役割と考えられているフィジカルという分野に属する。だからこれまで契約してきたチームでは大半がフィジカルコーチ(またはファンクショナルTRコーチ)という役割を担ってきた。(狭い範囲だが)世の中にもそのように認知されていると思う。フィジカル系のトレーニングに関しては、ほとんどが「方法」というキーワードを介して成立する。私が出演・執筆依頼を受け
2022年4月2日 07:06
サッカーのゲームスピードの上昇に伴い、サッカーを構成する各要素も同様にスピードの上昇が生じている。戦術がそのように進化している。選手たちの能力の向上がそれを可能にしているとも言える。激しいプレッシングの重要性はどんどん高まっており、戦術が要求するスピードでプレーできない選手は戦術から外されていく。このような傾向のみならず、そもそもサッカーの競技特性上重要度が高いのが『スピードに関わる能
2022年3月31日 16:22
サッカーやフィジカルという切り口でこれまで繰り返し全体とパーツの話をしてきた。嫌になっている人もいるかもしれないが、まだまだ続ける。繰り返し表現し続けないと我々は知らず知らずのうちに要素還元的な視点に引っ張られてしまうから。これらの表現にツッコミを千回ぐらい入れられなければ、要素還元的な視点から脱しきれていない。現代の社会は要素還元的な視点で溢れている。サッカーという全体構造の中のパーツと
2022年3月26日 11:02
信じられないかもしれないが、トレーニングは指導する側が自由にタイトルや目的をつけることができる。これらはトレーニング提供側がつけた「タイトル」である。タイトルと効果の関係は保証されることなく、フィジカル担当者がその責任を問われることもほぼない。タイトルの鵜呑みはリスペクトではない本来これはフィジカル分野の問題であり、”フィジカルブラックボックス”を生み出さないように全体とパーツの関係を維
2022年3月24日 08:06
戦術動作アプローチのプロセスはあらゆる競技の指導者にとって『フィジカルの取り扱いマップ』としての活用が可能であるが、その必要性が最も高くなるのが複雑な構造を持っている競技である。なので誰よりも速く走る、遠くに投げる、などのシンプルな構造を持つ競技だと、戦術よりも身体能力の重要度の方が明らかに高い。dサッカーは考え得る中で最高度に複雑度が高く、それゆえ戦術動作の重要度が非常に高い。裏を返すと「
2022年3月15日 15:24
戦術動作とは、戦術を実行するために必要となる動作能力のことである。単なる身体能力ではなく、戦術の実行という優先順位の中で要求される動作を指す。非常にシンプルだが、この知識に欠けると「なぜ戦術が実行できないのか」の分析に大きな欠落が生じる。例えば急減速能力が不足(相手に劣る)しているだけで”急減速が関与する戦術”の実行レベルは低下する。戦術実行の8要因戦術動作の生命線となる身体操作は、『
2022年3月12日 11:52
前回は、「誰にでも”サッカー選手が絶対やるべきトレーニング”を発信できてしまう「方法過剰供給状態の社会」においては、方法に目を奪われるのではなく選択能力の向上に努力をシフトチェンジしていく必要があると述べた。「このトレーニングをすれば〇〇ができるようになる」今回は”誰でも発信できる状況”における、もう一つの重要な問題について触れたいと思う。それは構造の単純化と短時間化。膨大な量のトレーニング
2022年3月10日 13:32
ご存知の通り、近年トレーニングの方法は溢れかえっている。トレーニングに関心のある方なら分かると思うが、SNSに少し目をやれば毎日膨大な数のトレーニング方法が投稿されている。(中でも日本のメジャースポーツであるサッカーと野球は”発信者”が多い)皆さんはこの状況をどのように感じているだろうか。特に選手や指導者の方々。「こうすれば〇〇ができるようになる」「サッカー選手が身に着けるべき正し