中野 崇

戦術動作アプローチ/フィジカルコーチ/スポーツトレーナー/JARTA代表/HP:htt…

中野 崇

戦術動作アプローチ/フィジカルコーチ/スポーツトレーナー/JARTA代表/HP:http://jarta.jp/ YouTube+SNS:https://linktr.ee/jartanakano

マガジン

  • 戦術動作アプローチ

    サッカー戦術動作アプローチについて書いています。

  • スポーツトレーナーの思考回路

  • 脱力スキル

    @著書『最強の身体能力/プロが実践する脱力スキルの鍛え方』

  • 子どもの教育考察

  • 文化×身体操作

    あらゆるスポーツとそのパフォーマンスには発祥圏の文化的背景が影響を与える。違う文化圏の競技でパフォーマンスを上げていくには、そのことを理解してトレーニングを構築していく必要がある。

最近の記事

  • 固定された記事

『脱力スキル』に書かなかったこと

12月6日に私の著書『最強の身体能力/プロが実践する脱力スキルの鍛え方』が発売しました。 脱力の技術、つまり”力み”に悩むすべての人に届いてほしいと願っています。 この脱力スキル本は、どちらかというとスポーツ選手向けなので、身体の専門家の方には少しものたりないかもしれません。 特に「脱力に関する生理学的/解剖学的な部分」に関する詳細は泣く泣く削ったので、、。 なので今回は『その部分』で書かなかったことを少しだけ触れておきたいと思います。 目次で言うと『第1章/力みの弊害

    • キック動作のクセが強い問題

      サッカー戦術動作アプローチでは、受講中の方に対して講義内容及び動作に関する質問を随時受け付けている。 多くの場合その内容は指導者または選手たちに共有すべきものとなるため、回答はこのnoteにて記載することとしている。 今回は以下のような質問をいただきました。 はじめまして。1月からサッカー戦術動作アプローチの講座を受講しております。現在高校のサッカー部でコーチをしており、#4の上半身操作構造に関して質問をさせていただけたらと思います。 自チームでクローズドスイングのトレ

      • 体系立てて学ぶことの大切さ

        スポーツトレーナーまたはフィジカルコーチとして、身体のことや動きのことを勉強する機会はこの業界にいる人であればもう当たり前の行為だと思います。 講習会などを利用することも多いと思います。 いずれにせよ勉強の目的は、『選手への指導に活かすため』ですよね。 どんなに知識があっても、究極は選手のパフォーマンス向上の役に立たなければ無用の長物。どんなに物知りでも、どんなに論文を知っていても(書いていても)、”選手目線”で意味がなければ、(少なくとも私にとっては)無意味です。 ”答え

        • 『脱力スキル』執筆うらばなし

          先日、『最強の身体能力/プロが実践する脱力スキルの鍛え方』が発売されました。 大変多くの方に注目していただいているとのことで、本当に光栄です。 せっかくの初著書なので、今回は「『脱力スキル』を書こうと思った動機」とか、「『脱力スキル』に込めたメッセージ」といった、裏側の部分を少し書こうと思います。 皆さんはトレーニングといえば、どんなトレーニングを思い浮かべますか? ベンチプレス? スクワット? コモドドラゴン? 人それぞれ、いろいろだと思いますが、それらはほとんどが『力

        • 固定された記事

        『脱力スキル』に書かなかったこと

        マガジン

        • 戦術動作アプローチ
          13本
        • スポーツトレーナーの思考回路
          12本
        • 脱力スキル
          3本
        • 子どもの教育考察
          1本
        • 文化×身体操作
          6本

        記事

          『構え』について

          いろんなところで何度も書いてきたことだが、とても大切なことなのでしつこく書く。 「構え」について。 日本のスポーツでは、構えは非常に重要視される対象となっており、例えば野球だとバッティングの構えや守備の構えは特に指導が入りやすいところになっています。 野球をやっていた私自身も、構えについてはコーチや先輩から何度も指導を受けたタイプ。私はそれがとても嫌だった。 その時に感じていた違和感。それは「やたら外見ばっかり言うやん」でした。 肘の角度、脚の角度。腰の角度。角度角度角度。

          『構え』について

          著書『脱力スキル』の冒頭部分(はじめに)を全文公開

          12月6日、私の初めての著書『最強の身体能力/プロが実践する脱力スキルの鍛え方』(かんき出版)が発売されます。 テーマは『脱力スキル』。単なる脱力ではなく脱力の『スキル』です。 脱力の、スキル。 そうです。脱力にはうまいヘタがあるのです。 例えば時間。ヨガマットの上で、力を抜くことに時間の制約は大してありませんが(時間がかかってもOK)、スポーツにおける脱力の時間的制約は甚大です。「『この瞬間』に力が抜けていなくては高いパフォーマンスにならない」、いくら強い筋力を持っていて

          著書『脱力スキル』の冒頭部分(はじめに)を全文公開

          バッティングで力まずに大きなパワーを発揮するメカニズム

          バッティングはとにかく受け身だ。 どんなに速いスイングができても、ピッチャーの緩い変化球でタイミングが狂わされればスイングの速さは発揮できずに終わる。 一方で、崩されにくいバッターや崩されても強烈なスイングができるバッターも存在する。彼らはどのようにしてそういう能力を持つことができているのだろうか。 同じスイングは二度とできない昔から野球界では「バッティングは水モノ」と言われてきた。 水物、つまり「当てにならないもの」という意味だ。 これは、バッティングの本質を結構表してい

          バッティングで力まずに大きなパワーを発揮するメカニズム

          『練習の質』を上げると、強い相手には勝てない

          スポーツをやるほぼ全員が、“自分より強い相手”を追い抜く必要に迫られる。 いやいや自分はすでに最強だから、という人も少ないながらもいるかもしれない。 しかしそのカテゴリのチャンピオンでも、『その先』はある。 地区チャンピオンならば全国大会、日本チャンピオンであればアジア大会や世界大会。唯一、世界チャンピオンだけは自分より強い相手がいないと言えるだろう。 しかしそれは優勝したその時だけであり、その後も自分が最強という保証ではない。 すなわち、スポーツで勝利を追い求める行為とは、

          『練習の質』を上げると、強い相手には勝てない

          現象には、必ず理由がある

          現象には、必ず理由がある。 特にそのように考えるべきは自分にとってネガティブな現象が起きたときだ。 自分以外の全員が、「不運だった」「運が悪かった」と言ったとしても、そのように考えなければならない。 ”自分には問題がなかったという立場”をとることは簡単である。 ネガティブな出来事は全て「他の誰か/他の何か」のせいにできる。 「俺は悪くない、悪いのは全部、、」という表現をいろんな言い回しで使い続ける傾向を持つ思考スタイル。というか思考停止スタイルだ。 当然だが、自省の機会は減少

          現象には、必ず理由がある

          怪我した部位は”被害者”

          例えば、靭帯損傷や肉離れなどの怪我。 これらを「不運/運が悪かった」扱いをした瞬間、”見えなくなるもの”が非常に多くなってしまう。 膝を例にとると、靭帯損傷や半月板損傷など膝の怪我の下部構造として存在しているのが動作時の『膝へのストレスの増大と蓄積』である。 膝にストレスが集まるということは、膝単体での出来事ではない。つまり全身が関係する。 膝の怪我は膝が悪いのではなく、膝が”被害者”である。 膝が怪我するシーンに深く関係するのが踏ん張って身体を支える動作。 膝の怪我の多く

          怪我した部位は”被害者”

          ハイパフォーマンス2つの条件

          野球のトップカテゴリーであるプロ野球のピッチャーたちは、個性豊かな投げ方をしている。 そして口を揃えて言う。 「自分に合った投げ方がある」 もちろんこれは非常に重要なことであり、身体が違う以上それぞれが違う投げ方になって当然である。 実際、私が普段サポートしているプロ野球投手たちもそれぞれフォームは大きく異なる。 しかし、だからと言ってどんな投げ方でも良いわけではない。 思った場所に投げる。 球速を上げる。 ボールに”キレ”を出す。 何度もそれを再現する。 バッターに

          ハイパフォーマンス2つの条件

          プロだからそうできるのか。そうしたからプロになれたのか。

          私が普段個人的にサポートしている選手はほぼ全員がプロ選手だ。 競技はサッカーや野球など複数にわたっている。 違う競技だから、同じメニューでも異なるタスクや制約を付加する。 トレーニングの良し悪しは身体、動き、そしてパフォーマンスの変化として現れる。 いずれにせよ、一定の頻度以上で継続しなければそれらは変化しない。 どの競技でも、どのレベルでも、これだけは確かだ。 私が指導しているトレーニングは身体操作トレーニングである。 身体操作はコモドドラゴンのようなダイナミックなものか

          プロだからそうできるのか。そうしたからプロになれたのか。

          トレーニングをどのように選ぶのかの考え方

          アスリートが身体を鍛える際の手段として、筋トレはもちろん重要な役割を担う。 このブログを読んでくださっている選手たちも、筋トレをしたことがない人はほぼいないだろう。(筋トレはウエイトも自重も全て含む) ではそういったトレーニングの際のターゲットはどのように決めているだろうか。 そしてそのターゲットを鍛える方法はどうやって決めているだろうか。 この部分、『トレーニングの選択』というフェーズに該当するが、一般的に考えられている以上に、非常に重要だ。 そしてもちろんのこと、難解で

          トレーニングをどのように選ぶのかの考え方

          間に合わなかったのは、なぜか。

          私はごく普通の中学生だった。中学校の野球部に所属し、プロ野球のピッチャーになることを目指して毎日の練習に夢中になるどこにでもいる中学生。 自宅で弟とゲームで遊ぶことも気に入っていたが、それよりも圧倒的に野球が楽しかった。少年野球をやっていなかったので、野球経験は学童保育所での”縦割り草野球”だけ。9人対9人が揃うことなんて皆無。常に変則ルール。なので中学校での入部時は同級生(少年野球出身が大半だった)よりも圧倒的に野球経験が足りなかった。もちろん野球エリートたちとは全く違う世

          間に合わなかったのは、なぜか。

          手段が増えたら重要度が増すのは『原理原則』

          世の中にはあらゆるトレーニング”手段”が溢れているが、使える手段が多くなった時に重要度が一気に増すのが「選び方」。 努力をするのは当たり前だと位置付ければ、「何をやるのか」が成果の差を生んでいくのは明白だ。   手段つまりトレーニング方法がyoutubeなどで簡単に手に入る今だから、 ”何をどう選ぶか”が勝負を分ける。   何を選ぶかを考えるとき、何を基準に選ぶのか?   テレビでやっていた。 トレーニング雑誌に載っていた。 有名選手がやっていた。 人気のyoutubeチャ

          手段が増えたら重要度が増すのは『原理原則』

          サッカー軸脚操作トレーニング

          サッカーは上半身が重要。 サッカーの上半身操作はパフォーマンスアップのカギである。 2017年にそのように主張して「サッカー上半身トレーニングセミナー」をスタートしてから、これまで多くの方々にその重要性とその理由を提示してきた。 漫画や雑誌でも「サッカーは上半身」というフレーズを見かけるようになった。  サッカーにおいて上半身操作は紛れもなく重要な要因であり、”外国の競技”であるサッカーを日本人選手がやるという構図においては、欧州選手における上半身操作よりもその重要度は

          サッカー軸脚操作トレーニング