見出し画像

「ユートロニカのこちら側」を読んでみたら

※1月23日(月)に書きかけて、下書き保存していたものです。そういえば、、、と思い出して、公開することに。書きかけたままになった理由は文末に。


ふと、目に留まった早川書房さんの記事。直木賞受賞作家さんの小川哲さんて、どんな文章を書く方なんだろうと興味を持って、こんな時にいっぴき羊がまずやることを、今回もやってみました。


気になる本のタイトルや作家さんの名前を見かけた時に、いっぴき羊がまずやるのは、、、

とりあえず、Christchurch City Libraries(クライストチャーチ市立図書館)のオンラインカタログで検索
「ogawa, satoshi」の検索結果へのリンク

そうしたら、一冊だけ、ありました!
それが、「ユートロニカのこちら側」

「あっ、読みたいっ!」って思った本を図書館サイト内のカタログ検索で見つけると、衝動的に借りに行ってしまう常習犯のいっぴき羊。

図書館が夜8時まで空いている金曜日だったので、急げば間に合う時間だったのだけれど、借りたら絶対、金曜日の夜にしようと思っていた作業が手につかなくなる、、、と、流行る気持ちを抑え、日本語書籍は、そんなに競争率が高くないので、翌日でも大丈夫だろうと、翌日の土曜日に図書館へ行って借りて来て、週末に一気に読みました


読み始める前に、まず、驚いたのは、本とは直接関係ないけれど、、、
図書館の検索結果に、

ユートロニカのこちら側
Yūtoronika no kochiragawa
by Ogawa, Satoshi, 1946-

と表示されたこと。
えっ、小川さんて、1946年生まれの方なんですか、、、?
と、びっくり。(注…勿論、高齢の作家さんが受賞されてもいいんですが…。)
その後、すぐにググって、もっともっと、いっぴき羊よりも若い作家さんであることを確認しました。
図書館の人に教えてあげようと思ったのに、借りに行った時には、すっかり忘れていました。
でも、どこから出てきたんだろう、1946年という出生年。
8が4に見えたのかなぁ。


あるインタビュー記事に、小川哲さんは子供のころ、「アガサ・クリスティーを読んでいた」と書いてありました。学生の頃、クリスティーが好きで、よく読んでいた私は、思わず、親近感を持ったんですが、、、小川さんの場合は、ご本人が読みたいと思ったわけではなくて、お母さまが、「アガサ・クリスティーの児童用のシリーズを1冊読んだら500円もらえる制度」を設定されたからだそうで、その後も、クリスティーファンになった訳ではないそうです、、、。


「ユートロニカのこちら側」を実際に読み進めながら、そして読み終えた後にびっくりしたのは、

えっ、2015年に、既にこういう内容が書けてしまったの、、、?

ってこと。


データサイエンスを勉強した頃に重なって、Facebook絡みのCambridge Analytica問題が大きく取り上げられるようになったこともあって、当時、Big Data、AI、アルゴリズムといったテクノロジーの進化が、ユーザーに与える影響にとても興味を持っていた私。そんな私の中で、当時からずっと気になってきたことや、最近、ますます気になってることと共通している部分が、ストーリーの中にいっぱい詰まっていました。

各ユーザーごとにカスタマイズされた、ソーシャルメディアの「ターゲット広告」や「タイムライン調整のアルゴリズム」等を理解すれば理解するほど、ソーシャルメディアが気軽に使えなくなってきていたあの頃、小川さんは、既に、そういったことが背景にあるストーリーを書き上げて、出版されていたなんて、「すっ、すごい!」と思ってしまいました。

便利だから気にしない、納得して自ら選択して使っている、、、と、すべてを理解した上で同意しているつもりになっていることでも、実は、都合の良い情報だけを開示されていて、表面的なことしか理解していない、、、な~んてことが、あるかも知れないよ~というヒントを、ITリテラシーのレベルにかかわらず、読む人すべてに投げかけてくれるかも知れないストーリーだと思います。

ChatGPTやその他のAI関連テクノロジーの普及で、仕事の場面だけでなく、日常生活の場面でも、いろいろなことが急速に、大きく変わっていきそうな今だからこそ、余計に、読んでみると面白いかもと思う本です。


ChatGPTにも、この本のレビューを書いてもらおうと思ったんですが、タイトルやISBNを指定しても、対象となる元データ(インターネット上のレビューテキスト)が少な過ぎるからか、統計的データで本のレビューを出力するのは難しいみたいで、微妙に、いや、かなり違うストーリーのレビューと書籍データが出力されてしまいました。
英語圏の人たちがあまりレビューを書いていない日本の映画や本のレビューは、もうしばらくは、人力ライターの仕事となりそうです。



ちなみに、この記事の「ユートロニカのこちら側」を”読んでみたら”というタイトルを思いついた時には、
「Why don't you read this book?」の読んでみたら
ではなく、
「After reading this book I felt…」の読んでみたら
というつもりでした。
読んでみたら、SF小説といいつつ、既に、実際に起こりつつある気がしないでもない近未来を予想した内容に、びっくりしたっていう。

でも、日本語のことばって便利ですよね。両方の意味を持たせることも出来てしまうから。
ということで、みなさんにおススメしてる「読んでみたら?」と、私の読後感想の「読んでみたら…」の両方を掛け合わせたタイトルってことします!


最後に余談:
1月24日(火)、クライストチャーチでエルトン・ジョンの野外コンサートが行われていて、そのコンサートの音が聴こえる場所にある友達の家のBBQパーティに行きました。楽しい時間を過ごした後、家に帰ってきて、さ~て、前日にほぼ書き上げていたこの記事を読み直して、公開するぞ~と張り切っていたのに、PCが暑さでやられていました。今年は、異常に暑い日が続いたクライストチャーチ。ソフトではなく、物理的に、電源ユニットがやられていました。メインのPCが急に使えなくなったことでバタバタしている内に、この下書き記事のことはすっかり忘れていました。猛暑や厳寒といった異常気象時には、人だけでなく、各種デバイスも、十分なケアが必要ということを学びました!


この記事が参加している募集

#読書感想文

187,194件

最後まで読んで頂きありがとうございます!もし、缶ジュースやお茶やお酒の1杯くらい、奢ってやってもいいかなぁと思える内容でしたら、投げ銭的にサポートして頂けたら嬉しいです。あなたからいただいた貴重なサポートは、次の記事を書く為の原動力として、大切に活用させていただきます。いっぴき羊