く も の め

140字におさまりきらないもの

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最近の記事

「推し、燃ゆ」

あとがきを読んでやっと、自分のいらだちがストンと足元に落ちた感覚だった。 推しのこと以外はなにもできない、働けないし自分の生活すらままならない。そんな主人公に憤りしか感じなかった。 姉の「頑張らなくてもいいから頑張ってるなんて言わないで」って言葉が私の怒りを少しだけ鎮めてくれたものの、やっぱり許せなかった。 主人公あかりが推しの真幸くんを解釈すること、その解釈を言葉にすること、それはどれも彼が生きている、存在する、その実感や体温として受け取るには十分だった。そうして解釈さ

    • 「星か獣になる季節」

      ドキッとした。推しに、推しだと思っている彼に、彼らに、抱いている私の気持ちは、もしかしたら軽蔑から来るものなのかもしれない、と。 そして、4年前まで、教室で生きていた私たちは、あの頃、きっと、軽蔑し合って息をしていた。 星か獣になる季節 最果タヒ 努力をしている彼らが好きだ。努力をしていると自ら発信せずとも「努力をしている」と分かるその姿が好きだ。 私は、彼らも普通の人間だったらいいのに、と、思う。普通の人間で、お金持ちなんかじゃなくて、歌もダンスも普通より少し上くらいで

      • 学生最後の春休み、やっぱり私は長期休みが苦手

        高校三年生のとき、同じクラスにとても野球がうまい子がいた。そこまで野球には詳しくない。けれど、明らかに彼中心でゲームがすすみ、ここぞという時に期待され、彼が泣けば周りも胸がぎゅっとなるような、そういう素敵な人だった。 彼とは2年生から同じクラスだったこともあり、特別に距離があるわけでもないわけでも無かった。けれど三年生になってからは何故か彼を前にすると、いや、前にしなくても、春の鈍器のようなあたたかさのように、「自分の無力さ」がずしんと重かった。 私の吹奏楽部では三年生になる

        • 就活体験記vol.3「挫折経験が無い」

          さてさて、就活を終えてからだいぶ時間が経ってしまったけれど、今思ってもこれにいちばん苦しめられたと言っても過言ではない。思い出すとモヤモヤする。当時これに関してめちゃくちゃ検索していたけれど、全く納得できなかった。この記事が何かのためになるかは分からないけれど(多分ならない)、自分の今後のためにも残しておくことにする。 「挫折経験が無い」。「20年以上生きてきたのに挫折経験が無いことが今いちばんの挫折です」「私の弱みは挫折経験が無いことです」って言わなかったけど、言いたかっ

        「推し、燃ゆ」

          この一週間のモヤモヤをなるべく綺麗に溶かしたい

          どうしても、モヤモヤモヤモヤしてしまってそんな自分も嫌で、この一週間憂鬱だった。けれど私は私のために、モヤモヤをなるべく綺麗にしてあげることにした。今から。 最近ね、ずーっと忙しかったの。 卒論やらサークルやら検定の勉強やらで朝も夜も「○○しなきゃ」って思ってでも出来なくてダラダラして、ちゃんとダラダラ出来ずにダラダラして。 だからずっとスッキリしない毎日だった。 そんなスッキリしない夜にさ、金曜の23時にさ、世界が変わった。 それまでも知らない誰かの言葉にイライラした

          この一週間のモヤモヤをなるべく綺麗に溶かしたい

          就活体験記vol.2「やりたいこととか無かった」

          何がやりたいのかなんて結局わからなかった23卒の話。 お祈りされる度に、モヤモヤするたびに検索してた「就活 やりたいことない」。 9月まで就活を続けていた私ですが、やってみたいことはたくさんあっても「これだ!」って思えるような「やりたいこと」って無かった。私ってこれをするために生まれてきたんだ!みたいなそういうの、他の就活生は持ってたのかな。 最終面接で「結局何がしたいの?」って言われて答えられなくて、あれ、私もしかしてこの年齢までにそういう「やりたいこと」みつけられてな

          就活体験記vol.2「やりたいこととか無かった」

          就活体験記vol.1「人生って何があるかわからないから面白い」

          9月まで内定0だった23卒の話。 前回の記事から3ヵ月。 私の就職活動は、つい最近、終わりを迎えました。 9月まで、1社も内定無かったです。 半年以上就活し続けて、 「どうして私のこと伝わらないんだろう」「何がダメなんだろう」って考えて、あれこれやってみて、落とされて、さいあくな夜を何度も迎えた。note投稿しようと開いたら、見せられないくらい酷い下書きがあってびっくりしちゃった。 そんなこんなで長いこと真っ暗なトンネルを歩いてきた私ですが、結局就職先に決めたのは今ま

          就活体験記vol.1「人生って何があるかわからないから面白い」

          運命の日だと気づかないまま がむしゃらに走る僕を まだ笑うかい?

          まだ内定が無い23卒の話。 この前エージェントさんに「何か困っていることはありますか?」って聞かれて『うーん… ないです。』って答えた自分に自分でもびっくりしてしまった。 「あれ、内定持ってたんでしたっけ?」 ないです。無いのにこんな堂々としちゃってて。 6月って内定率6割超えてるみたい。怖。 出だしからなんて呑気なんだと呆れている人もいるでしょうが、4割に当てはまる私は、本当に呑気に就活をしてきたわけではないです。本当に。 早く終わったから優秀なんですか?就活終わる

          運命の日だと気づかないまま がむしゃらに走る僕を まだ笑うかい?

          それでも生きていかなきゃいけないから

          第一志望の会社に、 あっさりESで落とされてしまった。 今までどれだけお祈りされても 「まだ第一志望がある」 「やっぱりあそこに入るために落とされてるんだ」 って信じ続けて、 絶対向いてるって思い続けてきた。 推しのライブの開演45分前。 そんなタイミングでもお祈りされちゃうんだもん、なんなん。 私の人生なんなん。 友達に悔しい、ショック、って言いながら会場入って(こんなメンタルで会場入るオタク私くらい)キラキラなステージの前で 「人生おもろすぎるな~」って言ってみた。

          それでも生きていかなきゃいけないから

          でも、結局、この話をすると あなたも私の生きづらさを抱えて生きればいい、それが愛なんじゃない、 って、思ってしまうな

          でも、結局、この話をすると あなたも私の生きづらさを抱えて生きればいい、それが愛なんじゃない、 って、思ってしまうな

          プラトニック・コンプレックス

          「恋愛」について、「性」「生」について、 モヤモヤしていること。 やっぱり我慢ならなくって、 吐き出したくなったこと。 私は、あの時から、いまでも、この手の中に悲しさも悔しさもある。 この詩に出会ってしまった時の衝撃と、私がこれから生きてゆくのに背負っていかなければならぬものへの絶望。 それでも目を背けることはできなくて、最果タヒさんの言葉を追っている私は、きっと、どうしようもない欲望を肯定できる何かを求めているんだろう、ずっと。 恋愛の切なさやトキメキや愛おしい気持ちが

          プラトニック・コンプレックス

          お風呂に浸かれない就活生の話

          お風呂が苦手。 めちゃくちゃ忙しいとかめんどくさいとかではないんです。 ぼーっとしたり何もしないことが出来ない私は、いつの間にかお風呂に浸かる時間=考え事をする時間になっていて。 不安やモヤモヤが心を支配している時にお風呂に浸かると、余計にマイナスなことばかり考えてしまって、綺麗に洗い流すどころかもうそれはそれは重いものを身にまとってしまう。一時期「お風呂 病む」でめっちゃ検索してた(笑) 本当に毎日不安です。このまま就活進めていいのか?ていうか私が働く会社ってあるのかな

          お風呂に浸かれない就活生の話

          人生はドラマチックにいかない(映画「HOMESTAY」感想)

          ※ネタバレ含みますので未見の方はお気を付けください! 「HOMESTAY」を観ました。 正直、特に事前情報なく「評判よさそうだな~」ってだけで観たので、かなりショッキングだった。 散りばめられた若さや青春や爽やかさの奥に隠された痛みや人生そのもの、そこを見つめる怖さの自覚。 だから、明日からも頑張ろう、とか、まあそういういっぱしの前向きな気持ちが得られるというよりは、静かに錘を乗せられたような感覚が強い作品だと感じました。 「答え」について 真が周りの人に「気づかれて

          人生はドラマチックにいかない(映画「HOMESTAY」感想)

          多様性の時代の「私」とは

          ryuchellさん、息子の名の由来は「人種差別考えてほしくて」 朝日新聞デジタル 今日Twitterでこの記事がトレンドに入っていたのだけれど、ほとんど批判のツイートでビックリしてしまった。 「自分の主張を押し付けるな」「子供に一生背負わせるのか」とか。 記事読んだら私はそう思わなかったけれど、今回これを書いているのは善悪をつけたいわけではなく、どうしてこうなっているのか、を考えたいからである。なんかこれって「多様性」に対して私が感じているモヤモヤに通ずるのかも、と。

          多様性の時代の「私」とは

          私の推し活論。~「シドと白昼夢」椎名林檎編~

          私のオタ活のテーマソング、「シドと白昼夢」。何年も前に出会ってからこの曲にずっと惹かれていたのだけれど、最近その魅力が言語化できそうな気がしてきた。恐らく推しに対する気持ちや考え方って人によって違うのだろうけれど、もしかしたら共感してもらえるかもしれないと思ったので良ければ読んでってください~‪‪☺︎‬ 早速この曲について。 私この曲のサビが大好きなんですよね。 タイトルの「シド」は、「シド・ヴィシャス」のこと、そしてここでの「あなた」で、彼女は彼に強く憧れる気持ちがあっ

          私の推し活論。~「シドと白昼夢」椎名林檎編~

          ちゃんと自分で考えること。

          気づいちゃった。 みんな、社会の歯車になるための準備始めてる。 周りが就活してるから、誰かが投稿してるから、本屋さんに本が置いてあったから、通知が来たから、そうやって不安に煽られて分からないまま進もうとしてる。 だから「就活マナー」みたいな言葉にドキッとするし、「ガクチカ」って言葉ができるし、みんなみんなどんどん同じになっていく。 髪の毛黒く染めて女性は女性らしくを着て前髪ピタッと止めて。 ESの書き方や面接のテクニックを身につけて。性格診断の対策本まで存在する。 何かに怯

          ちゃんと自分で考えること。