学生最後の春休み、やっぱり私は長期休みが苦手
高校三年生のとき、同じクラスにとても野球がうまい子がいた。そこまで野球には詳しくない。けれど、明らかに彼中心でゲームがすすみ、ここぞという時に期待され、彼が泣けば周りも胸がぎゅっとなるような、そういう素敵な人だった。
彼とは2年生から同じクラスだったこともあり、特別に距離があるわけでもないわけでも無かった。けれど三年生になってからは何故か彼を前にすると、いや、前にしなくても、春の鈍器のようなあたたかさのように、「自分の無力さ」がずしんと重かった。
私の吹奏楽部では三年生になる