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プラトニック・コンプレックス

「恋愛」について、「性」「生」について、
モヤモヤしていること。
やっぱり我慢ならなくって、
吐き出したくなったこと。



好きだった音楽をきいて心が暴発しなくなったら、私の思春期はつまらない生命維持の為、殺されたってことだろう。恋のような苛立ちや焦りが、結局は性欲だったこと、ただの大音量に本能で反応していたこと。知っていたよ。私のスカートの下には肌がある。それは猫や犬と同じよ。
「スピーカーの詩」


私は、あの時から、いまでも、この手の中に悲しさも悔しさもある。
この詩に出会ってしまった時の衝撃と、私がこれから生きてゆくのに背負っていかなければならぬものへの絶望。
それでも目を背けることはできなくて、最果タヒさんの言葉を追っている私は、きっと、どうしようもない欲望を肯定できる何かを求めているんだろう、ずっと。

恋愛の切なさやトキメキや愛おしい気持ちが、性欲から来ているだなんて、知りたくなかった。なんとなく気が付いていても、この世がすべてそうやってできているだなんて思いたくなかった。
まだ恋とも呼べぬ小さな温もりが、すぐに嫌なカタチになって私の前に現れては汚していく。


恋ってなんだ。
性欲ってなんなんだ。

彼から発せられる声の端に優しく胸を突かれること、
ふんわりと纏う空気に触れたいと思うこと、


それさえも、

つまらない生命維持のため

にあるの?


そんなのやっぱり認められないです、私は。


私達のこのセンチメンタルな痛みが、疼きが、どうかただの性欲だなんて呼ばれませんように。
「文庫の詩」冒頭部分


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