私の推し活論。~「シドと白昼夢」椎名林檎編~

私のオタ活のテーマソング、「シドと白昼夢」。何年も前に出会ってからこの曲にずっと惹かれていたのだけれど、最近その魅力が言語化できそうな気がしてきた。恐らく推しに対する気持ちや考え方って人によって違うのだろうけれど、もしかしたら共感してもらえるかもしれないと思ったので良ければ読んでってください~‪‪☺︎‬


早速この曲について。
私この曲のサビが大好きなんですよね。

あなたの髪を切らなきゃ
真っ黒な其の眼があたしの眼に光を射てば呼吸が出来る
いまは還らない影など全く厭だけれど
あなたには殺されても良いわ
シドと白昼夢/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

タイトルの「シド」は、「シド・ヴィシャス」のこと、そしてここでの「あなた」で、彼女は彼に強く憧れる気持ちがあったことが分かります。
この彼に対する「手の届かなさ」と、まるで彼を目の前にしているかのような表現が、強く憧れる人や好きな人への気持ちをまんま表しているなと感じるんですよね。「推し」というと軽い響きになってしまうけれど、実はこの「推し」に対してこういう強い憧憬の気持ちを抱いている人だっていると思います。私もそうだし。

でね、「あなたの髪を切らなきゃ」って、すごく素敵だと思いませんか?
言うまでもなく、切れるはずがないんですよね。でも、「切らなきゃ」って言えるくらい、彼の存在は現実味を帯びている。「髪を切らなきゃ」って言うことで、自分とは明らかに隔たりがある彼を自分の方に引き寄せてきている。そんな力がこの詞には宿っている。

この「あなたの髪を切らなきゃ」って、多分、推しがいるほとんどの人がやったことあるんじゃないかな。自分の生活の中で、自分の人生や考え方の中で、彼や彼女が存在していて、自分なりの彼らとの世界がある。その世界は誰にも邪魔されない。もちろん他の人と共有している部分もあるけれど、私だけの世界、って、きっと誰もが持っているよね。

私はそういう「私だけの世界」で、推しの数だけ私の世界は広がって、いろんな色になって、どんどん素敵になっていく、そういうところに楽しさや面白さを見出しているんでしょう、きっと。

だから、確かに彼らは雲の上の、手の届かない人、ではあるのだけれど、「あなたの髪を切らなきゃ」って思っているし、思っていたい。

そのほうがもっと好きになれる気がするし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?