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🌕十六夜杯🌙勝手に十六夜賞 Part.1(俳句編)

こんにちは(^-^)
十六夜杯、たくさんのご参加ありがとうございます💐

まず、この記事の「勝手に十六夜賞(俳句編)」は、私設賞です。
これから行われるみんなで投票する公式賞とは、まったく異なるものです。
私が独断と偏見(好み)によって、「十六夜杯俳句」より、「勝手に」選んでいます。(^-^;

みなさまの俳句は、どれも秀作ばかりで、正直選ぶのがたいへんでした。
今回の私設賞である「勝手に十六夜賞(俳句編)」では、前回と同じくファーストインプレッションで選ばせていただきました。
何度も選ぶと、どんどん増えてしまってたいへんなことになるからです。
(^-^;

それでは、「勝手に十六夜賞(俳句編)」発表です。
今回も長いです💦

掲載時とは、文字間・改行が少し異なっていることがあります。
一部、コメント欄より引用させていただいています。
(掲載は順不同)

👑💎【勝手に十六夜賞】💎👑


🌕🌙🌕

君の背に鉄塔ヒヤリ後の月

本当に初めて?とは思えないくらいうまいなぁと感じました。
恋をしているときの、不安な気持ちが「鉄塔ヒヤリ」に凝縮されていて、
「後の月」が、恋しているときの夢見がちな感じと君を愛しく想っている心情を表現していて、しかもそれが「君の背に」です。
無駄な言葉が一文字もないな、と思いました。
素敵な俳句です💖


☕☕☕

秋の朝コーヒー淹れつつかかと上げ

ツイッターで掲載されているのを何度か目にしていて、いいなぁ~と思っていました。(´▽`*)✨
日々の俳句もさることながら、イラストがとても可愛いですね。
その取り合わせがほっこりして、キュートで素敵です。
ぜひ、実際に記事を見てほしいです!!
今回、ご参加は3句ですが、記事には75枚のイラストと俳句のコラージュがあります。堪能できて、幸せ (≧▽≦)💖
日めくりカレンダーほしいです!
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪

✨✨✨

三日月を背置いてゆくや豆腐売り

紺屋町月の欠片を拾いけり

童話とはまた違う幻想的でシュール。
この世界と少し重なっていて、すぐ隣にあるような異界、異世界に少し紛れ込んだかのような心地よい錯覚を思わせる。
幻想詩という形で、記事を発表されてますが、まさにこれは幻想句。
豆腐の白色と三日月のほんのりとした金色の対比、藍色と金色の月の欠片との対比、そして、幻月!!
独特な世界観、幻想句素晴らしかったです。


🍀🍀🍀

コスモスの開いた銀河に蜂の船

コスモスの花を銀河に見立て、中心部の花粉に集まる蜂を船に見立てるなんて素敵な俳句です💛
確かに、そう見えてきました(´▽`*)✨
一面コスモスの異世界感✨
コスモス(cosmos)は、「宇宙を秩序ある調和のとれたシステムとみなす宇宙観」。ギリシャ語に由来し、カオスとは対をなす概念。
英語のユニバース(Universe)の類義語ですが、秩序・調和の概念が付与されている違いがあります。
その取り合わせも見事です。
(*^-^*)💞


🍁🍁🍁

世の果ての音色もかくや秋風鈴

夏の音色とは違い、秋風鈴🎐はどこか寂し気、儚げで哀愁漂い、世の果てから聴こえてくるようです。
「秋の深夜、遠くに聞こえる風鈴をイメージ」したそうです。
素敵な俳句です✨


🌕🌙🌕

十六夜に白金のごと映ゆる街

十六夜にプラチナ✨を付した俳句💛なんと、贅沢なんでしょう❣
うれしいです。様々な色の表現がありますが、月映えの街をプラチナ色で表現するのは個性的で素敵ですね。趣があります。
(´▽`*)✨


✨✨✨

古池に自意識沈める音を聴く

東洋の美が、現実に無限を感じようとするところにあるならば、今、この今の瞬間に美を見いだそうとする、俳句は格好の手段かもしれない。
俳句で哲学的直感を得る。
松尾芭蕉翁もきっと、それを求めていたのだろう。
「わび」、「さび」、「かろみ」。
・・・・
と、思考がフリーズしかけるので、こういうときこそ俳句の出番だ。
思考を無限に向かって飛ばそう。

仲村比呂さん記事より

芭蕉の句から発想を飛ばして詠まれている仲村さんの俳句も素敵でした。

🍀🍀🍀

負へぬ荷は負はず湖上の月明り

湖上の月明かりを見つめているこの人は、自分では背負いきれないほどの荷を今までどれだけ背負ってきた、いや背負わなくてはならなかったのだろうか。そして、それをようやく下ろすことができたのだろうか。
それとも、もう背負わないとという決意の表れなのだろうか。
この句を通して、個人的にいろいろと思い、考えを巡らしました。
身軽になる。言葉でいうのは簡単だけど、しがらみはそう簡単には断ち切れず、自分の本意でなくとも背負ってしまう荷も人生にはあるよなぁ。
と、湖上の月明かりを思い浮かべながら、思ったのでした。

🍁🍁🍁

その月も欠けたるところ同じかな

手にふはり月にあづけし君の声

十六夜もともに笑ふよふらここと

何ともやさしい、わたしが君をどんなに愛おしく想っているのかが、伝わるようです。表現が素敵です。
「ふはり」も「あづけし」も柔らかさを伝えて効果的と感じました。
「ともにともに笑ふよふらここと」
言の葉の選び方、紡ぎ方が柔らかくて、微笑ましく、秀逸ですね。
透明感あふれる優しい世界を紡いだ素敵な3句でした。

🌕🌙🌕

秋蝶のてふてふてふと彷徨える

少し弱々しくはばたいている秋の蝶🦋がさまよっている感じが、「てふてふてふ」のリフレインで上手く表現されていて、映像が浮かぶようでした。
蝶の季節による羽ばたきの違いを見事に捉え、表現しています。
(´▽`*)✨

✨✨✨

新月やピエロは月を消したまま

月並みの月を集めや闇照せ

野毛大道芸のポスターを見てつくりました。
虚子が月の俳句は「月並み」でどれも同じになるという俳句の返し。

やどかりさん記事より

新月は、ピエロが手品で月を消したまま元に戻すの忘れてしまったかのようですね。楽しい発想飛ばしです。思わず、くすりとしました。
(´▽`*)✨
2句目は、高浜虚子の俳句の返しとは、粋で洒落てます。
月のリフレインがリズミカルで心地よく感じ、月並みでない俳句でした。

🍀🍀🍀

満月が綺麗ですねといえなくて

名前などどうでもよくて月蛙

最近、夏目漱石の粋で奥ゆかしい翻訳が話題になって、だいぶ浸透してきたように思います。満月であっても、それでも「月が綺麗ですね」と言えない気恥ずかしさは、いつの時代にも通用するものですね。
「月蛙」は、最初読んだ時には勘違いしていました。
「月の蛙」は季語だったのですね。「月の兎」のように。
蛙は春の季語、雨蛙や青蛙は夏の季語というのは知っていたのですが、「月の蛙」が秋の季語と初めて知りました。とても勉強になりました。
兎🐰だけではなく蛙🐸も月にいたのですね!!!


🍁🍁🍁

「ひさしぶり」雲ゆるゆると月に添ふ

月と雲が久しぶりに会う恋人どうしの設定なのですね。
(´▽`*)✨
「ゆるゆると」の韻、リズムがふたりのどぎまぎ感を醸し出して新鮮な表現と感じました。
「おひさしぶり」の話ことばも同じく、俳句では新鮮です。
17音の俳句に、まだまだ可能性を感じ、勉強になりました。

🌕🌙🌕

虚栗みなしぐり手あつく置きし木こりかな

盆地と空一面のあう葡萄棚

虚栗、殻ばかりで実の無い栗、実無し栗。
それを手厚くさも大事そうにそっと置く木こりの胸に去来するのは、どのような想いなのでしょうか。虚栗に自分を重ね合わせたようにも感じました。
2句目
盆地と空の間に広がる一面の葡萄棚
中央道を走っていると、突然、視界に広がる甲府盆地を想起し、
盆地と、どこまでも広がる奥行のある空と、一面の葡萄棚、平行に拡がるその壮大な景色に思いを馳せました。
盆地にとっての空は、葡萄棚にもなるのでしょうか。
いずれも秋らしい情景を詠んでいて、素敵な句と思いました。

✨✨✨

曼珠沙華 他界し続けていく日々

曼殊沙華の妖艶で凛とした姿は、あの世(彼岸)を思わせます。
私たちも日々死んで、生まれ変わっている。
そう思うと、いろいろなことがすんなりと受け入れられるような気がしてきます。
「他界し続けていく」という言の葉が、「メメント・モリ」(memento mori)にも通じ、しばし感慨に耽る句でした。

🍀🍀🍀

虚栗ワタシの存在意義を問う

掻き出した子宮は空、残月

俳句に興味ない奥様が選んだパワーワード
1句目の季語は、虚栗(=実無し栗)
殻ばかりで、中に実のない栗
その漢文ちっくな言葉のあとにつく乾いた「ワタシ」
最後に「存在意義を問う」
もう、好みど真ん中です(´▽`*)💚
むしろ、私が詠みたかったこの俳句!!と、思いました。
(^-^;
2句目は、
冷たく鈍色の人工的な器具で掻き出された後の子宮は「空」っぽ
そして、「空」虚で「空」(むな)しい心持ち
そして病院を出ると、「空」に見えるのは、朝まで残っている
頼りないほどに白く薄っぺらな残月(残り月)
そんな光景、情景が見えました。
ミテイさんの句は、いつもひどく印象強く、一瞬にして心を奪われる何かがあります。目を逸らさずにはいられないのに、かえって凝視してしまうような不思議な魅力。
俳句の話です。

🍁🍁🍁

斃れても斃れてもなお空を見る

人は人生の中で、すでに何度も死と生を繰り返しながら生きて、そのたびに空を見上げているのかもしれませんね🍀
こちらの句に、何か勇気づけられたように思いました。

🌕🌙🌕

金青に心寄り添い上り月

金青(こんじょう)色、夜の色ですね。群青色とも、藍色ともまた違い、ゴールドの入った、濁りのない深いまさに夜の色ですね💙
 >何もない夜空から、一日一日とゆっくり満ちて行く月を、
 >愛でるように、時が過ぎて自分を満たすような面持ちで。
今日(10/25)が新月で、まさに今日から1日1日と月は満ちていきます。
心寄り添いながら、自分を満たしていくように月は上るのですね。
日々刻々と移り変わる月相と軌跡をうまく表現されていると感じました。
素敵な一句です。


💎💎💎


十六夜杯【 勝手に十六夜賞 】


「 勝手に十六夜賞(俳句編)」は以上、18名です。
十六夜杯は、まだまだこれからも続きます。
どうぞ最後まで楽しんでいってくださいね。
出逢いに感謝 (*^-^*)💞



読んでいただけてうれしいです。ありがとうございました。 (*^-^*)