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十六夜杯短歌一覧(132人🍁332首)

「十六夜杯」に投稿された
短歌(記事へのリンク付)を
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締め切りは 10/25 新月の時刻(19:49)🌑

🌔 全首一覧

🌾10/25(火)18人  40首


332.大丈夫!娘を思って食べたけど
    こっそり瓶に手を伸ばす

331.秋だけど前日作ったおにぎりを
    ドキドキしながら食べてみた

330.束の間の秋をたのしむ暇もなく
    かじかむ指で文字打つ季節

🍂


329.寝て起きて季節を飛ばし金木犀
    香る寒さを見て触れて知る

🍂

328.東京の空にあなたが歌うから
    遠く仰ぎ見る同じ秋の夜

🍂

327.つらつらとあなたの文を味わう夜
    しとしと降りてすすき梅雨なる

326.山辺やまのべに咲いたつゆ草夕に枯れ
    定めと知るも哀しきかな

325.「おはよう」と言いしひとありぬくもりの
     けふも始まるひかりの方へ

🍂

324.芳香をまといただよう金の蝶
    心がにじむあの日の記憶

🍂

323.散歩道 こっちだよって金木犀
    あまあまはなに 金木犀

🍂

322.神無月 宵待ち時の が並び
    そぞろ歩くは 麻布十番

321.日が暮れて ほのかに寂し神無月
    虫のりりり 胸にこぼるる

320.仄白く秋のうららに昇る月
    ワイン片手に ほろり眺むる

🍂

319.フロントの招き猫鳴く秋の宿
    言葉少なの君の横顔

318.散歩道君と眺める初紅葉
    赤いパンプス痛みこらえて

🍂

317.「明日には月に行かなきゃ」澄み切った
     いざよう君の横顔は綺麗


316.
ガラス板の秋空だけが好きだから
    白妙の雲奪ってキスを

315.もし君が猫になっても見つけるさ
    秋の光のにおいを頼りに

🍂

314.墓参り小春日和の陽だまりに
    昇る白煙白蝶一頭

313.虹架かる空もやがては茜色
    秋の夜風に樹々朱あかと

🍂

312.氷上に舞い降りラテン胸躍る
    我の鼓動も忙しきかな

311.秋風や仕舞い込みたる文の束
    幾年なれど我読み惑ふ

310.今宵またトキメキながら活字追う
    秋の夜長にデジタル文庫

🍂

309.秋日影 父の工具の整然と
    遺されて今日「閉店」を貼る

308.くれなゐ橙色だいだいいろに葉の揺れて
    子らコスチュームまとひし彼の日

🍂

307.満つる月彼方におわすあなたとの
    逢瀬を願いて夢想する

🍂

306.秋色のスパイス効いたやうなカフェ
    隣は甘い声を出すひと

305.「恋し浜」独り下車する無人駅
     恋文託すホタテの貝殻

304.秋雨の流るる街を眺むれば
    君の横顔私の肩に

🍂

303.吹き抜ける色なき風よ煌めき含め
    我が手かざして何を掴むや

302.幼き日母の温もりよ幻か
    涙と黄落負けじと前へ

301.無力さよ色ながら散る我が身かな
    落ち舞い上がれ彩り重ね

🍂

300.飯も茶も黙って待ってる祖父の剥く
    月の無い夜のりんごの兎

299.みのたけに合わない梨のその重み
    お酒もきみも足りぬ金曜

🍂

298.無重力空間でするコイントス
    裏か表かコインは増えて

297.天空を超えて次元の狭間まで
    シュレディンガーの猫たちと行く

296.宇宙から聞こえる音を声にして
    歌うあなたに旗を振る夜

🍂

295.リコーダーの 練習をする 音がした
    もう日が暮れた本番は近い

294.RGBのRに寄った色彩に
    近づく冬を思ってブルー

293.「夜冷えるから一応羽織っていった方がいいよ」
               と母の念押し


🌾10/24(月)13人  28首


292.
いつの日か肉体ぬいで住む所
    彼岸花満つ水辺の庵

🍂

291.運動会 梨 栗 葡萄 勢揃い
               母の愛と私の笑顔

290.曼珠沙華 風にただよう紅い波
    あの日の想い乗せてはばたけ

289.「半分こ」君に割られた石焼き芋
                右手に君の手 左手に芋

🍂

288.柿色の長めのストール羽を織り
    バスから降りる秋のよそおい

🍂

287.秋風に肩震わせて空仰ぐ
               夏の名残よセミの抜け跡

🍂

286.爆音と無言の森の秋桜
    おのが誠にただ其処そこに咲く

285.「分かるでしょあなたの為よ」ワカラナイ
     わたしはママの二周目じゃない

284.嘘つくな腹わって話せ筋とおせ
    そんな感じのボクの秋晴れ

🍂

283.服悩む暑いの寒いの嫌なのよ
    母は我を思春期と思う

282.我らには子孫を残す義務がある
    おんぶバッタのオスの叫びよ

🍂

281.満月が溶けていくから瓶に詰め
    朝になったらパンに塗ろうか

280.秋空の高さを説明して欲しい
    気象学ではなく文学で

279.僕らから熱を奪って知らぬ間に
               過ぎ去る九月に恋をしました

🍂

278.朝空も昼の陽も空いた木々も
    みんな眠そうな気のする秋

277.トンネル効果が連続する だって
    鼻炎のはずなのに金木犀

276.半纏の両のポッケ差し入れて
    手から眠る秋の長夜

🍂

275.これからはわたしの気持ちそのままを
    感じるままに言葉にしよう

274.ゆっくりと育ってゆくよ君らしく
    苦労した分優しくなって

273.今ここにたとえあなたがいなくても
    見上げる空はたったひとつさ

🍂

272.腹減ったしめじに玉ねぎご飯入れ
               あっという間に焼きうどん

🍂

271.願わくばこの悲しみを包み込み
    浄化されたし君のその手で

🍂

270.満ち足りた夜を過ぎれば
    十六夜の 夏の名残に心寂しく

269.十六夜と十四夜の月くらぶれば
    満たぬどちらも心癒せり

268.秋夜空浮かぶ想いを追いかけて
    陰り行く月夏も去り行く

🍂

267.喧嘩から始まり共に過ごすうち
    君の愛知る足湯物語

266.焼き芋はトトロの温度
    秋風は猫バスの色歩こう歩こう

265.公園の銀杏いちょうのしおり小説の
    野分のわきのシーンに紛れ消えゆく

🌾10/23(日)6人  14首

264.道路脇緑が赤く染まる頃
    雪も混じりて季節がバグる

263.外寒く着る服迷いパーカーを
    それでも寒い冬服迷う

262.雪ないが寒さがしみる今だから
    温まろうよ鍋囲んでさ

🍂

261.ろうそくの炎のように揺らめいて
    夕日の方へ歩いて帰る

260.似合わないと言われた爪を見ておもう
    落ちるもみじはしずかな叫び

259.迷わずに赤を選んだゆびさきに
    散るのはもみじかりんごか夕日か

🍂

258.武士のように振りかざす剣
    虫取り網対して兄は猫探し

🍂

257.散らかった気持ちのカケラつながった
    大きく伸びする十六夜の風呂

🍂

256.天高く馬肥ゆる秋にしたいこと
    囲碁に読書に十六夜杯

255.寒暖差アレルギーにて鼻水が
    かんでもかんでもまだまだ出てくる

254.月見蕎麦二八蕎麦にきつね蕎麦
    食べたいものが美味しい季節

🍂

253.柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺?
    鐘が聞こえてクスッと笑う

252.見上げれば波に似ているうろこ雲
    急にあなたに会いたくなった

251.風が吹き「寒くなったね」なんて言う
    あなたの腕をギュッと抱きしめ


🌾10/22(土)6人  17首

250.ついさっき世界救った勇者です
    空ってこんな青でしたっけ

249.金曜日ぶりに通った駅前に
    金木犀が生まれてた朝

🍂

248.刈田にて仕舞い忘れし鳥避けの
    缶から一つ鳴るは哀しき

247.水盤を震わし風の行き過ぎて
    そこに眠りし人をぞ思ふ

246.日蝕にっしょく黄泉比良坂よもつひらさか尋ぬれば
    はくとなりてもつまに逢いたし

🍂

245.第三次世界大戦はじまれり
    痩せた老人吐き捨てにけり

244.愛されて名付けられたる日のありき
    名の一文字を位牌に印す

243.背もたれにもたれず浅く腰掛ける
    背の美しき老となりたし

🍂

242.時にはさマスク外して いいじゃない?
    金木犀の香る街並み

241.鼻につく秋の道路はどうしても
    だから私は ぎんなん嫌い

240.ふと思う月にうさぎは住めるのか
              やり方次第で 可能なのでは

🍂

239.秋の夜に歌を詠み合い
    感想を伝え合うただそれだけだけど

238.ハーベストムーンなんとかムーンとか
    名は知らねどもまんまるの月

237.豊作の柿トーストやサラダまで
    秋が体にみっちり詰まる

🍂

236.白鳥の渡来いよいよ冬が来る
    可愛いお顔で冬のお知らせ

235.柿を食べ栗に梨食べ林檎食べ
    葡萄も食べて秋果満喫

234.コーヒーの香る六畳ダイニング
    僕はちょっぴり大人になった


🌾10/21(金)4人  9首



233.Tシャツで 金木犀の香り買い
    一足先に秋をたしなむ

232.深呼吸 夜道に浮かぶ金色の
    花の香りに酔いしれる秋

231.抜け落ちて手に取れた銀髪よ
    わが人生にも秋風ひと吹き

🍂

230.秋夜空繰り広げるは天体ショー
    夜空彩る星に乾杯!

🍂

229.イチョウ並木雨に降られるあのヒト
    10年越しの約束果たして

228.帽子取れ私の髪色キミにバレ
    イチョウの様と素直に褒められ

227.そばにいるキミとの想い謎めいて
    十六夜の月祈りを届けて

🍂

226.野分立つ冷たき異郷の雨風や
    故郷の如きに心ぬくもる

225.あと2枚、残る暦の少なさに
    月を仰ぎて故郷をば見ん


🌾10/20(木)1人  3首

224.月を見てまだ来ない人を待ちながら
    何度も見るも月は変わらぬ

223.ダイエット最後とばかりにたべまくる
    食欲に負けるまた負ける

222.一人旅すみわたる秋の雲海
    だれかと見たいもったいない


🌾10/19(水)3人  7首

221.鰯雲どこの空だろ同じ空
    こしゃりと保存す推しの写真

🍂

220.渾身の彩り映える地球ほしだから
    散歩したくて秋に生まれた

219.熱しやすく冷めやすいから預かった
    コートの中に君の手袋

218.ゆっくりと暦めくりてあと2枚
    吾子の重ね着袖は短し

🍂

217.空高く千年越しの化けくらべ
    山と化すのは貴君か我か

216.漆黒の海に群がる幽霊の
    すり抜ける手の狂おしき泡

215.血液の色にも似たる満月の
    低き宇宙そらの素顔におのの


🌾10/18(火)2人  5首

214.ピアス穴白くつらぬく秋の波
    ゆきては戻り我が背中押せ

213.死にたひと思ふ秒ごと赤とんぼ
    羽根透きとほり風衝きて発つ

🍂

212.君の香とともに過ごしたひとときを
    探し求めて巡る一年ひととせ

211.説教に身を固くして鰯雲
    乗ってどこかへ飛んでいきたい

210.次世代へバトンを渡す秋祭り
    記憶が繋ぐ新たな歴史


🌾10/17(月)3人  7首

209.呼ぶ声に溢れる涙ハラハラと
    窓辺の景色木の葉かつ散る

🍂

208.自分こそ傲慢だったと知った夜
    朝日を受けて生き返れ、我

207.祈りこめ乗り越えて今秋向かえ
    喜びの日々感謝の光

206.ヨガタイムシャバーサナで目を閉じて
    浮かび来るのは愛する家族

🍂

205.鮮やかな呼吸のような秋の風
    ススキを写すレンズの光

204.うつろな目 高層ビルのいただき
    銀の月夜のロゼの水冠

203.赤坂の黒い雑踏赤い月
    灯をともす闇 地下の虫の音


🌾10/16(日)1人  3首

202.真夜中のドアをハモりて涙する
    10月7日は君を想う日

201.幾重にも静なる実りは澄みわたる
    我も朗朗勝地光きあきけり

200.花魁の記せし未来の旅の夢
               街は紅葉やぐらは立ちぬ


🌾10/15(土)2人  4首

199.秋空と息子の笑顔が光る日に
    まばゆく走るしろかげの君

🍂

198.花尽きて人気も絶えしつるバラに
    秋明菊は今も寄り添う

197.結実の見込みなき身を悲しみて
    一層美しく咲く彼岸花

196.きしきしと撓む枝音聞きつけて
    潜む山鳥共に寂しく


🌾10/14(金)5人  11首

195.橙黄の秋の香りと深呼吸
    便所の匂いと彼が解く

🍂

194.秋晴れにあなたを連れ出すティールーム
    目当ては真白なマロンシャンテリー

193.柄になく彼女と行ったティールーム
    猫背になってアッサムを飲む

192.店先に溢れんばかりに積まれしは
    葡萄いちじく梨リンゴ柿

🍂

191.懐かしき君の香りにふりむかば
    小さくきらめく金色木犀

190.アプリでは繋がらぬ君と星月夜
    二十年ぶりの長電話

189.トリックオアトリート小さきかぼちゃ走りだす
    魔女の姉を追いかけて

🍂

188.台風とともに現る想い人
    今も連れ添う愛しいあなた

🍂

187.いざよひし君を背なより抱きしめて
    そつと口づく後れ毛香る

186.月満たず八月やつきで産みしわたくし
    如何いかな思ひで育てしや母

185.春夏秋冬の過ぐる早さを思ひけり
    母の年忌をつつがなく終へ


🌾10/12(水)8人  23首

184.飛鳥井をすこしうたひて
    悲しさをものした月の御ものかたり

183.忘れ草 逢ふよのなきは夢路さへ
    生い茂らんと藤はかま

182.空き家みし ふとおもひだすすぎしひの
    物悲しさは 恋しきものかな

🍂

181.赤とんぼ指をグルグル捕まえて
    空に飛び立ち幸せ笑う

180.墓参り 曼珠沙華見て帰り道
    カラオケ行って百恵を歌う

179.移りゆく季節と心寂しくて
    朝まで通話秋の夜長に

🍂

178.私たちじゃない誰かの恋愛のために
    綺麗な月のクソアホ

177.同棲で買った小鉢に残された
    かぼちゃの皮がこびりついてる

176.君の横歩けば空に鰯雲
    言葉少なに諍い続く

🍂

175.駆け寄った君が抱き上げた柴犬
    胸に抱かれて赤子のようで

174.君のそば行きたいけれど柴犬の
    一歩たりとも動かぬ頑固

173.赤柴の空に溶け込む堤防の
    欲しいだけ君飲み込んで愛

🍂

172.紫の君隠れたる花の宿
    露と消えぬと消ぬべく思ほゆ

171.蜘蛛の巣の払い掃いてきりもなし
    積もる月日を払わぬように

170.父母とともに逝くかな故郷の
    荒寥たる庭月が見ていた

🍂

169.樫の実の殻からのぞく空の先
    君の住む町二人の未来

168.葉の裏に書いた言葉を秋風が
    知らずに運び君の手元に

🍂

167.階段を二段飛びして駆け上がる
    カメラ片手の満月の夜

166.午後六時つるべ落としの娘の迎え時間
    早まり間に合わぬ母

165.登山道亡き父に似た人探す
    癖のなおらず三度目の秋

🍂

164.精霊馬は既に去り墓前に一人
    金木犀が髪を撫でる

163.どんぐりがレンガに落ちてひび割れた
    その隙間から秋が染み込む

162.気がつけばすぐ居なくなる飽き性な
    指を絡めて繋いでた秋


🌾10/11(火)2人  6首

161.声でした背中でした真夜中でした
    残響は秋に似た言葉になって

160.湾岸線速度のリズム刻む右耳
    八月のらせんを少し秋に傾げて

159.ひもといた羽ばたくページ さえずりの歌
    秋の虫呼吸がずれる耳をこらして

🍂

158.コオロギが奏でる音色とおりすぎ
    遠くにいても聞こえているよ

157.葉の色が真っ赤に染まり増えていく
    枯れ果てるまで秋の旅だよ

156.夏終わり雨降り気温下がりだし
    秋の始まり冬ももうすぐ


🌾10/10(月)3人  7首


155.秋風に失くした夏を求めても
    もう前を向けと背中押される

154.十三夜雲の波間に流されて
    姿見えずとも明るさを増す

153.確実に季節は過ぎてあのつらい
    夏は過去だと金木犀

🍂

151.夏痩せは都市伝説か幻想か
    馬より先に吾肥ゆる秋

151.秋茜鈴虫葡萄チャイコフスキー
    光も音もすきとおる秋

150.ぐずぐずと居座る夏に遠慮して
    勝手口より上がる秋かな

🍂

149.どんぐりをお金見立てる娘見て
    原始の時代思い馳せるよ


🌾10/9(日)4人  12首


148.
やりきれぬ過去に向き合い今朝の秋
    信じてくれた君と ずっといる

147.わたしは蓑虫になりたひ殻の中
    隠れていたひなみだごと 此処

146.どうしよう帰りたくない泣く吾子と
    紫苑の花びら数え歩く夕

🍂

145.色づいて木の葉チラチラ舞い踊る
    光を揺らす秋のそよかぜ

144.秋桜の色とりどりに咲き巡る
    空き家の庭の少し華やぐ

143.十六夜に同じ月観る人想う
    時空の一致出会いの奇跡

🍂

142.十六夜の月は名月勘違い
    眠り続けて時空翔ぶ僕

141.東京夢コロナ騒動かかったか
    十五夜見ずに寝込んだわれは

140.十三夜届けよ舌よ届かない
    アミメキリンの舌の先

🍂

139.きみのソファ月日重ねて馴染みゆき
    二人の時間永遠とわより永く

138.あのひとの香りの残るあかいソファ
    並んでみるは過去か未来か

137.秋の海吾子の笑顔を思ひつつ
    「元気で」「無事で」波に祈らん


🌾10/8(土)2人  4首

136.咲き終えた月下美人にまた蕾
    終わる命を受け継ぐ命

🍂

135.十六夜の月見団子は宵の口
    待てど暮らせど海からのふみ

134.隠された秋の名前が現れる
     赤く硝子の色づいたころ

133.星が降っている星が降っている
    打ちあがる光り星が降っている


🌾10/7(金)2人  5首


132.ポタポタと涙こぼれた水たまり
    ちゃぷんと入りうかぶ満月

131.月なんて出なくていいやこんな夜は
    どうせ濡れたし帰るのヤダし

130.コンビニに売ってるだろか三日月の
    僕の失くした欠片の欠片

🍂

129.夕焼けで真っ赤に染まるうろこ雲
    一足早いもみじ狩りかな

128.スズムシの鳴き声に似た shizugonの
    歌につられて歌詠む夜長


🌾10/6(木)4人  12首


127.ええねんでそんな自分でええねんで
    そんな自分が好きでええねん

126.除草剤撒かれた場所に生える草に
    おはようと声出さないで言う

125.希望とは思いがけない明日の空
    金木犀の香りみたいに

🍂

124.許されるわけもないと言いきかせ
    月光照らす海を渡る

123.「愛してる」だけじゃ言葉が足りなくて
    「月がきれい」と訳すしかない

122.「爆音とF1見せてあげたい」と
     5000キロ越しリモートデート

🍂

121.鮮やかな葉をふみしめて歩き出す
    勇気を出して学びの場へと

120.亡き母の遺品整理で涙散る
    夢の中でも姿を見せて

119.バスタブに顔を沈めて目を開ける
    世界が歪み泡となりけり

🍂

118.何思う緑の中の曼殊沙華
    コントラストに我を重ねて

117.木枯らしよ蹴散らせ飛ばせ片恋を
    顔上げ進め恋は目の前

116.さよならとベル鳴く歩廊夕月夜
    想いよ永遠に君忘るまじ


🌾10/5(水)2人  4首

115.君が死ぬ夢を日記につけてから
    やけに金木犀が香るな

🍂

114.死の床でがりりと噛んだ檸檬の香
    トパァズ色の蒸気を放つ

113.ゆらゆらと池に映りし満月よ
    両の手伸ばし吾子首かしげ

112.月あかり差しこむ窓に歩みより
               切り取る夜空いつかふたりで


🌾10/4(火)2人  6首

111.俯いた首に日焼けの痕残り
    バス停の子の秋は深まる

110.梨を食む君の僅かな稚さに
    花の真白きことを思えり

109.秋桜を花束にして土手をゆく
    僕はいつでも詩を聴きたい

🍂

108.沈む日の夜の帳が下りる時
    十六夜の月 親指で隠す

107.別れの日 俯く笑顔愛しくて
    ほころびの糸 結びたくなる

106.なぜだろう あさはいつもとかわらない
    秋の暁 寂しくなるの


🌾10/3(月)2人  6首

105.算盤の玉パチパチと小気味良く
    弾かれた桁にぱちぱち瞬く

104.次々と逝く先人に馳す想い
    色なき風に馴染んで消えて

103.秋の夜の弓張月に腰かけて
    寝ている君に魔法をかけたい

🍂

102.シャラランと鈴鳴らしをりキンモクセイ
    香りの巫女が見え隠れして

101.すすきの穂皆総立ちでお辞儀する
    土手降りる我トップスター

100.秋の陽が赤子の裸足くすぐれば
    指ぴょこぴょことキイたたくよう


🌾10/2(日)6人  18首

99.いざよいていざよわないのが恋心
    夢のまにまに上れ既望よ

98.寄る辺なきあなたとのおもひで胸に抱き
   生きるよすがに十六夜の月

97.恋心移ろひゆくは月の船
   今宵何処に月宿るらむ

🍂

96.目に染みるオレンジゆれてさようなら
   影法師1つ夜に消えゆく

95.秋風に心の隙間気づかされ
   そっと両手で自らを抱く

94.金木犀ふわりと香るその一瞬
   息吹き返す過ぎ去った日々

🍂

93.他人への憎しみも自分への憎しみも
   変わらない。慈悲の花を咲かせて

92.僕のことを不登校って呼ぶけど
   みんなはなぜ有登校なの?

91.荒武者の心のたぎり押さえかねつ
   誰をも傷つけぬ強さ求める

🍂

90.名月やメガネ忘れて眺むれば
   幾重に見える満天の月

89.名月やお団子食べてハイボール
   酔いに任せてよいよいよいよい

88.今年こそハロウィン仮装をしてみたい
   結局仮想でひとり酒飲む

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87.裏街でニヒルな犬が吠えている
   人工衛星軌道外れて

86.ジョバンニの眼をよぎる流星が
   宇宙の底に吸われていきぬ

85.星屑を煮つめたワイン飲み干せば
   時空は歪む銀河のほとり

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84.赤蜻蛉交尾しようと迫るのは
   夏に遅れた塩辛蜻蛉

83.秋の日の芸術散歩六甲山
   チケットくれたあの日懐かし


82.林檎き病床へ運ぶ毎日の
   車窓に浮かぶあの顔この顔


🌾10/1(土)4人  12首

81.手を引かれあなたについて出てみれば
   夜空は月の貸切だった

80.コンビニのスイーツ棚からひとつだけ
   どれにしようかいもくりなんきん

79.秋なんて名ばかりだよと買い食いの
   アイスの棒に蜻蛉がとまる

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78.秋にはね偶になく駄洒落で
   商いだから 飽きないものよ

77.そら様は性別どちらそれはねぇ
   むろんおなごさ 気遣い大事


76.秋風に散る運命の軍師さん
   諸葛亮皮肉ですよね

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75.月がきれいと言つた君
   思い出はなぜいつもモノクロ


74.「大切に」と父が呉れし腕時計
   もう似合ふかな今日は名月

73.川釣りの待つ楽しみを覚えよと
   父の笑顔は遠き秋の日

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72.くちびるが重なる前の2秒前
   近づくきみの獣の匂い


71.母の胸抱かれし吾子の両の眼に
   問われているは我のし方

70.巻尾立てひげをふるわせいづこ見る
   秋風を詠むきみの背中よ


🌾9/30(金)4人  10首

69.カラカラと棹をしならせリール
   巻く君の上腕二頭筋 スキ

68.惜しみなく味方してくる月の夜は
   時を戻して物語りせん

67.潔く海に沈んでゆく夕陽
   取り残されて滲む朱色

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66.竹林の命の定めに抗えど
   月から来る問答無用

65.偽りの月より故郷を仰ぎ見し
   念を背負いて君の走るも

64.我が君は妖力失せし半妖の
   黒髪香る朔の夕餉かな

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63.頬染める秋月の蒼浴びながら
   二人寄り添う縁側の夜

62.秋の宵ほんのり赤らむ君の頬
   夕陽とワインが色香を添える

61.君思う心よ届け今すぐに
   君の隣で秋の宵待ち

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60.中秋に月へ帰った母恋し
   優しき光永遠とわにとどめむ


🌾9/29(木)4人 10首

59.枯葉に火点けて作りし焼き芋を
   妻と僕とで半分こした

58.夕焼けが沁みる季節になりし日に
   別れの言葉聞きたくなくて

57.公園のベンチの主の野良猫に
   紅葉と名付け口閉じ笑う

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56.夕空に溶けた君弾くショパンの音
   秋気残りて我また一人

55.叶津かのうづの関を越えゆく別れ鳥
   父母見送りぬ広き背中を

54.はなむけの文散らしたる秋扇あきおうぎ
   君はいずこに追憶の日々

🍂

53.故郷へ金子きんす納むる砂の城
   甘露かんろ味わふくれないの梨

🍂

52.満月の月の明かりを頼りにし
   夜のすすきを撮りたく出かけ

51.紅葉の机上に映る瑠璃光院るりこういん
   溢るる色彩幻想のよう

50.体育祭ブラス響かす孤高の
   活気を生みし競技盛り上げ


🌾9/28(水)2人 6首

49.血の熱れ今宵奏でる狂詩曲
   甘美なる君永久に愛しく

48.高空や仰ぐ網戸はもどかしい
   ブルーバードの涙には虹

47.守宮ヤモリは生まれながらに自立して
   地球の重み独りでに背負しょ

🍂

46.紅の火花ちらしてすっと立つ
   線香花火彼岸花かな


45.風さやぐ更けゆく夜のこの道を
   遥かに照らせ天照る月よ

44.あざやかに朱く染まって ああ君は
   此処にいたのか からすうりの実


🌾9/27(火)5人 15首

43.檀健次タンジェンツーと読むんです
   チャイ語は微妙に分かりづらい

42.かわいいねセンイルチュッカハンニダは
   韓国語でのハピバの言葉

41.マルチリンガルなオシらに首ったけ
   結果はルー語おーまいがーっ

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40.|早天《そうてん》に洗濯物を干し終えり
   シトラス香る台風一過

39.送り火やみんなもともといないのよ
   命は果てる必ずみんな

38.ふるさとや車降りれば一斉に
   虫ら鳴く鳴く夕の涼風

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37.今夜がヤマ喪服用意す居待月
   面会謝絶シュレーディンガー


36.
喪失と孤独の隙間に斜月
   切り刻む腕鳴らぬ五線譜♪

35.惜別を浮かべる空に月の舟
   無言の喉に錨を下ろす

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34.白色のコスモスの花日に透けて
   晴れた空から天使舞い降り

33.藍色の濃く美しい青色は
   悲しみさえも力に変える

32.月に向け鈴虫鳴ける淡き夜
   静々と今明日を想う

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31.青春を懐かしむのが白秋か
   晩年一花咲かぬものか

30.行儀よく並んで流れる鰯雲
   空の運動会みたいよね


29.満ち満ちて足りぬものなどありはなし
   欠け始めても気づかぬ十六夜


🌾9/26(月)3人 6首

28.CMも秋冬コーデが賑わって
   食べるフードも秋模様

🍂

27.青空に紅葉を描く稜線に
   河せせらぎの音ぞ木魂し

26.帰り道お腹空いたね何食べよう
   メニュー探した一番星に


25.夕暮れにお帰りなさいと指先に
   羽を休める秋茜かな

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24.行事待つ忙しいかみをかさねては
   羽織重ねてえがおかさねる


23.朝顔の種を取るのを考えている
   台風家族がしきをじゃまして


🌾9/25(日)9人 22句

22.十六号上陸はないといわれつつ
   繰り返しねがう潰せ国葬

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21.夜半の秋時計回りの宝箱
   グラス片手にみんなあつまれ

20.月の宴ふわふわ星のカプチーノ
   こころゆくまであなたのじかん

19.次の駅秋の村雨虹の国
   いつもの席であなたを待つの

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18.敵国の憎き仇も見上げしか
   月に祈るは明日の命

17.あの人は今は異国の戦場に
   黄色いハンカチもうどどめ色

🍂

16.夕暮れにあなたと二人紅葉狩り
   赤らむ頬とかわく口唇

15.ハンドルを右へ左へ切りながら
   紅葉チラ見いろは坂かな

14.放課後の秋の夕暮れ砂時計
   元気?んだんだ ただ声を聞く

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13.をちこちでやさしくゆれる萩のはな
   「自分の傷は自身で癒せ」

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12.下の風吹けばゆらぎていざよひの
   光や空のいよよ澄みつつ

11.電線のはざまに見ゆる名月の
   光こぼして届くづらし

10.名月の道たづぬればかがよひの
   あと美しき時よ流れぬ

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9.とまりきといとほしおぼすも
  うちつけに君は蜉蝣かげろうゆくへゆかしき

8.君にとておろおろ欠片かけら盗みしも
  掴み得たるは袖の月なり

7.月渡る静けし闇に慣れ行けど
  打ちんずるは君の唄かな

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6.虫の音に星屑達が拍手した その瞬きに
  海が泣いてた

5.コーヒーのスプンで秋をかき回せ
  ミルクもクルリ イチョウもクルリ

4.丁字路ていじろは言えないままのさよならを
  残したままで夕陽の影に

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3.をみなごの跫音あしおとゆらす石畳
  汽笛消えゆく夕波はるか

2.すれちがうことのは天にほおりなげ
  みなみのうお座あたりで待つよ

1.さびしさは喉をすべりて
  右心室あたりで膝を抱えてゐるよ


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