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十六夜杯応募の俳句短歌川柳三句三首三句

<俳句>

飲み干したペットボトルの秋うらら

干柿や残り五問の参考書

反抗期終わりコスモス園共に


<短歌>

君の横歩けば空に鰯雲言葉少なに諍い続く

同棲で買った小鉢に残されたかぼちゃの皮がこびりついてる

私たちじゃない誰かの恋愛のために綺麗な月のクソアホ


<川柳>

枝豆を食べるロボットかもしれぬ

芸術の秋を学んでいるAI

秋の水今から本気出す今年


募集要項に『1記事にまとめてもOK』と書いてあったので1記事にまとめてみました。

今回も俳句・短歌・川柳全部詠みました。
楽しかった点をそれぞれ挙げてみます。

<俳句>
季語の内側には様々な意味や光景が込められていて、季語が持つ描写力を信じれば言葉を飾らずとも詩が作れるのが楽しかったです。
季語以外の言葉は全て添え物にするくらいの気持ちで言葉を選びました。
他の文芸ではこういう組み立て方がしにくいので超楽しいです。

<短歌>
短歌は詩っぽさを簡潔に作れるのが面白いですね。
前半の五七五でフリを作っておけるので、七七のフレーズで詩っぽいフレーズを作りやすいと感じます。
とにかく七七がすごく便利です。
作品を解釈する受け手側の負荷も少ない気がします。

<川柳>
難しかったです。俳句の癖で季語の存在感が大きくなってしまったような気がします。
しかし川柳の形にすれば嫌味少なく上品に社会を描写できるのだな、という手応えもありました。
褒めるにしても貶すにしても上品に言えるところに豊かな知性と理性を感じます。