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超貴重!!鉄棒【3回宙返り】技術考察論文

こんにちは!

米田功体操クラブの五代儀優斗です!

僕の体操の記事は読んで頂けましたか?
まだ
読んでない方はコチラからチェック▼▼▼


今回は超貴重!!

僕が大学生の時に書いた
僕の代名詞と言っても過言ではない

鉄棒の3回宙返りの論文です!

3回宙返りに関する情報が少ない中でこの論文があるのは体操界においてとても有益な情報と言えるでしょう!

当時、監督から
加速車輪から3回宙返りをするなんて非効率的だ。

なんて言われ、全くアドバイスももらえませんでしたが
僕は我が道をゆくスタイルだったので

周りの声は気にせず練習と研究をすることで修得することができました!

この時に僕のチャレンジを応援してくれた
同級生や先輩、後輩には感謝です!

この論文は僕の感覚というよりは運動の原理に基づいた論文なので少し堅苦しいかもしれませんが
是非読んでください!

ではどうぞ!

鉄棒における「後方かかえ込み 3 回宙返り下り」に関する一考察

I.序論 

1. 研究目的


現在、体操競技の鉄棒では男子採点規則において

懸垂振動技
手放し技
バーに近い技・アドラー系の技
終末技

上記の4つが要求されている。
実施に関する減点が年々厳しくなり、多くの選手が減点項目の少ない技を選択するため演技内容が類似傾向にある。

本研究で扱う

「後方かかえ込み 3 回宙返り下り」(以下、アンドリアノフとする)

男子採点規則において鉄棒のグループIVのF難度に位置付けられているが、
現在の競技会では、伸身月面宙返り下り、伸身新月面宙返り下りが主流となっており、アンドリアノフを実施する選手は世界的に見ても僅かである。

そのため他の選手との演技価値点に差をつける作戦上、価値のある技と言える。

そこで、本研究では筆者のアンドリアノフを取り上げ、未修得時の実施と成功した実施を比較考察し、今後、アンドリアノフの習得を目指す選手や現場の指導者に有益な情報を提供することを目的とする。

2.研究方法 


本研究では、筆者のアンドリアノフ」の未修得時の実施と成功した実施の映像を比較考察し、成功率を高めるコツの紹介を行う。

II.予備考察

1.局面分け 


1抜き局面...落としからあふる前までの局面。 (図2 1~3) 
2あふり局面...抜き局面からバーを離手するまで の局面。(図2 4~5) 
3空中局面...離手してから着地までの局面。(図 2 6~11) 
4着地局面...空中局面から着地する局面。(図2 12)

III.本論

1.比較考察 

アンドリアノフの未修得時の実施と成功した実施の運動経過を分かりやすくするために、各局面の比較考察を行なった。

1抜き局面 

図3の筆者の未修得時の実施と成功した実施の抜き局面でのバーの真下を通過する際の姿勢を比較したところ、
未修得時の実施では腰の反りが大きく、肩が先行していることが見て取れる。

これではあふりの開始が遅れ、切り返しの反動が強く、 急激なあふり込みが行なわれてしまう。
これは伸身 2 回宙返り下り等の離手時の勢いを利用して実施する際に見られる運動である。

一方、成功した実施では腰の反りを小さくしたため、未修得時の実施に比べてあふりの開始は遅れずに切り返しの反動も弱まり、左右軸回転が抑えられる。

図3 抜き局面の比較

未修得
成功



2あふり局面 

この局面では、上昇力やスムーズなかかえ込み姿勢に移行するために筆者の感覚で最も重要な局面である。

図4


図 4 は筆者の未修得時の実施と成功した実施のあふり局面を肩がバーの真下を通過したところから同じコマで分解写真にしたものである。

比較したところ未修得時の実施では、あふりの開始が遅く、強い切り返し反動動作と図 5(バーの真下か ら離手までの局面について手―肩―腰の点を直線で結んでできる線分のみを取り出した)のような 肩角減少動作が行われている。

これによって、離手直前に急激なあふり込みによる強い左右軸回転が加わっているのが見て取れる。
これも伸身 2 回宙返り下り等の離手時の勢いを利用して実施する際に見られる運動である。
これは伸身 2 回宙返り下りのような顕著な左右軸回転をするうえでは有効に働くが、空中でかかえ込むことによって左右軸回転を行なうアンドリアノフには不利に働くだろう。

成功した実施では、切り返し反動動作は抑えられ、肩角減少動作も見られない。

成功した実施の筆者の意識は肩角減少動作とは全く逆の図 6(図の作成方法は図 5 と同様)のような一旦狭めた肩角度を増大させる意識であふり動作を行なっていた。

金子はその著『体操競技』で肩角度を増大させるあふり動作を肩あふりとした。さらに金子は 「肩あふりは浮きを得るためには有効であり、左右軸回転を抑える(『体操競技教本II鉄棒(13 ー 128 項以下)』より引用)」と記している。

これにより離手後のかかえ込みが容易になった。

図 7  筆者が肩あふりの有効性を検証するために選出したアンドリアノフの習熟者の運動経過である。
図 7 から離手時に図 6 のような肩角の増大が見て取 れた。

このことから肩あふりはアンドリアノフを実施するうえで有効な技術であるのではないかと考えた。

3空中局面

この局面では、空中姿勢が大きくなり回転不足に
陥ることが課題となった。

図8 空中局面の比較

図 8 は空中局面を比較したものである。

図8の 未修得時の実施の空中姿勢は離手直前に急激に足 が振り込まれ、その直後に離手されたために頭部 と脚部が急激に入れ替わり、やむを得ず図 9 のよ うな太ももの裏を掴むかかえ込み姿勢をとってい たが、体が開いてしまい十分な回転力が得られて いなかった。

成功した実施では、切り返し反動動作と肩角減少動作を行なわず、肩あふりを行ない離手したため急激な左右軸回転は抑えられ、図10のような脛を掴み、足を体に引き寄せるかかえ込み姿勢が可能になった。これにより空中姿勢が小さくなり回転力を得られた。

4着地局面 

筆者は、未修得時の実施をピット(安全のためにスポンジを敷き詰めてプール状にしたもの)で実施したため、着地動作を行うことができなかった。

 そのため、未修得時の実施と成功した実施の比較考察は不可能だと判断した。

IV.結語と展望


 本研究では筆者の「アンドリアノフ」の未修得時の実施と成功した実施の各局面を比較考察し、 成功率を高めるコツの研究を行ない競技会で実施することを課題とした。

「アンドリアノフ」に関する論文が少ない中、筆者自身のコツを提示できたことは貴重なものであると思われる。

 はじめは成功させることも難しかったが、本論で述べた、腰の反りを弱めた抜き、肩あふり、脛を掴むかかえ込み姿勢を意識することによって、成功率を着実に上げて演技の終末技として実施することが可能となった。

今後、「アンドリアノフ」を習得しようといている選手、または指導者の参考資料になることを願い、論を閉じる。


さいごに

どうでしたか?

普段、体操をしてても聞かない単語がいくつかあったかもしれませんね。

この論文が多くの人に読んでもらえたら嬉しいですね!

僕は感覚が良くなかったので
動きの原理を理解して
そこに動きと感覚を当てはめるイメージで体操をしてたのでかなり理論派です。

理論派で良いこともあったけど、やっぱり感覚が良い人は羨ましいですねー

最後までご拝読頂きありがとうございます!

また次回の記事もお楽しみに!

さようなら👋

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