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天才ひらめき少女と全力少年の日常⑥(真相)

あれから、1ヶ月ほどたった。

ナツとユウトは、再び、片岡校長の連絡を受け、シンの通う学校に向かっていた。

そして、職員室から校長室に通され、ユウトとナツ、片岡校長の3人きりになった。

片岡校長にうながされ、ナツとユウトはソファーへと座った。


片岡校長『ナツくんのおかげでこの件は解決しましたよ』


『そして、犯人も捕まった。全てが解決したんです…事の詳細をお話致しましょう』


話は、1か月前のナツとユウト、片岡校長の3人の話し合いまでにさかのぼる。


片岡校長『それで、なぜ、探偵やカメラマンが必要と思ったのかな?』


ナツ『これから申し上げることは、あくまで、私の仮説です』


『これだけの被害になると、複数犯の可能性が高く、どうしても、学校内部に協力者がいないと成り立たないのです』


『学校のカギを扱えるのは、学校の先生か、もしくは…』


片岡校長『そんな、まさか…シン君が犯人ですと!?』


ナツ『ただ、その場合、シン君がが監視カメラについての話を知っている必要があります。』


『そして、シン君が犯人グループの1人だとすると、すでにこの話は伝わっているはず。』


『そうなると、次の犯行を行う際、監視カメラに対して犯人グループは、なんらかの対策をとるでしょう』


『この話を知っているのは、私とユウト、片岡校長と、シン君だけです』


ユウト『ふざけんなよ、ナツ!あんなことあいつがするわけないだろ!!』


ユウトがナツの胸ぐらをつかみ壁にたたきつける。


ナツ『痛っ!話は最後まで聞け。クソ馬鹿力が!!』


『もし、犯人グループが監視カメラに対して対策をしない場合は、内密者はシンじゃない可能性が高くなる。これは、シンの無実を証明するためのものでもあんだよ!』


『つまりだ。次、犯人グループが物を盗みに来たときに、シンが内密者でなければ、監視カメラに別の内密者や犯人が写る。』


『しかし、シン君が内密者の場合、監視カメラを壊されたり、何らかの対策で犯人が写らない可能性が高い。だから、わざわざ遠目からバレないように探偵を雇うのよ。』


片岡校長『なるほど。だから、他の先生を入れずに3人だけの話し合いとしたわけか。もし、他の先生たちに聞かれたら、捜査対象が増えてしまうからだね』


ナツ『はい。その通りです。片岡校長…。というか、いつまで胸ぐら掴んでんだよ!』


ナツの破壊力のあるキックの前に、ユウトはしばらくその場で悶絶していた。

そんな話が1ヶ月前に行われていた。

そして、1ヶ月後の今、再び犯人グループが犯行を行ったとの知らせを学校側の連絡で 聞きつけ、ナツとユウトはこの場所にきたというわけだ。

片岡校長『2度目の犯行があった時に、監視カメラには峯岸先生と元野球部の卒業したOBたち数人が写し出されていたよ』

『念のため、犯行後を見計らい、探偵さんが、犯人グループの車を追ったら、都心の駅近くにある屋内型のトランクルーム(貸倉庫)に盗まれた野球道具を納めている瞬間をカメラに納めたらしい』


『峯岸先生を問い詰めたら、最初はしらを切ったものの、後々には犯行を自供しはじめたよ』


後々の取り調べにより、峯岸先生ら犯行グループは、『遊ぶ金欲しさに行った、後で転売する予定だった』と容疑を認めているという。


片岡校長から事情を聞いた後、ナツたちはシンのいる野球部を訪れていた。

シン『ナツさん、ユウト先輩、このたびは、大変お世話になりました』


ナツとユウトは、照れつつうなずいた。


ナツ『まっ、ユウトは今回ほぼ活躍してなかったけどね(笑)』


ユウト『ナツ!それは、言わない約束だろうがー!!!』


シンの通う高校の正門で、怒りの声をあげるユウトを横目に、お腹を抱えて笑うナツとシンであった。

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