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23歳のわたしが【いのちの電話】を利用した時の話

うつらうつらしていたら急に思い出してびっくりしたのですが、そう言えば、東京に出てきたばかりの23歳の頃、『いのちの電話』を利用したことがありました。

もう7、8年前のことですが、その時のことや当時の暮らしを思い返すと今でも胸がぎゅっとなります。

特に理由はないけれど、このことを誰かに話したことはありませんでした。
唐突に思い出したのは、今が当時の自分と向き合うタイミングだったのかもしれません。

* * *

孤独を感じていた23歳の頃

いのちの電話を利用した時には孤独を感じていた


実はわたし、社会に出てすぐに挫折しているんです。

芸術大学で舞台芸術について学んでいたわたしは、卒業後、演劇界では超エリート扱いの某所に所属することが決まっていました。
しかし、その場所がどうしても合わなくて、たった数か月でそこから去ることを決めたのでした。

「ここを辞めたら、この世界で生きていけなくなるわよ」と言われながらも、フリーの俳優として活動を始めたわたし。
芸能事務所に所属するわけでもなかったのですが、その割にはとんとんと出演舞台が決まり、アルバイトをかけもちしながら毎日を過ごしていました。

ですが、この頃のわたしを苛んでいたのが大きな【孤独感】。
学生時代の同級生たちは社会の荒波の中で頑張っているというのに、わたしには所属する場所も一緒に頑張る仲間もなく、そして将来どうなるのかも一切わからないまま、という非常に不安定な立場でした。

でも、当時感じていた【孤独感】は誰にも相談することができませんでした。
この道を選んだのは自分なのだからという意地と、気持ちを認めてしまうと立ち上がれなくなってしまうのではないか?という不安があったのです。

見てみぬふりをしていた孤独は自分の中でどんどん大きくなってしまい、ちょっとしたことで異常に怒りっぽくなったり、一人で何時間も泣き続けたりしていました。

ベッドに横たわり天井を睨みながら、もはや無視できないほどに膨れ上がってしまった孤独に押しつぶされそうになり、とにかく誰かに弱音を吐きたいと思い、いのちの電話の番号を押したのでした。


【いのちの電話】に助けを求めた

いのちの電話を利用した時には孤独を感じていた


電話が繋がるまでに時間がかかるのかなと思っていたのですが、意外にも数コール目で相談員さんと話すことができました。

電話の向こうには、おそらく60代くらいの女性相談員さん。
わたしはしゃくり上げながら、

・他のみんなは仕事を頑張っているのに、わたしは結果を出すことができていない。
・アルバイト代だけでは生活していけず、社会人になっても親に仕送りをしてもらっているのが情けない
・アルバイトとオーディション、お稽古などで寝たり休まず働いているけれど生活が苦しい。このまま歳をとっていくのが怖い。人生間違えた?

ということを取り留めもなく話したような気がします。

相談員さんは、こちらを励ましたりするというわけではなく、ただひたすら話を聞いてくれました。
「辛いね。でも、あなたはすごく頑張っていると思うよ。えらいね」ということを言ってくれたのを覚えています。


電話を切った後も、抱えていた問題は解決したわけではありませんでした。

ですが、その時に誰にも言うことができなかった自分の気持ちを、顔の見えない、面識のない相手に打ち明けることで、随分心が軽くなったのを覚えています。


終わりに

いのちの電話を利用した時には孤独感があった


その後わたしはわたしなりの道を見つけ、子宝にも仕事にも恵まれて幸せな日々を送っています。

ですが、孤独に苛まれて泣き暮らしていた日々のこと、誰にもその気持ちを打ち明けることができなかったことは、それを乗り越えたということも含め、憶えておきたいことです。

そして、もしあの頃のわたしと同じように、自分自身に価値を見出せなくなったり、叫び出したいほど孤独を感じている方がいらっしゃったら、【いのちの電話】を利用していただければ…と思います。

ハードルが高く感じるかもしれませんが、【いのちの電話】の相談員さんたちはきちんと訓練を受けた方々です。
絶対にこちらの気持ちを否定せず、きちんと寄り添ってくれますよ。

わたしもいずれ、当時の自分のように悩んでいる方の力になれる活動をしたい……そんなことを考えています。

厚生労働省では電話相談の他、SNSでの相談なども受け付けているようです。
孤独は人の心も身体もむしばんでいきますから、少しでも多くの方が孤独を和らげられることを祈っています。


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