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【読書感想10】元年春之祭/陸秋槎

古代中国ミステリ。前漢の時代、かつてある一家のほぼ全員が殺害される酷い殺人事件の現場となった山間の村、雲夢澤。そこに長安から訪れた1人の少女とその侍女。彼女たちの滞在中に再び連続殺人事件が起こってしまう。

まず、これは問題作です。読者が読みたいものを書いたというよりは、著者が書きたいものを書いたタイプの作品でしょう。
そう思って著者あとがきを見たら、「僕はどうしても漢籍と、アニメ的なキャラクター表現への情熱を割愛したくなかった。けっきょく自分の好きな要素を全部一冊に詰めた結果、後で問題作と言われるようになってしまった。」と書いてあって笑ってしまった。日本の本格ミステリに憧れて書いたとか言いつつ全然独創してんじゃねーかと思った。
この作品自体はあんまり出来はよくないと僕個人は思いますが(もしかしたら人によってはめちゃくちゃハマるのかもしれません)、あとがきを読んだら、これが初の長編小説だったということで、他の作品も読んでみてもいいのかもしれないと思いました。何より、「後で問題作と言われるようになってしまった」ことを素直に認めてるところが好きです。


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