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優先順位(1)−震災被災地の移動図書館。


皆様こんにちは。
 
「〆切日よりも数日早く!」。これはフリーライターとしてのわたしのモットーなのですが、こんな私がテキスト入れよりも優先しているのが、「子どもに薦められた本は、何があっても即読む!」ことです。
 
子どもが小さい頃は読んであげていたのですが、だんだんと自分で読むようになり、だんだんと私の知らない作品まで読むようになりました。だから、「ママ、これ知ってる?面白かったよ、読んでみたら」って時々勧められるのですが、こう言われたら何があってもすぐ読もうとココロに強く思っています。イヤ!命じています。なぜ、そこまで強く思うようになったのか。それは、『走れ移動図書館~本でよりそう復興支援~』(ちくまプリマー新書)の著者である、鎌倉幸子さんのお話を聞いてからなのです。
 



 
被災者の心の回復のため、「本」を届ける移動図書館プロジェクトを東日本大震災直後に立ち上げられた鎌倉さん。復興支援を通じて、「本だからこそつなげられる」「本だからこそ失った感情を取り戻してくれる」などなど……たくさん実感され、わたしたちに「本のチカラ」を教えてくださいました。
 
鎌倉さんが、移動図書館で、とある被災地に赴いたとき、ある女性が一冊の本を手にして泣き崩れたそうです。「私、娘を津波で失って初めて泣けました。実はこの本、娘から『おもしろいからお母さんも読んで』って渡されていたのです。だけど、仕事が忙しくて、後で後でって思い、ついつい後回しにしていたら、あの津波で…娘とともにその本も流されてしまって……(なんですぐ読まなかったんだろう、なんで明日明日って思ったんだろう、明日なんてもう来ないのに)って、ずっと後悔していたのです。ここで出合えたのも娘からのメッセージですね。必ずすぐ読みます」
 
このエピソードを聞いてから、震災復興はまだまだ終わっていないことを思い返すためにも、子どもからススメされた本は、即!読むようにしています(たとえ徹夜になっても…)。薦めてくれるのは嬉しいですし、どれも楽しく読みましたけどね。
 

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