○装飾品を身につけて
三内丸山遺跡に行った時のこと。
台風迫る日に訪れたものだから人はほかに一人もおらず、夕刻だということもあって辺りはどんどん暗さを増し、すぐ近くに夜が迫っていることを告げていた。
空を覆い隠す雲が、台風のスピードで瞬く間に流されていく。
高い建物がないので(何せ竪穴式住居だから)その動きが一段とよく見えて、空を見上げているだけなのに少し酔った。ラピュタじゃないけど、地球が大きな一つの乗り物のような気がしてくる。寒さと暗さが迫る中で森の中を見ると、まるで向こう側から何かが見返して