マガジンのカバー画像

#縄文 noteまとめ

123
縄文に関するnoteで面白そうだなーと思ったもの、面白かったものをまとめていきます。
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

○装飾品を身につけて

三内丸山遺跡に行った時のこと。 台風迫る日に訪れたものだから人はほかに一人もおらず、夕刻だということもあって辺りはどんどん暗さを増し、すぐ近くに夜が迫っていることを告げていた。 空を覆い隠す雲が、台風のスピードで瞬く間に流されていく。 高い建物がないので(何せ竪穴式住居だから)その動きが一段とよく見えて、空を見上げているだけなのに少し酔った。ラピュタじゃないけど、地球が大きな一つの乗り物のような気がしてくる。寒さと暗さが迫る中で森の中を見ると、まるで向こう側から何かが見返して

土偶のどこを見る?

土偶がそこにある。 その時あなたはまず土偶のどこを見るだろうか。顔でしょうか? いやたいていの人は顔を中心に土偶を見る。それは研究者も同じだ、いくらこの文様が…とか。大木7aに並行する…とか言ったとしても、どうしたって顔を見ちゃうのが人間の性なんだろうと思う。 でも実は土偶にとって本来、顔は重要ではなかった。最初期の土偶はそもそも顔はなく胴体のみというおよそ人型とは言えない(それでも人型とわかる)造形をしていて、顔がつくのにはかなりの時間を要した。このことからも顔の優先順

和樂web、1週間の公開記事まとめ(10月8日-10月15日)

和樂webで公開した過去1週間の記事を、まとめてご紹介。タイトルをざーっと眺めて、気になるネタをつまみぐいするように読んでみてください。 こりゃすごい、素材集めから始まるアイヌの織物!刀を下げる帯がブレスレットに大変身! どら焼きの誕生秘話発見! 船との意外なカンケイにびっくり【東京グルメ】 空き缶、ギター、ホッケー? 斬新すぎるほうきを作る「OPEN STUDIO」ってなんだ 開運メッセージつき! 占い学校・易占所でもあった足利学校ガイド【栃木県】 物好きイギリス人が見た

+11

塩竈金清神社の例祭と縄文土器

縄文活動 秋

暑い時期からいきなり寒くなったようなこの頃。 先週末、実家の親がストーブつけてたのを笑ったけど、私もつけたくなってきました。 さて、このところの縄文活動のあれこれ。 青森市三内丸山遺跡では、ただいま、秋期特別展「発掘された日本列島2019」が開催されています。 日本全国で毎年約8000件行われる発掘調査の中から、近年発掘された遺跡で、成果がまとまった12遺跡の473点が展示されています。 前に見たものもありました。久しぶりの知り合いに会った気分。 馬埴輪も展示され

三十稲場式というなんというか、なんとも言えない土器

新潟といえば火焔型土器。好き嫌いがあったとしても、新潟縄文の代表選手が火焔型土器なのはそんなに異論がないはずだと思う。 火焔型といえば、その炎のようなデザインは激しく、しかも厳密なルールの上に文様は構築され、今では美術の教科書にも何度も掲載されている土器だ。しかし、その存続期間は約500年。そのあとはぷっつりと姿を消す。ではその後の新潟の縄文人はどんな土器を作っていたのか。 実は火焔型土器が作っていた頃の新潟縄文人は、火焔型だけではなく、同時期に大木式(東北の土器)、加曽利

秋の縄文野焼き

今日は朝から新見市の猪風来美術館へ。 http://www.ifurai.jp/event/soon.html 7時から始まる火起こしから参加して。 縄文土器が焼きあがる14時過ぎまで野外で写真撮ってましたー🔥🔥 大地と風と火と人が力を合わせて縄文土器に生命を吹き込む。 大きな火の中から現れた土器達に魂が入る。 大地と火と風から産まれる土器達💓 クライマックスの炎が一番大きく燃え上がる様に立ち会うと、、 なんとも言えない例えようの無いような生命の大きさや熱さや強

この彫刻を見よ! 《火焔型土器》

 これを彫刻と呼ぶべきかどうかは、彫刻の定義をもすこし固めてから考え直したいところではあるけれど、日本で生まれた造形として縄文土器を原初のものとして据えるのには、異論がないはず。なかでも、燃え上がる炎をかたどったような《火焔型土器》は、最も派手な形態としてインパクト極大だ。  こんな眼を見張る造形が生まれた縄文時代とは、改めていつごろのことを指すのかといえば、1万3千年前から2千〜3千年前あたり。旧石器時代と弥生時代に挟まれた、およそ1万年ほどの長い長い期間となる。  氷期が

『海と火山と縄文人』展(2014)が是川遺跡で開催された時、十和田湖が実は5900年前に山が噴火してできたカルデラ湖で、十和田火山の爆発の堆積物の上にしか円筒土器が出ないことから、震災によって食糧をたくさん保存できる円筒土器文化が誕生したというのが一番驚きだったドグ。(*´Д`)

にわかだっていいじゃない。好きならば。

皆さんは、好きなものってありますか? その好き度合いってどれくらいですか? 私は20代の頃写真撮影が大好きでした。一眼レフをひっさげて、写真ワークショップに行ったり、写真仲間もたくさんいました。小さいけど個展もやったっけなぁ。 でもカメラの腕をあげることにはあまり興味がなくて、いわゆるレンズ沼にもハマらなかったし、写真学校に通ったりもしませんでした。 そして今は一眼レフを取り出すことも少なくなり、もっぱらスマホで撮るくらい。でも写真を撮ることは好きです。 好きなアーティ

縄文時代の災害について

縄文時代はだいたいにおいて1万年続いてきたわけだから、そりゃあもうたくさんの自然災害があったと言える。例えば100年に一回の地震なら100回来ているわけだし、50年に一回の台風だったら200回は来ていたのだろう。まあ、その計算なら1000年に一人という橋本環奈氏は10人ということになるわけだけど。 遺跡にはしばしば火山灰の堆積層や、土石流などの堆積層があらわれたりする。地震ではっきりと地層がずれていることだってある。平和に暮らしていたとされる縄文人だって自然には随分悩まされ

新潟十日町市で縄文女子旅を開催しました

9月5、6日、1泊2日の日程で「縄文ZINEと行く縄文女子旅」というツアーを開催してきました。新潟十日町市といえば、国宝の火焔型土器で有名なので、もちろんそれも観に行くのですが、他にも盛りだくさんのツアーでした。日程はこんな感じ。 ーー お昼過ぎに十日町駅に集合。歩いて十日町市博物館。実はこの博物館来年から新しくなる予定。なので今年は使い古しの十日町市博物館。 博物館ではもちろん笹山遺跡の国宝の土器を鑑賞。佐野館長のお話を聞いた後、僕からもポイントをいくつか。これから訪れる遺

「津軽のヤチと南部のヤチは同じ意味」

杉山武(アイヌ語地名研究家・八戸市在住)  東北地方北部では、「やち」という言葉を湿地帯について使っている。漢和辞典で「ヤチ」という言葉を調べると、「谷地」ではなく、一字で「萢一ヤチ」と出てくる。そしてそれは国字(こくじ)として扱われている。国字とは、中国の漢字にならい日本でつくられた漢字のことであり、いわゆる和製漢字のことである。  なぜ国字を作る必要があったかというと、漢字二文字のヤチ(谷地)は、当用漢字音訓表にない音訓であるという。それは、平野部に存在する「ヤチ」であ

10月9日は”土偶の日”らしいので土偶を眺めよう

10月9日は”土偶の日”らしいです。 「土偶や、縄文文化に親しむための日」ということなので、私も皆さんに縄文文化に親しんでもらいたいので土偶について少し書いてみます。 私も好きな土偶は色々あります。国宝の茅空も好きだし、仮面の女神も好きです。でも、そういう有名な土偶ってどこか仰々しくて「縄文文化に親しむ」のにはあまり向かないような気もするんです。 もっと縄文の人たちの生活が見えてくるような土偶に接したほうが縄文文化に親しみを感じることができるのではないかと。 そこで思