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思ってもないほめ言葉は身を滅ぼす

思ってもないほめ言葉は身を滅ぼす

SNSの時代になって、自分の言葉は遠くまで届くようになった。極端な話、部屋のなかで小声で言ったひとことが、Wi-fiとやらに乗って、ブラジルのサンパウロ市まで秒で届くみたいな感じだ。こんな時代になると、人々は互いの言葉を待ち受けるようになる。建物の陰に隠れ、酔っ払いながら言った不用意な言葉をひとつ聞くと、「言った!」という感じで建物の陰から出てきて、その言葉の狩りを始める。

こうした世界では、言

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UXライティングのテキストはユーザーの記憶に残ってはいけない

UXライティングのテキストはユーザーの記憶に残ってはいけない

UXのテキストは、ほとんどの場合、人々の記憶から消えるべきなのです。

これは、GoogleのUXライターであるTorrey Podmajerskyさんが、あるインタビューで語った言葉(をDeepL翻訳で訳したもの)です。

わたしはこの一文を読んで、UXライティングの本質が凝縮されているな、と強く感じました。それとともに、これからUXライティングに取り組んでいく上で、自戒としてずっと覚えておきた

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シンプルで簡単な文章を繰り返すと、人間は「信頼できる」と判断する

シンプルで簡単な文章を繰り返すと、人間は「信頼できる」と判断する

いつでもキャンセルできます。

これは、わたしがNetflixのUXライティングを分析した際に、会員登録フローにおいて画面に何度も繰り返し表示されたメッセージです。その数は、なんと5回でした。

Netflixの入会を検討しているユーザーが最も不安に思っていることは「自分の思うようなサービスでなかった場合に、すぐに解約できるかどうか」です。その心理的な不安を払拭するために、同じメッセージを繰り返し

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『あつまれ どうぶつの森』の世界観をつくるUXライティング

『あつまれ どうぶつの森』の世界観をつくるUXライティング

2020年5月現在、世界で最も洗練されたUXを実現してるプロダクトのひとつが、Nintendo Switchのソフト『あつまれ どうぶつの森』ではないでしょうか。

子供から大人まで世代を問わず楽しめて、日本のみならず世界中の人々を虜にし、入手が困難になるほど爆発的に売れている。

何より外出自粛になったこのタイミングで、外で遊ぶことを疑似体験できるソフトがドンピシャで発売されるという運命の巡りあ

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UXライティングについて考える。「使う人に寄り添った文章」はなぜ大切?

UXライティングについて考える。「使う人に寄り添った文章」はなぜ大切?

プロダクトのおしらせ系の文章は、「やってほしいこと」があった上で、使う人にわかりやすく伝えるというのが役割です。でもそれだけだと、コンテンツ過多な状況では難しいのでは? と感じることが増えてきました。

なぜなら読む側は、つねに「読まない」「行動しない」という選択ができるから。

これからのプロダクトは、使う人の感情に寄り添い(共感して)、使う人の言葉で説明できるという新しいスキルが求められるので

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