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「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」レビューと作例

こんばんはこんにちは、カメラマンをやっています、isasakaです。
写真集~カメラの基本的な使い方の本の販売や、関西を中心に撮影依頼を承っております、isasakaです。そしてこの度!NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを購入しました!isasakaです!!(やかましい)

はじめに

レビューと書きましたが特に詳しく書く気はありません。(書き終わったら約6000字ありました)

追記:実例写真を載せた後編みたいな記事も書きました。あわせてご覧ください。
「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」vs「2歳児」撮影!レビューと実例。

しかしそう言えるのがこのレンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」の凄い所の一つかと思います。「この写りを見ろ!」正直それで十分。
ニコンの発表したサンプル写真を見てそう思い、滅多にレンズもカメラも買わない私が金策が整い次第即予約し、Z6も購入した、そんなレンズです。
では開放で撮った写真を数枚見てもらってから色々書きましょう。
でもレビューですからその後いろいろ書きます。では作例をどうぞ。

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以上の写真はNikon Z6とZ 50mm f/1.2 Sで開放で撮ったカットです。
もう後はお金を貯めて買うだけですね。と思いませんか!なんだこの写りは!ではレビュー?所感、行ってみましょう!

ピント面

まず目が行くのはピント面かと思います。私はNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sも持っていて、そのシャープさに驚かされましたがそれを易々と凌駕する解像感だと思います。しかもF値は1.2でです。さらにローパスつきのNikon Z6です。もう現代に現れたオーパーツかと言いたくなりますがこれはニコンの技術や知識の、努力の結晶なのでしょう。結晶にしては大きいか…
その大きなレンズたちを通し光を丁寧にセンサーに届ければ、ここまで美しい写りになるのかと、ただただうっとりするばかりです。

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未来の技術の様ですがこの2020年に発売されたレンズです。しかしこの写りは遠い未来まで越えられることは無いのではないでしょうか。

話を戻しましょう。『シャープ、シャープ、開放からシャープ』、ここ数年のレンズレビューでよく見る言葉です。やからなんやねん。
シャープにカリカリに写ればいいのでしょうか。PCでさらにシャープネスを上げて明瞭度を上げて、そういった写真は私は好きではありません。
もちろん好みの問題と言えばそれまでですが、私の愛用レンズはまさかの?Ai 50mm f/1.2Sです。もちろん開放です。シャープとは程遠い(絞れば別ですよ!)そんな私が、しかも機材もほとんど購入しない私が、さらにAF-S F1.8Gシリーズで仕事も十分と言ってた私が!サンプルを見て即予約しました。その理由はピント面の写りもさもさることながら次の項目が大部分を占めます。

ボケ具合

ニコンが出したサンプル画像を見た時に驚いた、そしてどうしても欲しい!と思ったのがこの部分、ボケ味等言われる部分です。先ほども述べたようにここ数年の多くのレンズが目指したのであろう「開放からシャープ」そして背景の「大きなボケ」これで何か凄い感じの写真は撮れると思います。人物が浮かび上がる!と表現しても嘘ではないと思います。だって浮いてるんですから。(興奮気味で辛口ですみません)
インタビューで見た表現も一部使わせて頂きますが、浮いている、というのはつまり剥離しているんです、そんな風に見える。ピントが合って背景がぐわっとボケる。結果被写体が浮くんです。それだけにフォーカスするならそれもアリです。好みです。
ですが私は中間が欲しい。欲張りです。ピントが合って、そこから滑らかにボケていき、結果ピントが浮かび上がる。そういった写真が、レンズが欲しかった。というのも実は7年ほど前にそんな写りを既に見ています。
フィルムの話になってしまいますが、上司が大判(8×10)で撮ったダイレクトプリント(フィルムを印画紙・プリント用紙に重ねてプリントする方法)です。
A4に収まる8×10インチ(20.3 cm × 25.4 cm)の画面に映る被写体の瞳にピントが合い、そこから徐々に徐々に、じわじわとそして最後には大きくボケていき、滑らかなボケとは、とろけるようなボケとはこれかと、そして自分の目で見た事の無いような立体感に驚いた記憶がZ 50mm f/1.2 Sのサンプルを見て蘇りました!しかもフルサイズなんですよ!え?やっぱりオーパーツでは?

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ではなぜ大判で撮らなかったのか?それはもうだってあんなの私には(サイズ・重量的にもランニングコストも)手に負えません。プリントも四つ切までしか家で出来ません。そう!大きさや重さって大事ですよね!

大きさ・重量

Z 50mm f/1.2 Sを見て誰もが思ったであろうことをもう一度言いますが『サイズがおかしい』何度でも言います『サイズがおかしい』『サイズがおかしい』

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私は取り回しやすさも買う時の基準になります。実はカメラマンであり、ただの写真好きでもある私は毎日カメラを最低一台はぶら下げています。ある程度軽い、邪魔にならない、ぶつけにくい、壊れても買いなおせる。そんな基準が存在するのですが今回は全てを無視しました。
理由は上記の滑らかな描写です。そして大判カメラを持ち歩くより何倍も小さい!しかもAF付きです!!!!
さて、そこで実際レンズが到着してから3時間深夜徘徊し、翌日・翌々日は7時間程Nikon D750とAi 50mm f/1.2Sの二台をたすき掛けをして使用した感想ですが、思った以上に扱いやすい。
実機の重さは変わる事はありませんが、感じる重さは変わる事があります。ボディが軽いから、そしてレンズが大きいのできちんと両手で構える事が多くなるからなのか、、、今のところそのような推測ですが、重いとは全く思いませんでした(普段2~3台持ってるから余計に)。
そして長さですが、これはボディが薄くて軽いので、簡単にレンズが下を向きます。という事は出っ張る部分はボディの高さ+αくらいです。また、そのおかげでレンズに手を添えながら歩くことになるので、軽さへの一因になっているかもしれません。

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ただバッグに入れた途端に重く、そして大きさを痛感しました。つまりこのレンズとカメラは常にぶら下げておくのが正解です。咄嗟のスナップにも使えるんですよ!だってAFがまた凄い!

AF速度・AF精度

さて、大きさや描写の話題に埋もれがちですが、このレンズ、AFなんですよ!マジか!という事で動物以外を対象に家族、小物、そしてスナップ。まだ走っている子供は撮影していませんが、F1.2で、ピント、外しません。
また動画撮影に適した静音性?とのことですが、私はまだ動画は勉強中なので静かです!としか言えない!!!!ブリージングについても同様です、ごめんなさい!
F1.2と浅い被写界深度なので、出来るだけ小さなAFポイントにして使うのがいいと思います。あと瞳AF。これも精度は高いです。普通のポートレートならまず問題ないのではないでしょうか。

歪み

ここからはですね、簡単に行きますね!ない!以上!だって無いんだもん!ない!補正いらん!はい次!

最短撮影距離

45cm!!最高!!テーブルフォトものけぞらないで済みます!!小物撮影もいける!!フードからすぐそこ?まで寄れます!!ボケも大きくなるし最高!!以上!!

レンズ表示パネル

このレンズには液晶ディスプレイが付いています。もう一回言いましょうか、レンズに液晶ディスプレイが付いています。F値と距離を切り替えて表示出来ます。F値?開放で撮るんだし要らんやん!っと思うじゃないですか?でもZ5に使う場合は有効かもしれません。しかし私には不要。なんなら絞り羽すら不要です。要らんやん!しかし!!距離を表示してピントリングを動かしてみてください!すこーーーーーしだけ遅れて、音楽でエコーがかかってほんのちょっと音が遅れて聞こえる効果の様に、距離の表示がピントリングに引っ張られる様に動きます。とにかくめっちゃカッコいい動きをします。
このレンズを目の肥えたギャラリーのオーナーにも見せたのですが、大きさや50mm単焦点という事に笑い、写りに感嘆し、テンションが上がり切ったかと思った所にこれを見せると更に上がりました。有頂天です。男の子ってこういうのが好きなんでしょ?を地で行くといった感じでした。(普段から使うかは置いといて…)

ピントリング

またこのサイズです、先端に滑り止めゴムが付いていますが、わたしは構えた時に大きなピントリングを持ってしまいます!ピントが!変わる!と思いましたが、多分ほんの僅かに。本当に少しだけ遊びがあるように感じます。ちゃんと構えていれば問題ないでしょう。ここも考えられているのかなぁと感心しました。もちろんピントリングの反応は敏感です。本当に僅かに。といった程度です。お間違いなく。
また滑らかな回し心地は気持ちいいですが、せっかくなのでほぼAFで運用しています。

コントロールリング

絞り環の部分ですね。これ、結構敏感に動くんですよ。個人的にはもう少し重くてもと思います。絞りはもちろん、露出補正や感度など、色々設定出来ます。が、先ほども言ったように開放で使います。ここは一旦設定はオフだ!!!!!!!
後々ISOなどに変えるかもしれませんが、しばらくはオフかなと思います。慣れないことをするのにはじかんがかかります、イササカです!

その他

あとは他にも難しい話や光学設計、工学設計の話もあるかと思いますが私に出来るのはこんなところです。
ただあと二点。個人的に気になっていた部分、それは周辺光量落ちと、ハイライトの滲みです。AI50/1.2Sはそこが大きく出ていた、そしてそれが好きだった私、慣れてしまった私からすると、周辺も滲みもほんの少し残してあるのかな?といった印象です。これについてはまだハッキリとわかるような状況の写真が撮れていないので何とも言えませんが好きなので書きました。
ここがきれいになった分、より私の腕前が大きく出るという事です。
頑張らねば。

総評?のようなもの

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50mmレンズの王様としましょう!(そんなに他の50mmを使った事の無い個人の意見です)大きいし!
このレンズから集まった光は驚くほど丁寧に、目で見る以上にハッキリとピント面を写し出します。
そのピント面からなだらかに、そして徐々に大きくボケて背景を描き、しかし決して被写体が背景から剥離しているような事は無く、背景に馴染みつつもしっかりと、まるで手に取れるかのような立体感を与えてくれます。
まっすぐな物はまっすぐに写り、更に寄れる事で表現の幅は大きく広がります。
各パーツの動きも文句なしと言ったところ、持ちやすさも思いのほかしっくり来ます。そしてこのクオリティでこの価格。どれをとっても驚きを隠せません。
最初に言いましたがこの描写が好きなら後はお金を貯めて買うだけですね。

以上のように大きさ重さ以外隙がない!と思っていましたが、大きさ重さも問題にはならなそうです。それにカバンに入らなくてもオッケーなので。私は常にぶら下げているので。

さて私は50mmの画角が大好きです。引いたり寄れたり出来る環境であればですが、50mm1本で大体の(大体のですよ)撮影ができる自信はありますし、もちろん一番使うのも50mmです。しかし50mmのレンズって基本的にそこそこ、なモノが多いんですね。多分ですが。
F1.4でもお求めやすい。でも私が一番お金を出して最高の物が欲しいのが50mmなのです。それがZマウントで出てくれました。出してくれました。この『NIKKOR Z 50mm f/1.2 S』はこれからずっと使うでしょう。というか他に要らないかもしれません。

ですが仕事があるのでZ 24-70mm f/4 Sでスナップ。Z 50mm f/1.2 Sでポートレート、あと謎のF値(F1.2?)の85mmがもし手に入れば、ニコンには申し訳ないですが私のZマウントは必要十分になってしまいますね。できれば望遠ズームもあればいいですが。まぁFマウントの物が会社にありますし。。。

これからZマウントはZ 50mm f/1.2 S、FマウントはAI 50mm f/1.2Sで撮り歩く日が続きそうです。50mm f/1.2の2台持ち。ちょっと面白いですね。
傍から見れば単焦点とズームレンズの二台持ちに見えるでしょう!

比較写真

さて、最後に愛用のAi 50mm f/1.2Sとの比較画像でも見て終わりにしましょう。レンズの話だけで長くなってしまいました。。。
上がZ 50mm f/1.2 S、下がAi 50mm f/1.2S。全て開放です。

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といった感じで全く描写が違います。より高性能ではあるのですが、これはもはや全く別のレンズ。と捉えていいでしょう。必要な時に必要な方で撮ればいいのです。

あとせっかくなので宣伝ですが、Ai 50mm f/1.2Sの開放カットのみの写真集を年末に頒布します。気になる方はこちらもご覧ください。
プロのポートレートからスナップまで楽しんでいただけます。

これからはZ 50mm f/1.2 Sで写真集を作るべく。そしてレンズの性能に負けなずAi 50mm f/1.2Sの様に使いこなせる様に精進していきます。
ニコンにはこんな完璧なレンズを出してくれて感謝しかありません。
このレンズの売り上げも好調みたいですね。これからも頑張ってくれニコン!!!!

このレンズをもっと詳しく知りたい方へ

最後に、なんとあのヨドバシカメラが運営するサイト、PHOTO YODOBASHIに、このレンズの開発者3名
・映像事業部 UX企画部 陳 思思 さん
・光学本部 第三設計部 原田 壮基 さん
・光学本部 第二開発部 中野 拓海 さん
私以上に熱く語っている記事が掲載されています!
ちょっとでも気になったら下記リンクを読むのがおススメです!!!!!
『ニコン開発者インタビュー NIKKOR Z 50mm f/1.2 S』
そしてさらにこのレンズの魂の源流を知りたい方は、同サイトに掲載された2017年の記事、『ニコン レンズ設計者インタビュー「土間」と「立体感」』をご覧ください。上記のインタビューより同じく、光学設計を担当している
・光学本部 第三設計部 原田壮基 さん
そしてメカ設計を担当している
・映像事業部 開発統括部 第三設計部 藤原誠 さんのインタビューです。
ニコンのソウルを読み取ってくれ!!!!!
色々書きましたがやはり中の人の言う事が一番間違いないですw

2020/12/25 追記:
同じく
・光学本部 第三設計部 原田 壮基 さん
・光学本部 第二開発部 中野 拓海 さん
がニコンの公式チャンネルにて阿部秀之さんとお話されている動画がアップされました。後編は年末?に公開予定ですが、ぜひこちらもご覧ください!
【Zの世界】阿部秀之 - 第8回「NIKKOR Z 50mm f/1.2S」スペシャル対談 [前編] | ニコン

そんなレビューでした!長々読んでくださってありがとうございます。ここまで書いといてあれですが、要は良いぞ!!!!という記事でした~!ではまた!

追記:実例写真を載せた後編みたいな記事も書きました。あわせてご覧ください。
「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」vs「2歳児」撮影!レビューと実例。


2020/12/16 isasaka
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