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「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」vs「2歳児」撮影!レビューと実例。

こんばんはこんにちは、カメラマンをやっています、isasakaです。
写真集~カメラの基本的な使い方の本の販売や、関西を中心に撮影依頼を承っております、isasakaです!
そしてこのレンズに未だ大興奮しております、イササカです!!

はじめに。

顔出しNGのお母さま、TOP画像で顔が見切れるようにしてごめんなさい…でもこのカット最高なんです…(もちろん掲載許可は頂いてますからね!)

さてこのレンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」を買って、簡単にレビューと作例を載せている記事があります。よろしければまずはそちらをご覧いただいてもよろしいかと。フラフラ散歩してスナップしてを行った写真が載っています。
そして今回は、実践投入してみました!ツイッターにも投稿したのですが、結婚式よりお世話になっているご家族さまよりお声がけいただき、年末恒例の記念撮影に行ってきました!

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上記は去年の写真です。成長は速いですね。今年の誕生日にも撮ったのですが、去年はよちよち歩きだったお子さんが今回はダッシュで公園を駆け回ります。結果やいかに…!?(前回同様、各項目毎に書きますね)

ピント面

やっぱり開放で撮りたいですよね!何のためのF1.2だ!という事で百聞は一見にしかずと言います。レビューの根本を揺さぶる言葉ですね!気にせず見てみましょう!

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はい!こちら開放カット!忘れていましたがボディはNikon Z6です。
何か問題がありましょうか。いや、無い。2450万画素でこの解像感です。前回のレビューにも書きましたがこれF1.2のカットですよ。
プレビュー画像を見て歓喜の声を上げてからニヤニヤしっぱなしです。
もう現代に現れたオーパーツかと言いたくなりますがこれはニコンの技術や知識の、努力の結晶なのでしょう。
この画素数でこの仕上がりです。高画素機はどれほどになるのか…(肌のレタッチを考えると余計に)恐ろしいです。今回はお子様なのでノーレタッチ!
一応拡大しましょうか。実際見るサイズではないのでここまで大きく見なくてもいいじゃないかと思う私ですがレビューですしね!と思ったら凄いな!笑いが出ます!なんだこれは!繰り返します、F1.2です!

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これも前回言ったのですが、シャープにカリカリに写ればいいのでしょうか。シャープネスを上げて明瞭度を上げて、そういった写真は私は好きではありません。もちろん好みの問題と言えばそれまでですが、この自然な感じ、良くないですか?

ボケ具合

どうしても欲しい!と思ったこの部分!ここも前回より引用しますが。

「開放からシャープ」そして背景の「大きなボケ」これで何か凄い感じの写真は撮れると思います。人物が浮かび上がる!と表現しても嘘ではないと思います。だって浮いてるんですから。(興奮気味で辛口ですみません)
インタビューで見た表現も一部使わせて頂きますが、浮いている、というのはつまり剥離しているんです、そんな風に見える。ピントが合って背景がぐわっとボケる。結果被写体が浮くんです。それだけにフォーカスするならそれもアリです。好みです。
ですが私は中間が欲しい。欲張りです。ピントが合って、そこから滑らかにボケていき、結果ピントが浮かび上がる。そういった写真が、レンズが欲しかった。
…中略
瞳にピントが合い、そこから徐々に徐々に、じわじわとそして最後には大きくボケていく、滑らかなボケとは、とろけるようなボケとはこれかと、そして自分の目で見た事の無いような立体感に驚いた記憶がZ 50mm f/1.2 Sのサンプルを見て蘇りました!しかもフルサイズなんですよ!

この「徐々に徐々に、じわじわと」が凄い良いんです!ニコン公式のサンプルでご存じかもしれませんが、つまり一気にボケない。
下の写真を見てください。手前の瞳にピントがあって、奥の瞳にもピントが合っているように見える!これ凄くないですか。

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何がどうなっているのかわかりませんが、一見、被写界深度が浅くないんじゃないか?と錯覚し、そしてその時点でこのレンズの魅力に引き込まれているんですね、謎の立体感の正体はこのせいかなと撮っていて感じました。
浅いのに浅くない。な… 何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何と言えばいいのかわからなかった。ただこれは最高だ!

大きさ・重量

サイズがおかしいこのレンズですが、意外や意外。重くないと感じるんですね。な…何を言って(略
ひ弱な私でもギリギリ片手で振り回せますが、この長さだと両手で持つじゃないですか。安定感が凄く良かったですね。
あと最近はミラーレスも一般の方に認知されていますので、プロに依頼したのにこんな小さなカメラで!?って思われる事の心配は無用です。プロカメラマンたちにも驚かれる(単焦点としての)サイズのレンズですので!!!!
まぁこの部分は百聞にも一見にも説明できないので店頭で持ってみてください。想像以上に軽かったです。
※カバンに入れた瞬間デカくて重い物体に変わります。なので常にぶら下げています。いやぁ不思議ですね、レンズって!

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AF速度・AF精度

ちょっと出すのが遅くなりましたがここ重要ですよね!だって今回のメインの撮影対象は初めて来た公園と遊具でテンションのぶち上った2才さんです!走る!予測不能な動きで走るぞ!!
そこでAFの設定を2パターンで撮りました。

①AF-S ワイドエリアAF S
私が信頼しているAF-S。正確さ重視です。が、やっぱり動くので少し広めに設定しました。
②AF-C オートエリアAF
せっかくなんで最新の機能も試そうと瞳認証もONにして撮影しました。

結論を言いますと②で良い。予測不能な動きで走る2歳児の顔を、瞳をしっかり追いかけてくれました!これはまぁ多少は私のフレームアウトさせない腕もちょっとは関係していればいいなと思うのですが、子供の凹凸の少ない横顔はたまに見失うものの、撮れ高が異常に高かったです。

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例えば上記の写真、こちら右上から「J」の字の様になった滑り台から滑ってきた写真です。結構なスピードで被写体が前後と斜めに動きます。しかしですね、最初から最後までいい感じにファインダーで捉えていれば、後はピントをカメラとレンズが合わせてくれます。完璧に。もう走っている写真なんて朝飯前です。(走っているに関してはこのレンズでなくても朝飯前か…)

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ではこの写真はどうでしょうか。滑り台の件はわかったと。ではこの乗り物は?そうです「前後左右に揺れるアレ」です。なんて名前なんでしょうね。

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二枚目なんてもう落ちついてくれ!と撮影難易度的にはいつもなら言いたくなる(しかしシャッターチャンスとしては最高だ!)くらいですが、両方ともピントバッチリです。これくらい撮れる?落ち着いてください、これF1.2なんですよ。もう一回言いますね、これF1.2なんですよ。

撮影が終わってセレクトするときにいつもは(Ai 50/1.2Sも使うので)まずピントが合っていないもの等を省くのですが、ピントが合って無い写真がほとんどないんです。なのでセレクトが終わってもほとんど省かれていない。省くの目つぶりくらいじゃないでしょうか。
結果が不安で念のため数枚多めに撮る。なんて事が激減しますね、これは作業時間の短縮(コピーやバックアップ)や、データの容量的にも恩恵を感じます。
この大きく重いレンズでこのAF速度です。え?オーパーツでは?

ちなみに街歩きでスナップもしましたが、②のような設定で、F11くらいに絞ってピント位置を3~5mに合わせてノーファインダーでシャッターを押すだけ。と大差ない速度でスナップも出来ます。F1.2で。は?化物か?
※ただ通行人には結構見られます。目立ちます。いっそ目立っていけ!

最短撮影距離

45cm!!でも全長が長い!!フードと被写体までの距離に注意!!ぶつかるぞ!!(ぶつけました)

ピントリング

やっぱりAFの邪魔にならないよう、ほんの僅かに、本当に少しだけ遊びがあるように感じます。ちゃんと構えていれば問題ないでしょう。

コントロールリング

オフでいい!はい次!(個人の感想ですよ)

その他

あとは他にも難しい話や光学設計、工学設計の話もあるかと思いますが、一介のユーザーである私に出来るのはこんなところです。
あとは個人的に好きな周辺光量落ちがあること。驚くほどまっすぐな物がまっすぐに歪まず写ること。でしょうか。

悪い点

強いて挙げるというか、無理やりいちゃもんを付けるなら(絶賛レビューって胡散臭くないですか)(しかし絶賛になっています)まず2点。

◆コントロールリングが軽い気がする。オフにしてますが、もしもっと重ければ何か設定するかも。でもシンプルな操作性がいいのでどうかな。使うかな。。。
◆Zマウントレンズ共通ですが、50/1.2 Sと書いてある部分のつるピカ感。(個人の感想です)

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と大した事の無いものになってしまいました。ちょっと何か出てきたら追記します。ついでにここに書くと、、、
価格が高価!なんてのは論外です。この性能でこの価格は破格です。価格崩壊です。でも高いのは言い訳には使えます。生活を切り詰めるのも論外です。健康第一身体が資本。じゃないと宝の持ち腐れです。
写真生活は健康的に計画的に(お前が言うのかとツイッターのフォロワーさんに言われそうです)
大きい・重い。その通りです。ぐうの音も出ないでしょう。ちなみにこのレンズは動画にも配慮されていてAF音も本当に静かです。
話が逸れました。しかしこの大きさあっての・重さあっての性能なのです。これはどうしようもない。もっとコンパクトでこの性能なら…はもう自身で作るしかないですね。頑張ってください!

総評?のようなもの

他のレンズは要らないかもしれません。

私は50mmの画角が大好きです。引いたり寄れたり出来る環境であればですが、50mm1本で大体の(大体のですよ)撮影ができる自信はありますし、もちろん一番使うのも50mmです。しかし50mmのレンズって基本的にそこそこ、なモノが多いんですね。多分ですが。
F1.4でもお求めやすい。でも私が一番お金を出して最高の物を欲しいのが50mmなのです。それがZマウントで出てくれました。出してくれました。この『NIKKOR Z 50mm f/1.2 S』はこれからずっと使うでしょう。というか上記のように動ける環境なら他のレンズは要らないかもしれません。
85mmのような中望遠でF1.2のようなボケも…いやいや、冷静になりました。F1.8でも十分です。そこまでボカすならバック紙でいいのでは!?この画角でこのボケ具合での立体感、それが素晴らしいのです。そうなんです。

もちろん状況によります。しかし必要なだけあれば良いという考えで機材欲があんまりない私が飛びついて、実際に使ってみて他のレンズは、、、と言いたくなるようなこのレンズ。ハッキリ言って最高です。

あとは写真をやっているひと、やってない人、双方に話のネタになります。もちろんもっと大きな単焦点レンズはありますが。きっとギリギリ?で、「でっかいな!」と感じるサイズなのでしょう。お陰でいい笑顔の写真、簡単に撮れました。

最後に総評の注意点として、写りも最高。AF性能も最高。これはカメラマンをダメにすると思いませんか?そうなんです、ある程度以上の技術が無くてもいい写真が撮れるんですよ。私が使われないように、使いこなすように精進しないといけません。

裏を返せば、プロでなくても、それこそ初心者さん(には出しにくい価格ですが)が購入すればもう一気に良い写真が撮れます。間違いない。
思い切ってご両親は購入を検討してみては?いや、本当に、運動会など撮影出来ない学校も増えている昨今。望遠はプロにまかせて。ほかの撮影はご自身で。おそらく一生使えると思いますよ。
なんて書くと私に仕事が来なくなりますね。罪なレンズだ。

このレンズをもっと詳しく知りたい方へ

ヨドバシカメラが運営するサイト、PHOTO YODOBASHIに、このレンズの開発者3名
・映像事業部 UX企画部 陳 思思 さん
・光学本部 第三設計部 原田 壮基 さん
・光学本部 第二開発部 中野 拓海 さん
私以上に熱く語っている記事が掲載されています!
ちょっとでも気になったら下記リンクを読むのがおススメです!!!!!
『ニコン開発者インタビュー NIKKOR Z 50mm f/1.2 S』
そしてさらにこのレンズの魂の源流を知りたい方は、同サイトに掲載された2017年の記事、『ニコン レンズ設計者インタビュー「土間」と「立体感」』をご覧ください。上記のインタビューより同じく、光学設計を担当している
・光学本部 第三設計部 原田壮基 さん
そしてメカ設計を担当している
・映像事業部 開発統括部 第三設計部 藤原誠 さんのインタビューです。
ニコンのソウルを読み取ってくれ!!!!!

他にも同じく
・光学本部 第三設計部 原田 壮基 さん
・光学本部 第二開発部 中野 拓海 さん
がニコンの公式チャンネルにて阿部秀之さんとお話されている動画がアップされました。ぜひこちらもご覧ください。

【Zの世界】阿部秀之 - 第8回「NIKKOR Z 50mm f/1.2S」スペシャル対談 [前編] | ニコン
【Zの世界】阿部秀之 - 第9回「NIKKOR Z 50mm f/1.2S」スペシャル対談 [後編] | ニコン

一応書きますがわたくしただのプロカメラマンです。ニコンから頼まれているとかではないです。むしろ私をF1.2宣伝大使として使って下さい。毎日写真アップするよ。むしろしてるよツイッターで。
お寿司をご馳走してください。あ、羊羹も好きです。よろしくお願いします。

後は宣伝でも。

あとせっかくなので宣伝ですが、Ai 50mm f/1.2Sの開放カットのみの写真集を自費出版で作りました。気になる方はこちらもご覧ください。
Ai 50mm f/1.2Sのポートレートからスナップまで楽しんでいただけます。
次はZ 50mm f/1.2 Sで作る予定です。そう、私はF1.2開放大好きさんなんです。お見知りおきを!あ、こちらから撮影も募集してますよ!

そんなレビューでした!長々読んでくださってありがとうございます。ここまで書いといてあれですが、要は良いぞ!!!!という記事でした~!
ではまた!よいお年を!

2020/12/31 isasaka
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