マガジンのカバー画像

《書く習慣》で編む

18
《書く習慣》アプリで綴ったベタで感じたままの飾らない言葉たち。そのNote版のようなもの。
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

10年前、この手紙が私に届いていたら。

10年前、この手紙が私に届いていたら。

10年前、この手紙が私に届くことはなかった。
でも、並行したもうひとつの私の世界では……と、
一縷の望みを託して。

10年前の私へ。
そう、今の君に宛てて手紙を書くことにした。
だから、この手紙を君が読んでいるのは2014年であってくれることを願う。
よく聞いてくれ。
君は、自分の人生の中で一番、自分の気持ちに嘘をついていた……自分を欺いていた。後悔が先に立ってくれたらいいのに。君は4年後の20

もっとみる
〝忘れないで〟~勿忘草とマーガレット

〝忘れないで〟~勿忘草とマーガレット

vergissmeinnicht ふぇあぎすまいんにひと

〝僕のことを忘れないでください〟

騎士ルドルフはそう言って、最後の力を尽くしてこの花を恋人のベルタに投げると、ドナウ川の流れに飲み込まれてしまった。
ベルタは彼のお墓にその花を添えて、彼の最後の言葉をその花に名づけた。

◆◇𓏸✧︎✼••┈┈••┈┈

私はこの水浅葱色(みずあさぎいろ)の小さな花が愛おしく思ったものだ。女性の男性に対

もっとみる
《初めてのブランコと優しいひとつぶの涙》

《初めてのブランコと優しいひとつぶの涙》

おやあ?っと気づいてみれば、私って50代後半なんだなあって、自分の歳に対する感覚に虫食いの穴でもあるのかしら。

〝感覚年齢〟って言葉があるけど、私としては左胸にICD(植込み型除細動器)を植え込んだ46歳(2013年2月14日)のときから時計の歯車の回転速度が10分の1くらいにゆっくりと回っているような感覚。
実年齢ではもう10年(3652日)と2日を過ぎようとしているのに、感覚ではまだ切り上げ

もっとみる