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チョコレート テンパリング③

今回はテンパリングの温度変化について
詳しくみていきましょう。

◇テンパリングによるカカオバター
結晶の変化

スイートチョコレートをテンパリングした際の

カカオバター結晶の変化をみていきましょう。

○融解

チョコレートを湯煎等で50℃程に加熱し

カカオバターを完全に溶かします。

この時チョコレートの中では、

全ての油脂の分子がバラバラになり

自由に動き回っている状態です。


○冷却

チョコレートの温度を27〜29℃に下げます。

この時チョコレートの中では、

分子が集まって、

主に不安定なⅢ・Ⅳ型と一部に安定なⅤ型結晶が生成し始めるので、

様々な型の結晶が混在した状態です。

この時大切なのはチョコレートを常に攪拌し続けることです。

そうすることでカカオバターの結晶は

より安定なものへ転移していきます。


○昇温

ドライヤーを使用して温め
チョコレートを31〜32℃になるまで

再度温めます。

不安定な結晶が全て溶け、安定なⅤ型結晶のみ

残ります。この非常に狭い温度帯は、

Ⅲ・Ⅳ型の不安定な結晶が溶け

安定なⅤ型の結晶だけは溶けないという

まさに絶妙な温度範囲です。


○凝固

テンパリングを行ったチョコレートを

冷やし固めます。
(18〜20℃の場所で行うと良い)

全体が安定なⅤ型結晶に統一されます。

※チョコレートの種類により

テンパリングの設定温度は変化します。


◇テンパリングの確認方法

正しくテンパリングが行われたチョコレートは

一部をすくいとって冷やすと素早く固まります。

表面を触っても溶けにくいので、

簡単にテンパリングの成否が確認できます。


テンパリングは1℃でも温度がずれてしまうと
安定した良い状態のチョコレートではなくなってしまいます。
そのくらいチョコレートは繊細なものなのです。

※bitesjapansquadの投稿:きぴり

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