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草を活用しながら野菜を作る僕が、お薬(農薬)に対して考えていること。

こんにちはこんばんは。

今回は色々とデリケートな農薬、農業的なお薬に対する僕的な考えを少し述べていきます。主観的な部分が多々ありますのでご注意ください。

ちなみにですが、僕は農薬と呼ぶよりはお薬と呼ぶ方が好きです。僕が実際に口で話す時は意識してます。

お薬と呼ぶ理由は、以前どこかで農薬を使用する方の意見を見た際に、「人間が体調不良の際に薬を使うのと一緒」という喩えを出しており、それは面白いと思ったので使うようにしました。以上、細かい呼び方の前置きでした。

それでは、気を取り直して。

時(現実)と場合(理想)の話。

いきなり結論っぽくなってしまいますが、実際現時点で僕の着地点の一つ。

前提として、僕の場合、草生・不耕起をやる上で農薬を使うと前提が少し崩れてしまいます。なので当分は自ら使う予定はないです。

では、そんな一個人の事は置いといて、農業という大きな括りで考えてみると、理想を言えば身体にリスクの無い野菜というものが標準的になったほうがいいと消費者さん(以下、消費者)が思われるのは自然なことかもしれません。
生産者さん(以下、生産者)の人の中でも、それで生計を立てられるかは置いといてそう思う人はある程度居るでしょう。
ですが、生産者と消費者、或いは生産者や消費者同士ですら理想と現実が掛け離れる事は大いにあります。
ゆえに、どんなに時間を掛けたとしても、農薬の使用・不使用の方向性がどちらか一方に傾くとは僕は現状思えません。

なんとなく噛み合いそうだけど、なんとなくじゃ噛み合わないと言う部分が割合多めに存在している気がするからかも。(全てを言語化するのは今の僕だと難しいのですが)

まだまだ産業的にも生活的にも農業に入り込んでいるとは言えない僕ですが、実際どっちつかずな僕から見ても野菜を作っているとそういう問題が多少見え隠れしています。

両側の目線

では、無農薬というジャンルを生産者、消費者に当てはめて考えてみます。
色々と回りくどくなりますが、そこはご了承を。

では始めに、生産者的な目線で考えてみます。
無農薬の野菜を栽培するというのは規模に応じてハードルが高くなりハードルが上がる一方で、高いハードルの先を越えると付加価値を与えることが可能になります。
よって無農薬野菜というのは価格に変化を生むため、利益の変化の要因にもなります。
しかし、当然ハードルを越えるにも時間を要するわけで、その時間と釣り合った結果が得られるかは未知数です。おそらく難しい方かなと僕は思います。
付加価値を付けても利益が変わらないとかもあるかもしれません。
ハードルが高ければ産業的に見ても新規参入の敷居が高いし、時間も要するので転換するのも大きな決断が必要なリスキーなジャンルとも言えます。
よって農薬との付き合い方は千差万別になり、どのようにリスクを管理していくか(無農薬のまま利益を出せるか試行錯誤する、農薬を必要最低限使用して安定して利益を出せるよう試行錯誤する等)の話になります。
結果的に農薬の使用不使用に隔たり無く色々な方法が日夜試されているわけですが、どうにもどちらか一方の正しさのようなものを押し付けあう事態になることも。
規模や目的を考えないまま、農薬の使用・不使用という部分における『このやり方が正しい』と一方的に意見が飛んでいることもあります。

次に、消費者的な目線で考えます。
無農薬に括られた野菜は消費者からすると『身体へのリスクがどれぐらいあるか指標に出来る手段』になり、おのずと安全性が高いと結論付けられる要素でもあります。
よってそういう野菜が標準的になってほしい、という理想を野菜を買う側の消費者が掲げて訴えるのも特におかしい話とは思いません。
極端な話、農薬を否定する気持ちは理解できます。それこそ、そういった問題を考え、ついでに色んな事も体験できる家庭菜園を始めるきっかけになるかもしれません。
しかし、農薬の有無に関わらず野菜への価値観は固定化されていません。
たとえば、安全性の他にも値段に価値を置く場合、理想を言えば無農薬だけど野菜に対してそこまでお金を出したくない・出せない人や、価格設定の背景がよく分からないまま無農薬野菜を安く求める人も出ます。
そういうことを重視する人達を否定したいとかでは当然ありませんが、時に無謀な価値観の押し付けが飛び交うこともあります。

このように中途半端な僕は、中途半端だからこそ両側の視点を考えてしまいますが、否定的にしろ肯定的にしろ、両者の視点を自分の野菜作りに照らし合わせながら農薬の使用不使用を考えるのは大切だと思います。

まとめ

そういう思いをまとめると、僕の中で農薬に対する考え方は『規模』や『目的』に応じて導入するか考えていく、というものになっています。

また、両者の視点を考えた上での僕的な着地点は以下の通り。

一概に病気や虫害が発生してしまったからという理由で農薬を使用することを否定はする気は無いものの、規模や目的を考え適宜様々な選択肢を想像できるほうが野菜作りをするうえで大事だと思っています(作る目線)。

また、もし野菜を買う際に農薬を意識する場合は、ただ単に農薬不使用という思いを持つだけではなく、それを掲げたらちゃんとその事に付随する情報を色々と集めなが考え買うか選択することが大事だと思っています(買う目線)。

だから、なんというんでしょうね……。
僕の畑の場合、人間的に言えば「今はお薬を処方せず、自然治癒力をベースに様子を見ていきましょう」と書いた診断書を渡し続ける予定です。
当分そんな感じです。

それでは、また。







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