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ケーススタディで学ぶ!『協働のつくり方』【地域づくり実践講座②】

2024.6.8(土)PM
この日もダブルヘッダー、午前中は若松区高須での『まち探険』。
若戸大橋を横断しての午後からは市民カレッジ。

北九州市小倉北区にある、生涯学習総合センターにて、
『地域づくり実践講座』の第2回目です。

今回は、3回シリーズの真ん中となります。

地域活動には、とても様々な課題があります。
ボランタリーな想いを寄せ合って、どうにか対応しているばかりです。

このまちに住んでいて良かった。
このまちで育っていって良かった。
そんなまちづくりをしていきたいと思います。

しかしながら現状としては、コミュニティの希薄化、人材の固定化・減少、世代間ギャップ、繋がる場面そのものが無いなど、なかなか難しいものです。

良くも悪くも、『地域も人なり』なのですが、
皆さんが生き生きと楽しく関わり、新たな人材が活躍したり、多くの皆さんで取組んでいける関係性をつくっていくにはどうすれば良いのでしょう?

携わるそれぞれが、前向きに、主体的に関わって行くことが重要で、
『ともに主体的』な複数人が協力し合う関係を『協働』と呼んでいます。

この『協働』を実現していくのは、ちょっとしたコツがあったりします。
センスでできていたり、何故か上手くいったりということも多々ありますが、こだわって、意識して、少しでもそんな関係性を実現できるとよいなぁと思います。


そんな『地域づくり』へと、各地で励むキーパーソンの皆さんが、この市民カレッジを受講されています。
顔触れを見ていても、そうそうたるメンバーです。

2週間前の第1回目の講座では、『協働』について、じっくりと解説させていただき、皆さんの経験の中での実例を出し合っていただきました。

この記事でも書いているのですが、ぼくなんかが一方的に教えるだけじゃなく、皆さんの経験のなかに、既に答えがあって、暗黙知的なノウハウでした。
こうして、表面化させて、しっかりと自分のノウハウにしていけたら良いですね。

前回の皆さんから全体シェアしていただいたコメントがどれも素晴らしくって、それぞれに『標語』的に、協働への意識するポイントをスローガンのようにつくってみました。
語呂良く作っていますので、是非ご覧ください。


抽象的な理念・概念を基礎としてしっかり固めた第1回目講座に対して、
第2回目講座については、
『実例』を踏んでいきます。

具体的に、例題を考えていくことで、より理解が深まるようなドリル形式です。

イメージする場面は人それぞれになるのでしょうが、
『ケーススタディ』で、〇か×かを考えていっていただきます。

9問ありまして、
それぞれに2択あります。

1問ずつ、班ごとにディスカッションしていただきながら、
「あるある」の話を展開していっていただきます。

あえて、わざとにしていますが、
2択は明確に違うように作っています。

『協働』を実現していくためにはどちら?という問いなのですが、
『現実』はそうでもなかったりするものです。

なので、「耳の痛い」話も多かったかもしれません(笑)
ついつい、ただ効率的な方を選んでしまったり、
ついつい、ただ楽な方を選んでしまったり、
ついつい、前例踏襲で進んでしまったり。

関わるそれぞれが、『より主体的に』、モチベーション高く取り組めるようにしていくことを考えていきます。


3問ごとに、一度立ち止まって、ディスカッションしていっていただきました。
ぼくから話すだけでなくて、皆さんの経験や考えがミックスされて、より自分のものへと深まっていくものと思います。


この9つのケーススタディの詳細については、この講座スライドをダウンロードいただくか、
昨年度のこの講座のアウトプットの記事をご覧ください!



9つのケーススタディ。
あえて対照的な選択肢であり、全然違う。
でも、よくある場面のようでもあります。

ちょっとした工夫が協働を生んでいくことを改めて印象づけることができたように思います。


ここでしっかりと辛抱しなければならないのは、
協働を実現していくこてゃ、『効率的とは違う』ということです。

なんだかんだ、めんどくさい。
ひとりひとりに声かけたり、
事前に声をかけたり。
指示してしまいたいところをグッと堪えて問いにしてみたり。
すぐに手段・結論に進みたいところを、踏みとどまって、課題を真ん中に置くところから始めたり。
言葉尻、言葉のチョイス、言い方、言い回しひとつで全然違う。そんなことも意識しないといけないの?

いや、大変です。
でも、協働を実現したその先の成果・効果はとても素晴らしいものがあります。
それを信じて、足踏みのような感じもしますが、しっかりと踏み固めていくような行程です。

最後に質疑応答の時間を設けました。
そこでご発言いただいた意見にこんなことがありました。

『協働を実現していくには、細い糸の上を歩くような綱渡りのような感じがした』

ホント、そのとおりです。
ほんの少しの違いで、より高みへと昇って行く道筋が全然違うようなものです。
でも、落ちてしまうから怖いとか、そんなことじゃないです。

人の気持ちを大切にし、どんな声をかけてもらったり嬉しいか、モチベーションがあがるか、そんな対人関係にあるコミュニケーションのひとつだと思います。

怖がらずに、ナチュラルに取組んでいただけたらと思います。
難しいテーマかもしれませんが、知ってると知らないとでは全然違うと思います。


他にもとても素晴らしいご質問をいただきました。

Q:タイトで制約のある活動のなかで子ども達がより主体的に取組んでいくためにはどうしたら良いのだろうか?

ぼくなりにお答えしたのは、そんななかでも、子ども達に『チョイス』してもらう場面を設けていくと良いのかもしれません。
押し付けられたことは主体性を持ちにくいです。選択肢があるなかで、「自分はコレだ」って選んだものは、たとえ選択肢のなかだとしても、主体性を持つものです。

このときに、活動事例として挙げたのが、この活動です。2回シリーズの活動で、第1回目講座に特にこの意味を込めています。記事の中から1回目講座のリンクもご覧ください。


Q:地域活動をするなかで、メンバーのモチベーションを高めていくために、内部だけで良いのか、外部のチカラを借りるべきなのか?

ぼくなりに回答させていただいたのは、やはり内部だけだと井の中の蛙状態になってしまい、どれだけ素晴らしい活動をしていても、自分たちがどれだけスゴイか分からないという状態になります。
そこで、外のチカラや目線や評価を得ることはとても重要になります。
ぼくたちのような「よそ者」の存在も重要でしょう。
マスコミのように、その素晴らしさを別の人が外部発信してくださることで、より内部も盛り上がっていきます。
また、定点観測のように、他の地域などを見渡している存在からの評価もとても重要になります。

ご質問いただいた地域の活動は、とってもスゴイんです。ぼくたちが関わらせていただいたときの活動記事です。
でもこうした実現は一朝一夕にできません。しっかりとした下積みがあってこそ。記事の中で、事前の会議の様子の記事もリンクを貼ってますのでご覧ください。


Q:子どもを対象とした、とても大変な企画を実施してきた。多くの人が協力していただき、大きな成果があったと感じているが、続かなかった。上手く進めるためのコツがあったのか。

ぼくなりに回答させていただいたのは、
多くの方のご協力をいただく際に、どうしても『手段』に対しての協力を求めてしまうということです。
単なるマンパワーを集めるようなカタチになってしまうと、皆さんが携わる『意欲』に影響を及ぼします。
焦らずに、『目的』の部分をしっかりと皆さんと固めることができると、「よっしゃ、オレはこれする」、「わたしは、これします」、「あの人にも声かけよう」という風に、やる気の環が広がっていくものです。
現場では、どうしても急いでしまうんですよね。

それと、そのそれぞれの『目的』に対しての成果や喜びに感謝や労いができると良いなと思います。
例えば、『子ども達のために』と思ってくださっているのであれば、子ども達から感謝を伝えていただくとか、『〇〇さんのおかげで、子ども達、とっても喜んでましたね!』という労いをしたりとか。
そんな、目的に対しての感謝があると良いですね。また次のやる気へと繋がっていくのではと思います。

例示で挙げた活動はコチラのものです。とっても大変な活動となったボランティアの皆さんへ、子ども達から『ありがとうございました』を伝える場面をちゃんと用意しました。


多くの受講者の皆さんの前で、ご質問をいただくのに抵抗があったかもしれません。もっと聞きたい事があった方もいらっしゃったかもしれません。
聞きたい事を付箋などに書き出すようなワーク形式にすれば良かったなぁとちょっと反省しました。
勇気をもって、ステキなご質問していただいた皆さん、ありがとうございました。


今回の講座は、具体的なところを挙げながらだったので、イメージしやすかったかもしれませんが、それでいて、より一層難しかったかもしれませんね。
でも、しっかりとした成果を感じた講座となりました。

終了時には、恒例の集合写真~★

タイトルの紙を持っていただいた師匠にも感謝!


貴重な時間のなか、この記事をご覧くださってありがとうございます。

他にも関連しそうな記事をいくつか貼っておきますね。


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