行政との協働は、なぜ難しいのか・・・?
昨夜、北九州市市民活動サポートセンター|noteが、毎月開催している『サポのよる会』が行われました。
毎月、様々なテーマが設定されていて、ぼくもいつも楽しみにしています。
今回のテーマは、『行政との協働』について。
市町村や都道府県や国の省庁など、様々な行政機関があります。
また、協働の相手方としても、民間であり、地域であり、ぼくたちのような市民活動・NPO・ボランティアなど、様々なパターンがあります。
例えば、ぼくたちの協働も、
NPOどうしの協働であったり、
ぼくたちと地域住民の皆さんとの協働であったり、
そのタッグの組み方は様々です。
今日のテーマは、『行政』との『協働』です。
行政と地域だったり、
行政と民間だったり、
行政と市民活動の協働です。
ぼくは、行政の人間でありながら、ガッツリ市民活動者、地域活動者です。
双方の立場も分かるし、気持ちも分かります。
参加の皆さんが順にコメントをしていきましたが、ん〜、ぼくは何を喋ろう・・・。
特に考えていませんでしたが、最初にぼくの口からこぼれていったコメントは、
『ぼくは行政なんか信用していませんので、行政と協働したいなんて思いません』(笑)
これがぼくの口から勝手に出ていきました(笑)
これが本音なんだと自分自身で驚きました(笑)
毎日、カレンダーの黒い日には、朝から夕方まで、行政の一員として仕事をしているぼくが、これほど行政を信用していないとは・・・(笑)
双方の立場が分かるからこそ、
ぼくの感覚をお伝えする必要があるなと思いました。
行政との協働が難しい理由を書いてみます。
既存の事柄というよりは、新たな話が始まる場面を前提に書いてみました。
冒頭のイラストは、メイプル楓|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。
①基本的に減点主義
色んな仕事で、加点があり、減点があります。
簡単に言ってしまうとそんな感じです。
行政と他団体との協働によって大きな成果があったとして、それは加点かもしれません。
しかし一方で、行政以外との協働によって、何らかしくじったり、問題が発生したりするとこれは減点ですね。
「何で協働したんだ?」と詰められます。
減点は絶対に回避したいのです。
だから、何も始まらないことが最高なんです。
いわゆる『ことなかれ主義』です。
②仕事が増えないのが理想
これも残念な話ですが、行政の性質でもあります。
どの行政機関も、人も時間も金もないなかで、多種多様な市民ニーズだけが増えていきます。
手一杯の状態と言えるでしょう。
いっぱい仕事したって給料があがるわけでもないんです。
色んな新たなことが降りかかってきたときに、
『仕事が増えるのか、増えないのか』この物差しで考えてしまうことは必須です。
協働を持ちかけるにせよ、行政側の負担がどれほどあるのかというは、判断材料だと思います。
③行政課題かどうか
その事柄が、『行政課題かどうか?』が最終判断材料だと思います。
その部署にとっての、課題・宿題であれば、カタチや規模はどうあれ、何らかしていかないといけません。
逆に、どれだけ重たいことであっても、
行政課題として突き付けられているならば、行政の方から協働の歩み寄りがあるでしょう。
行政が参画せずに済むことなら、協働をする理由もないでしょう。
行政課題として、そこまで捉えていないのであれば、いくら美しい理由や大きなメリットがあったとしても、動かないでしょう。
協働のポイントに、『課題を真ん中に置く』といつも言っていますが、まさにこれのことで、行政自身の課題であることに、プレイヤーとしての市民活動者や民間が居るとすれば、これは万々歳で喜ばしいことです。
④人による
『組織は人なり』と言います。
残念ながら、行政機関も同じです。
人事異動で人が入れ替わります。
理解ある人、理解の無い人。
経験豊富な人、全く経験の無い人。
勉強熱心な人、そうでない人。
昨日の参加メンバーの皆さんは、とても経験豊富で、『当たりハズレ』って表現されていました(笑)
異動により、前任者から後任者へ、同じ肩書きを引き継ぎます。
給料も同じようなもんです。
でも、これがまた、人によるんですね(笑)
人が代わって、劇的に良くなったり、悲劇的に悪くなったり(笑)
行政の常ではありますが、「どうかならんのか」と何度も頭を悩ましてきた皆さんはおっしゃいます。
ぼくも散々、行政内部として、外から関わる市民活動者として、この異動に伴う、人の「当たりハズレ」は経験してきました。
行政側としてできる工夫は、『魂を外につくる』ことです。
どれほど熱意があっても100%は後任に引き継げません。
もし、後任が素晴らしい人物で、上手くいったとしても、ではその次は?その次は?ってなっていきます。
数年サイクルの異動で、どうなるかは分かりません。
だからこそ、魂は外に置くことです。
行政内部で引き継ごうとせず、外部にご意見番や理解ある協働者に居ていただいて、そこに魂を込める仕組みができれば廃れません。
細かくは言えませんが、ぼく自身、行政の一員として、これは成功体験です。
行政っていうのは、とても閉ざされた機関です。
法に基づいた縛りもありますので、各種行動も制限されています。
例えば、まちづくり・社会づくりを個人的にガッツリやっていこう!としても政治が絡めばアウトです。
協働相手でありながらも、わずかでも税金がそちらに支払われていたら、癒着とみなされます。
バイトなどで社会経験が増したという人も多いと思いますが、もちろんこれもNGです。
地域に出れば、「お前公務員だろ」と各種役割を強制的に担わされてたりすることをみんな恐れています。
とっても生きづらい人種なんです。
ぼくみたいに、名前も素性も公開して活動してるなんて、ただのバカかもしれませんし、そのうち、何らかでお叱りをいただくような気がします(笑)
おっと、愚痴になりつつありますので、この辺にしておきましょう。
行政には行政なりの、理由や言い訳があります。
それも汲み取ることが大切と思います。
『役所なんだから、市民がやろうとしていることに協力するのは当たり前だろ!』ぐらいに思われると、それはそれは大間違いです。
現実的に無理がありますし、そんな風に思っていたとしたらなら、不毛の議論にしかなりません。
行政と協働するうえで、
一緒に達成したいことを明確にし、
課題を真ん中に置いて、
行政課題も、自分たちのミッションも、ともに解決できるようなWIN-WINの関係を築いていけると良いですね。
今日もご覧いただきありがとうございます。
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<1年前の”今日”の記事★>
この記事、短くて、面白いので読んでみてください!(笑)