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展覧会レポ:「古代メキシコ展」初来日の赤の女王と神秘的な秘密に迫る

【約1,800文字、写真13枚】
 謎の匂いが漂うマヤ、アステカ、テオティワカン。古代の神秘を体験できる展覧会をレポートします。

会場入口に設けられた壁ポスター

■information
特別展 古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン
会期:2024年2月6日(火)– 5月6日(月・休)
会場:国立国際美術館 B3階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
電話番号:06-6447-4680
開館時間:10:00 – 17:00、金曜・土曜は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、2月12日(月・休)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館し、2月13日(火)は休館
料金:一般 2,100円 / 大学生 1,300円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料
事前予約:不要
所要時間:約1時間
混み具合:賑わっており、部分的に並ぶ
写真撮影:全て可能
webサイト:https://mexico2023.exhibit.jp/

入口に大迫力の写真パネル

赤の女王墓

赤の女王のマスク・冠・首飾りなど マヤ文明、アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館蔵

 まずはなんと言っても、マヤの黄金時代を築いたパカル王の妃とされる「赤の女王」様が、初来日でございます。
 なんと、女王墓をイメージした展示空間で、埋葬する状態を疑似体験できちゃいます。
 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を連想するのは私だけ? おれは人間をやめるぞ!ジョジョーーッ!! って聞こえて困りました。

1994年の発見当初、装飾品はバラバラになっていたという。現在は埋葬されたときと同じ姿に修復展示されています

 神殿から発見された女性の遺骨と装飾品。真っ赤な粉で覆われていたんだとか。
「神殿内部には3つの部屋があり、その中央に赤の女王の墓があり、ほかの部屋から2人の遺骨が見つかりました。1人は子どもで首の骨が折れて、もう1人は老女で黒曜石のナイフが脇腹に刺さっていました。女王が清らかな子どもと経験豊富な人とともに地下の冥界へ着けるようにとの意味で殉死し、生け贄になったと考えられています」¹

人身御供

チャクモール像 マヤ文明、ユカタン地方人類博物館蔵

 ひざを折り曲げ、お腹の上に置かれた皿のようなものを支えています。ここには供物だけでなく、生け贄の心臓が捧げられたと考えられています。本物を前にすると、身の毛もよだつ思いですが、覗き込んでみると…

 お皿の奥、像のペンダントでしょうか。おかっぱ頭の可愛い柄が目につき、正直、戸惑います。

鷲の戦士像 アステカ文明、テンプロ・マヨール博物館蔵

 高さが170センチもある像。こちらは王直属の「鷲の軍団」を構成していた高位の戦士像とされています¹。なぜか愛嬌を感じてしまいます。
 奥のパネルには、遺骨の彫刻が並んだ祭壇だそうです。アステカでは生け贄になった人の頭部を並べていたのでしょうか。

テクパトル アステカ文明、テンプロ・マヨール博物館蔵

 …お魚かなーって思いましたよね? 違うんです。儀礼用のナイフだそうです。
 儀礼用とは、つまり、そういうことです。恐ろしさと、ユニークさを感じて、不思議な気持ちになります。
「~自らを生贄として捧げることで、自然を司る神と折り合いをつけようとした利他の精神の結晶といえるでしょう。安定を繰り返し、持続させて文明の道筋を切りひらく。それが多様な自然への畏怖であり、彼らなりの共生の回答だったのです」¹

トウモロコシ中心の暮らし

チコメコアトル神の火鉢(複製) アステカ文明、メキシコ国立人類学博物館蔵

 …アイスクリーム屋さんかなーって思いましたよね? 違うんです。トウモロコシの神だそうです。
 チコメコアトル神とは、熟したトウモロコシの女神さまのお名前。古代メキシコでは、人間はトウモロコシからつくられたとされていたそうです¹。主食がトウモロコシだったんですね。

パカル王とみられる男性頭像(複製) マヤ文明、メキシコ国立人類学博物館蔵

 こちらをご覧ください。頭の形が少し変形してませんか。
 …こういう髪型の人、現代にもいるなーって思いましたよね? 違うんです。これ、トウモロコシの形にしてるんです。
 王族は幼少期から頭蓋骨を細長く矯正し、トウモロコシの形にする風習があった¹というのです。しかも、この方、記事の始めにご紹介した赤の女王様のご主人さんです。いやはや、失礼ながら、面白いです。

出口からみた入口風景

 四大文明と並ぶ歴史をもつ古代メキシコ。ですが、四大文明に比べると規模が小さいんですね。その理由は、メキシコの厳しい自然にあると分かりました。深いジャングルがあり、乾燥地帯もあり、とても過酷だった、と。
 個性的にみえた展示の数々は、多様な自然環境で生まれた文明だからかもしれません。つまり、絶え間なく紛争があって、必死に生きた現れなのでしょうね。


〈おまけ〉

 私、花粉症なもので、目薬やマスクなどを入れておく小さい袋が欲しいのですが、男性物はなかなか無くて、困っていました。
 お土産にありました。ガチャ形式になっております。レッツ・ガチャタイム!

図録・グッズ ブラインドポーチ「全5種」(ランダム)https://mexico2023.exhibit.jp/catalog-goods/

 いざっ、OPEN~ 

3.8 / ブラインドポーチ[約15×15cm]綿100% (¥880)
ロケット発射かなーって思いましたよね? 違うんです
トゥーラのアトランティス像 トルテカ文明(テオティワカン)、メキシコ国立人類学博物館蔵

 こちらは柱として使われていたそうです。しかも王座を支えていたらしいですよ。バンザイしてて可愛いぃ~などと舐めてもらっては困ります。このお方は戦士だそうです、いやホントに。

ソース;
¹:雑誌「古代メキシコ歴史紀行」時空旅人、2023.7 Vol74


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