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#395 家庭科の可能性を考える

 科学技術が異常なスピードで進化し、その進化によって社会は大きな変革の時を迎えています。学校教育においても、21〜22世紀を生きる児童・生徒にとって、どのような学びが必要なのかを真剣に考えなければいけません。従来型の教授法や学習内容が生成AIなどの出現によって、パラダイムシフトを迎えている今、教科・科目の学びの価値を再創造(ルネサンス)することが求められています。

 『可能性大の教科「家庭科」の存在感が薄い理由 障壁となる「旧世代のジェンダー観」と「受験」』という記事を見つけました。

 横浜国立大学の教育学部で家庭科教員を養成する堀内かおる氏は、記事の中で家庭科の指導内容には「国がどんな社会を作ろうとしているのか、その教育政策が顕著に表れている」と語ります。探究学習やキャリア教育、地域共生やLGBTなどのジェンダー論、「正解のない問い」に気づくこと。近年学校で求められていることの多くが、もともと家庭科の領域に含まれていたといえると同氏は語っています。

 思えば、家庭科は私たちの最も身近な「学びの領域」とも言える。家庭科は私たちの「暮らし」に直結するものであり、それは食べるもの、人との暮らしなど前述した分野と密接に関わっている。私たちが自分らしく生きていく上で、「家庭科」とう教科で学ぶべき要素は決して少なくなく、それは価値あるものだと言えるでしょう。一方、私たちは「身近なもの」ほどその存在は当たり前すぎて軽視する傾向にあるのかもしれない。大学受験という教育イベントの中で家庭科の学びの価値は以前として低い現状がある。

「それは家庭科業界の人はみんな言っていることです、前からやっているし、家庭科でやれるのにねって(笑)。でもそれだけ、これまでの家庭科は存在感を示すことができていなかったのかもしれません。家庭科教員に女性が多いこともその一因かもしれませんが、最大の理由は、家庭科が受験科目でなく、授業時数がとても少ないことです」

 と堀内氏は語ります。

 これからの教育を本気で考える時、私たちは何を学び、どう生きるのか、という問いから決して逃げることはできないのです。


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