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家具にも家賃がかかっている...という発想

大抵の方は自分の購入したものは自分のものだと思っておられると思いますが、モノっていうのは購入した金額以上お金がかからないかというと、それは間違いです。言い換えると、購入したモノにはお金がかかり続けていると考える方が正しいかもしれません。

僕は自動車が好きなので自ずとそれを痛感しながら暮らしています。例えば300万の車を一括で購入して、これは支払いが済んでいる、と思ったって土地の余る田舎で田んぼのあぜ道に暗黙の了解で停め続けられる人以外は、基本的に駐車場代がかかっています。自分の敷地に停めているから大丈夫?自分の土地には固定資産税が永久にかかりますから、やはり駐車場代は発生し続けます。

僕は駐車場を一台15000円で借りていますので、毎月必ず3万円が自分の車を維持することに対して発生しています。単純に一日千円かかりますからやはり乗らない日はもったいない気もしますね。

その延長で、家の中には様々な家財がやはりあると思うんですが、賃貸物件にお住まいなら、それらには完全に家賃が発生していると考えていいでしょう。単純な話、もし20万円の家賃を毎月収めているとしましょう。自宅のスペースの半分に置いてある家財にはひっくるめて毎月10万円家賃がかかっているということで、これは半永久的にかかり続けるお金です。もう半分のスペースにも10万円。更新料や保険料などを含めるともう少し本当は多いですね。中には「このパソコンで月に100万稼いでるんだ」という方もいらっしゃるかと思います。まぁその場合、電源のコンセント、WiFi、デスク、コンピューター、マウス、キーボード、椅子、そういったものの家賃をその売り上げから相殺できるだけで、プラスかもしれませんが根本は別に変わりません。

変な話ですが、もし自宅に椅子が8脚あれば、毎日その8脚に座らないと僕の車のように、「乗らなかったら1000円は単純にさようなら」の縮尺版の事態がその椅子には起こっています。3シーターのソファーがリビングで面積を占めているとしたら、3シート全てに座らないとどこかのシートは僕の乗らない日の車と同じです。実は僕が長時間労働でほぼ自宅にいなかった時期、一番勿体無く思っていたのはそこなんです。全てのモノは見られ、愛でられ、触れられ、使われないと本来家賃を回収できないんですね。

時々僕は自分の持ち物は長く愛用して新しいものを滅多に購入しないことを記事にしていますが、家賃の観点からいうと、極力触り切れるもの、付き合いきれるものだけを家に置いておく。1つ1つには半永久的に家賃が発生しているから、という考えです。10万のスペースに10個モノを置くと1つあたり1万か?ならば20個置いた方が1つあたりの家賃は5千円に下がるんじゃないかい?という見解もあると思うんですが、僕はどちらかというと空間あたりいくつものがある、という点から一つあたりの家賃を算出するのではなく、そもそも購入したものには半永久的に家賃がかかる、という発想の方から、家賃のかかる持ち物は必要最小限にとどめよう、という別軸の発想で生きています。

その考えはストレスにならないか?

答え:ならないですかね。僕はあくまでもそういう認識で暮らしているわけで、だからこそ家に無駄なものが置いていないということで、結果的に健全に暮らしています。ただ、余裕があるから何でもかんでもぽいぽい買うかと言われると、その感覚があるせいでそういう気にはなれません。だから非常に慎重に買い物をしていますし、自ずと修理できるもの、長く使えるもの、丈夫なもの、廃れないもの、そういうものを選んできました。

とはいえ、ストレスにはなりませんが、余計なコトは考えます。

例えばクイーンサイズのベッドは一人(現在筆者は東京で一人暮らし)には大きいです。夜たまに「寝返りしないともったいないだろうな」とか、時々考えています。けど使うときはそもそも意識がないので(睡眠中)、実際はどうなっているのか知りません。あとたまにベッドサイドにある一人がけのソファーに特に意味なく座っています。僕の無意識がそのソファーの元を取るために僕を腰掛けさせているんだと思います。座り心地はいいですが。

( 文・西澤伊織 / 写真・フル稼働する我が家のオーブンレンジ )

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