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夫婦喧嘩は犬も食わない?その喧嘩、子供にとっては非常事態です。

大人と子供では見えているものが違います

一つ屋根の下、別の人間と一緒に生活をしているのですから、どこかで不満が生まれ、喧嘩へと発展することは珍しいことではありません。
どの家庭でも起こり得る、日常の一幕ともいえるでしょう。

しかし、その光景とは、子供目線では緊急事態なのです。
子供にとって家庭とは安全基地ともいえる場所。
そして両親はその場所のリーダーであり、その人は自分の命を繋いでくれる人物です。
そんな彼らが、鬼の形相で言い合っているのです。
ただならぬ事が起こっていると、子供でも敏感に感じ取ります。

私が幼い頃、両親は毎晩のように夫婦喧嘩をしていました。
夜になるとどちらからともなく怒鳴り始め、私は別室で静かになるのを震えながら待っていました。
最悪、家族がバラバラになてしまうのではないか。
そんな恐怖を抱えながら毎晩過ごしていました。

親にとっては些細な言い争いだったとしても、子供にとっては非常事態なのです。
夫婦間で喧嘩の落とし所がついたら、その後にはどうか忘れずに子供にも目を向けて下さい。
子供と向き合い、大丈夫だと、言葉に出して伝えて下さい。

子供だった私からみた、夫婦喧嘩とは

我が家では毎晩のように夫婦喧嘩が起こっていました。
その殆どが口論、怒鳴り合いでした。

喧嘩は決まって夜に起こります。
私は別室で両親の怒鳴り声をずっと聞き続けていました。
暴力に発展しそうな雰囲気になったら仲裁しなければと、聞きたくないものにずっと耳を傾け、ドアの向こうで震えていました。
喧嘩が終わると、私は泣いている母の元へいきティッシュを渡して母の話にずっと耳を傾けていました。
母は父の愚痴を言い続け、涙が収まると、毎回、「慰めてくれるなんて、優しい良い子だね」と言って撫でてくれます。

お母さんを守らないといけない。
こんなにも母を苦しめる父を許さない。

この2行が私の心に深く刻み込まれました。

それと同時に、夫婦喧嘩の原因は自分なのではないかとも思っていました。
結婚とは好きな人同士でするもの。
それなのにこんなにも仲が悪くなってしまったのは、自分が原因かもしれないと思っていました。そんなことを思いながら毎晩喧嘩を聞き、仲裁や慰め役を務めてきました。

夫婦喧嘩で負った心の傷の深さ

自分の心に深い傷を負っていたことに気づいたのは、大学進学を機に一人暮らしを始めてからでした。

夜になると、いないはずの両親の怒鳴り声が聞こえてくるのです。
身体が強ばり、息ができなくなりました。
寝ている時にも両親の怒鳴り声で目が覚めてしまいます。

「今は一人暮らし。誰もいない。両親はここにはいない。これは幻聴だ。本当は静かで何も聞こえていない。」

何度も何度も頭の中で繰り返し、それでようやく静寂が訪れるのです。

8年です。
それだけの月日が経って、ようやく静かな夜を迎えられるようになりました。

けれど、男女が言い争う雰囲気は、10年以上経った今でも苦手で、目の当たりにすると胸が苦しくなります。
それは当事者目線でも、第三者目線でも一緒です。
夜、窓を開けて寝ていると酔った男女が大きな声で会話しているだけでも身体が強ばります。

夫婦喧嘩の後にしてほしいこと、3つ

子供に喧嘩の原因を説明してあげて下さい
『夫婦喧嘩は大人の事情。子供に事情を説明しても理解できないのだから伝える意味がない。』
確かに喧嘩の原因が難しい問題の場合もあるでしょう。
けれど、子供は両親の険悪な雰囲気を敏感に感じています。
そして戸惑い、傷つき、混乱しています。
可能な限り喧嘩の原因を説明し、子供が原因ではないことを伝えて下さい。

そして、仲直りをしたから大丈夫だと伝えてあげて下さい
喧嘩をしてしまったけど、それは嫌いだからではないこと、パートナーの事が大好きだと伝えて下さい。

最後に、子供に対して、不安な思いをさせてごめんねと、一言添えて下さい

この3つが、夫婦喧嘩を見て育った、私からの願いです。

喧嘩をしない生活は難しいことは十分に分ります。
譲れないこと、重要なこと。
それを相手に伝えるのは大切なことですし、互いの意見がぶつかり合って喧嘩になってしまうのも分ります。

同じ建物に暮らしている以上、子供に喧嘩を完全に隠すことは難しいです。
ですのでどうか、喧嘩の後には子供と向き合う時間を設けてほしいと切に願います。

今回も長文となってしまいましたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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