いぬとぴあ

おんがくか。このnoteは、世界が小さな物語で満たされていくためのお手伝い。 だから、…

いぬとぴあ

おんがくか。このnoteは、世界が小さな物語で満たされていくためのお手伝い。 だから、上手でも下手でもなんでもいい、小さなお話をたくさん書いて、ときには音にする。 どこかみなみの、このユートピアで。いん、ゆーとぴあ。 ◇クラシック好き/SF好き/妖怪好き

マガジン

  • 世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。

    クラシックを中心に、ちいさくて素敵な曲を少しずつ紹介します。

  • 『妖怪』と『音』を巡る旅。

    妖怪と音との関係を考えていきます。 この旅が終わったら、いつか論文にするんだ…。

  • PROLOGUE-ONLY どこまでもはじまりつづけるSF

    プロローグだけのSF小説を書いていきます。散らかし放題、わたしの宇宙のインフレーション&ビッグバン。もしかしたら、だんだん上手になっていく過程を見ることができるかもです。 マガジンのヘッダー画像は NASA / Hubble Space Telescope Images から。

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あきのさんぽ、かわのおと。 〜川の音とピアノでLofiしてみた〜

去年の秋、近くの川によくお散歩に行っていた。 小さな川。 その日はよく晴れていて、川のほとりに茂る草はまだ夏だと思っているみたいで、たくましく緑を残していた。 でも、草を払う風には秋の気配。 水の流れる音が心地よくって、スマホを取り出して音を拾ったのを覚えてる。 去年のことをなんとなく思い出しながら、川の音を聴いて、ピアノを弾いて、おもちゃ楽器やがらくたでビートを作る。 今年も秋がきた。 明日は久しぶりに、あの川へお散歩に行こうかな。 *** 使った楽器 キック ▶︎なんか部屋にあったプラスチックの箱 パーカッション ▶︎おもちゃのタンバリン ハーモニー&メロディ ▶︎昨年録った川の音・ピアノ *** りとるらいとさんの#日曜作曲に参加です☆

    • ピアノの温度。 〜まよなかのひっそりピアノ 第五夜〜

      ピアノの音って涼しいとおもう。 なんでそうなるんだろう。 と、ひとつ鍵盤を弾いてみる。 ギターのように弦をはじくのでもなく、 バイオリンのように弦をこするのでもなく、 ピアノは弦を叩いて音がでるから、鳴った瞬間は少し硬いかんじになる。 この硬いかんじが、つめたいつるつるの石みたいで、ひんやりする。 ひとつの音は鳴ったとたん、響きを残してすぐに消えていく。 他の楽器と違って、ずっと鳴らし続けることはできない。 この消えていくかんじが、すうと過ぎていく風みたいで、ひんやりす

      • 寄りそうように弾けたなら。 〜ひっそりピアノ 第四夜〜

        何かのそばでピアノを弾くのが好きだ。 なにかものごとがあって、それに音楽をつけることが好き。 何かのそばにいることが好き。 そうなったのは、ゲーム音楽がきっかけだったと思う。 お城に入るとラッパの音楽が聞こえてきたり、フィールドに出ると壮大な音楽が流れてきたり。大きな鳥に乗って、空を飛んだときの音楽は今でも覚えてる。 わたしにとって音楽は、音楽だけでは成り立たないもので、そのときの風景と分けられないものなのかもしれない。 自分で音楽を奏でるようになっても変わらなかった。

        • 扇風機のおと。 〜ひっそりピアノ 第三夜〜

          今夜も、とある商店街の片すみから。 夏だねー。蒸し蒸しちゃって、ピアノもなんだか響きがしっとりしているような。 夏の音で好きなのは、扇風機のおと。 フーン…というプロペラが静かに廻る音もいいし、風がカーテンや本の表紙を撫でていく音も好きだ。 いろんな音の変化が楽しめる「首振り」が一番いい。 さすがに扇風機の音は録音に入ってないけど、その風に吹かれてピアノを弾くのが心地よかった。 ひっそりピアノ、第三夜です。ひっそり聴いてね。 明日もいい日になりますように。

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        あきのさんぽ、かわのおと。 〜川の音とピアノでLofiしてみた〜

        あきのさんぽ、かわのおと。 〜川の音とピアノでLofiしてみた〜

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        • 世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。
          10本
        • 『妖怪』と『音』を巡る旅。
          8本
        • PROLOGUE-ONLY どこまでもはじまりつづけるSF
          2本

        記事

          街のおとに囲まれて。 〜ひっそりピアノ 第二夜〜

          今夜も、とある商店街の一角から。 ピアノの置いてある部屋と通りをへだてるのは、古びたシャッターだけ。 だから、道を行き交う車のおとが入ってくる。 街のおとに囲まれてピアノを弾くのが好きだ。 夜はとくに、街のおとがしっとり響く。 もしかしたら、マイクを通してひっそり録れているかもしれない。 街のおとが。静かなざわめきが。 ひっそりピアノ、第二夜です。ひっそり聴いてね。 明日もいい日になりますように。 【番組について】 トークなしの、音楽だけの番組です。 音楽は即興で

          街のおとに囲まれて。 〜ひっそりピアノ 第二夜〜

          《月夜》 詩と音楽と、ファンタジー #2

          ◇青をより青くしているもの ファンタジーが好きだから、ファンタジックな詩に音楽をつけたい。 前回は、初めて出会った詩人、櫻間中庸さんの《天體現象》という詩に音楽をつけた。 中庸さんの詩、とってもいい。 感傷的でありつつも、どこそこで子どもごころがにじみ出ていて、眉間にシワをよせて書いているような深刻さがない。 今回音楽をつけた《月夜》もそんな感じ。 この詩では青色がテーマになっていて、青ってすごくセンチメンタルな色だと思うのだけど、中庸さんのことばには、感傷に浸りすぎな

          《月夜》 詩と音楽と、ファンタジー #2

          ひっそりピアノ、はじめました。

          ひっそりピアノを弾くのがすき。 ある古びれた小さな商店街の一角。 商店だったところを借りて、そこにピアノがある。 夜は、すぐ近くの交差点から道ゆく車の音が聞こえてくる。 今はちょうど梅雨時だから、アスファルトをたたく雨音も気持ちがいい。 そんなときにピアノを弾くのがとってもすき。 ひっそりと。まちかどで。ひとりで。 ラジオはじめました。 トークはおろか、一言も喋りません。 音楽だけの番組です。 音楽は即興で、ゆっくりとしたアンビエントな雰囲気です。 名づけて「眠

          ひっそりピアノ、はじめました。

          《天體現象》  詩と音楽と、ファンタジー #1

          ◇まえがき わたしは、ファンタジーが大好きだ。 川のほとりでクラムボンのかぷかぷ笑うお話が聞こえてきたり、古本屋の風変わりな本から、果てしない物語が始まったり。 ファンタジックな世界に音楽をつけてみたい、ってずっと思ってる。 ページをめくると、音楽も聞こえてくる。なんてことができたらどんなに素敵だろう。 でも、問題がひとつ。 物語はたいてい長い。だから曲も長くなる。 それはそれでいいのだけれど、もう少しこう、小品を書きたい。 作曲の練習の意味合いもかねて。

          《天體現象》  詩と音楽と、ファンタジー #1

          はるのさんぽ、はるのおもいで。〜春のおと&ピアノでLofiしてみた〜

          四月、近くの山道をてくてく歩いた。 木がさわさわ風に揺れていた。 それから、ホトトギス。 桜も咲いてたな。 十数年ぶり、ほんとうに久しぶりの桜、ソメイヨシノ。 はるのさんぽ、はるのおもいで。 たいせつに、しまっておこう。 *** 《使ったおと》 裏山のサウンドスケープ さんぽの足音 ピアノ おもちゃのパーカッション クローゼット用のプラスチック箱(キック) *** りとるらいとさんの#日曜作曲に参加です☆

          はるのさんぽ、はるのおもいで。〜春のおと&ピアノでLofiしてみた〜

          はるのさんぽ、はるのおもいで。〜春のおと&ピアノでLofiしてみた〜

          父の昔話とチェロとふすまと扉とピアノ。

          父はチェロを弾く。 近ごろはもうよれよれだよ〜って父は言うけど、それでも父のチェロは好きだ。 久しぶりに会うと、昔話をしてくれた。 父の母、わたしのおばあちゃんの話と、 父の母の父、わたしのひいおじいちゃんの話。 ひいおじいちゃんは若くして亡くなったらしいけど、なんと東京帝國大學、今の東京大学の出身だそうだ。まじか。 もっとびっくりしたのは、夏目漱石の授業を受けていたらしいこと。 ナマ漱石って! 父は、目を細めて可笑しそうに話していた。 そんな父の昔話と、チェロの断片、それから実家のふすま、食器棚の扉の開け閉めの音。おまけに、父が手を滑らせて何かを落とした音。 いとおしい音のかけらたちを集めて、ピアノを弾きました。 *** りとるらいとさんの#日曜作曲に参加です。

          父の昔話とチェロとふすまと扉とピアノ。

          父の昔話とチェロとふすまと扉とピアノ。

          ウチにあるものだけでLofiを作ってみた。〜その2〜

          ウチにあるものをかき集めて、なんやかんやする、手作りLofi。二曲目。 ただ寂しいとは違う、なんかこう、満ち足りた気持ちになるような孤独感が好きなんだけど、そんなイメージで仕立てました。 キック ▶︎なんか部屋にあったプラスチックの箱ぽこぽこ パーカッション ▶︎百均のマラカス、ベトナム土産でもらった木製のカエルでしゃかしゃか ハーモニー&メロディ ▶︎ピアノを即興&ループでぽろろん、鍵盤ハーモニカぷうぷう *** 前回はこちら。 https://note.com/inutopia/n/n27a71d40302c 録音したものを切り貼りして、作曲するところまではいいんだけどさ、 その先、ミキシング&マスタリングがムズカシイ〜! それだけで職業になるのがよく分かる…。エンジニアさんてすごい。 *** りとるらいとさんの#日曜作曲に参加です☆

          ウチにあるものだけでLofiを作ってみた。〜その2〜

          ウチにあるものだけでLofiを作ってみた。〜その2〜

          大人になるということは、秘密をもつということ。

          どこかで聞いたか、どこかで読んだお話。 大人になるということは、秘密をもつということ。 親に話せないことができたときが、おとなの階段をのぼるとき。 淡い恋ごころ。 タバコを吸った。 エッチな動画をみた。 学校に向かう道、言いようもない美しい景色。 お酒を飲んだ。くらくらした。 おこづかいを友だちと他愛もないことに使った。 マックで。初めてのカラオケで。あるいは、もっと言えないようなことに。 親とかこむ夕食のテーブル。 話したいようなそうでないような。話し

          大人になるということは、秘密をもつということ。

          ウチにあるものだけでLofiを作ってみた

          Lofiづくりのれんしゅう。 今回は、ぜんぶ生音で遊んでみた♪ バスドラ ▶︎なんか部屋にあったプラスチックの箱をたたいた パーカッション ▶︎なんか豆の殻?のおもちゃ楽器をかちゃかちゃ ハーモニー ▶︎鍵盤ハーモニカぷうぷう メロディ ▶︎ピアノとトイピアノを即興でポロンポロン *** クラシックから音楽は入ったんだけど、Lofiって自分にとってもフィットする感じ。 まさかヒップホップの音楽を作るようになるとは。 初めて作ったLofiはこれ。 《77番線にのって》 https://note.com/inutopia/n/n0de5e1df4d8a 今回で2回目だけど、初回と比べるとだいぶすっきり作れるようになった?のかな。 あと今回みたくビートも生音で作ったほうがイイね。好み。 ※写真がチャップリンなのは、今度チャップリンの映像に合わせてみたいと思ってるから〜。 *** りとるらいとさんの#日曜作曲に参加です☆

          ウチにあるものだけでLofiを作ってみた

          ウチにあるものだけでLofiを作ってみた

          《孤独なシュプール》 世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.10

          このまえ、「孤独なシュプール」という曲を書いた。 この曲のイメージのみなもとになったのは、フィンランドの作曲家シベリウスが書いた同名の作品。 同名というか、わたしが勝手にあやかって、オマージュを込めて、同じ題名の曲を作ったということなのだけれど。 シベリウスは、とっても長生きした。 1865年に生まれて、1957年に亡くなった。91歳。 わたしの大好きなおじいちゃんだ。 わたしは、シベリウスの作品に漂う静謐さが好きで、ピアノなどの小さな作品をよく聴いていた。

          《孤独なシュプール》 世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.10

          音のスケッチ #4《孤独なシュプール》 北欧に思いをはせて

          北欧のクラシックが好き。 フィンランドの作曲家シベリウスの同名の作品、『孤独なシュプール』の世界に一緒に行きたくなって書きました。 イメージの源になったシベリウスのその作品は、詩の朗読に音楽がついています。 詩の冒頭のところを少し紹介します。 森の深淵へと遠ざかっていく 一筋の孤独なシュプール 丘や谷を越えて曲がっていく 一筋の孤独なシュプール 湿地の上には粉雪が舞い そして低くまばらに松が立っている 遠く遠くへと静寂の中に遠ざかっていく 私の想い Ett ensamt skidspår, Bertel Gripenberg 1918 ね、いいよね。この孤独感が好きなんだー。 音楽とっても素敵だから聞いてみてね。 少しだけオマージュを込めて。 *** 少しだけ、というのはわたしがまだまだオマージュできるほどの腕前を持っていないから。 完璧を求めて手が止まるより、今は書き続けて追求していこうと思ってる。 待っててね、シベリウスおじいさん。 *** リトルライトさんの#日曜作曲に参加です。 Twitterの#深夜の2時間DTMというイベントで、スケッチしたものに少し手入れをしました。毎回お題があって、今回は「スキーやスノボをイメージした曲」というお題でした。 《レシピ》 ▶︎ピアノ音源 UNA CORDA  素朴でシンプルな響きが北欧の空気感を出してくれてる気がする。 ▶︎ストリングス Logic pro X 付属の studio strings  弦楽はもう少し表情をつけたいけど、腕の問題なのか音源の問題なのか…。  でもやっぱりちゃんとストリングス音源買いたいな。いつか… photo by Torben 訳詞はこちらを参考にさせていただきました。 https://blog.goo.ne.jp/vitezslav/e/4cd10aadd8eb500f487e90df6279b74f

          音のスケッチ #4《孤独なシュプール》 北欧に思いをはせて

          音のスケッチ #4《孤独なシュプール》 北欧に思いをはせて

          振り子のこころ。

          振り子は揺れる。 あっちへこっちへ、振り子は揺れる。 振り子だなーって思うんだよね。 期待も心配も、希望も失望も、幸せも不幸せも。 でね、振り子が自分じゃないの。 自分はその振り子の付け根にいる。 そこから、揺れる振り子を眺めてる。 あーいまドキドキしてるんだなー。 あーいまガッカリしてるんだなー。 そういうふうに見つめられるようになれたらいいなって思ったよ。 いやなこともあれば、いいこともある。 いいこともあれば、いやなこともある。 その揺れを眺める。

          振り子のこころ。