《月夜》 詩と音楽と、ファンタジー #2
◇青をより青くしているもの
ファンタジーが好きだから、ファンタジックな詩に音楽をつけたい。
前回は、初めて出会った詩人、櫻間中庸さんの《天體現象》という詩に音楽をつけた。
中庸さんの詩、とってもいい。
感傷的でありつつも、どこそこで子どもごころがにじみ出ていて、眉間にシワをよせて書いているような深刻さがない。
今回音楽をつけた《月夜》もそんな感じ。
この詩では青色がテーマになっていて、青ってすごくセンチメンタルな色だと思うのだけど、中庸さんのことばには、感傷に浸りすぎない、どこか「おかしみ」みたいなものを感じる。
かえって、そのことが青をよりいっそう青々しくしているような。
そんな中庸さんの《月夜》に、弦楽とフルート、ピアノをほんのすこし。
読む前に再生ボタンを押してもいいですし、読んだ後でもよさそう。
気の向くままに聴いて頂けたら幸せです。
それでは、まもなく開演です。
ジジーッ。
月夜
月夜はみんな青いでせう
山羊の髭も青いでせう
白熊の背も青いでせう
月夜はみんな青いでせう
チユウリツプ畑も原つぱも
野菜畑も青いでせう
月夜はみんな青いでせう
ピアノの鍵盤の音までも
みんなみんな青いでせう
詩:櫻間中庸(1911-1934)
岡山県和気郡三石町(現備前市)に生まれ、早稲田大学在学中に夭折した学生詩人、児童文学者。
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