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「1on1」が組織を潰す!? 効果的な「1on1」にするためにとるべき対策とは

1on1」。組織エンゲージメント強化策の代表例として注目されており、皆さんも耳にする機会が増えているのではないかと思います。実際に、組織力・エンゲージメント強化の目的で導入している企業も多いでしょう。

しかし実はいま、「1on1」導入がトリガーとなって、組織コミュニケーションが更に悪化したり、退職者が相次いでいたりする企業が出ている事実をご存知でしょうか。

問題 その1:「1on1」を契機に現場の信頼が損なわれ、退職希望者を出してしまう可能性も

問題 その2:「1on1」の場を、部下は必ずしもありがたいとは思わない

実際の事例について、ぜひ上記記事をご覧ください。

「1on1」導入の前に、経営者や人事責任者が必ずやらなければならないこと

もちろん、適切に運用・実施される1on1には、大きな効用があります。定期的に「じっくり話し合う場」を持つことで、お互いの理解が深まり、信頼関係が築かれたり、業務課題を早期解決する機会になったりと、メリットは多いのです。

しかし、そのメリットを実現するような1on1を実施できる管理職が、そう多くないという事実に、経営者や人事責任者はしっかり目を向けるべきでしょう。

また、余談ではありますが、心理学的には「好意を持てる関係性の者同志」が接触頻度を高めると親密性は比例して高まりますが、「反りの合わない者同士」が接触頻度を高めると、逆に嫌悪感を高めることになります。1on1を実施することで、「より上司が嫌いになる」ということが実際に起こりえますので、お気を付けください。

私は、1on1導入の前に、必ずやらなければならないことがあると思います。それは、まず全社を「オープンな組織」にすることです。

「開かれた場で概ね誰もが、フランクにファクトベースの会話ができる」、「何か問題が起きた場合、それが隠されてしまうことがない風土やコミュニケーションの仕組みがある」、「現場意見は必ずマネジメント層や経営層まで届き、しっかり検討されたうえで現場へのフィードバックがある」といったことがセットアップされていなくては、1on1は機能しません。

そうした意味では、経営者や人事責任者の皆さんが、1on1導入にあたってまずやらなければならないのは、以下のようなことです。

●オープンなコミュニケーションができる管理職の育成、トレーニング
●上司部下における個別コミュニケーションのメリットとデメリットの前提理解

また、当然のことながら意外に多くの1on1導入企業ができていない、「自社の1on1は、何を目的としたものなのか」という目的の明確化と全社コンセンサス作りも、事前に行なっておく必要があります。

ただ形式的に1on1を実施してしまうと、上司ごとにその場のありかたが異なるような状況になってしまったり、上司・部下のコミュニケーションを閉ざしてしまったりするリスクがあります。そうなってしまっては、結果として1on1導入によって、自社の社内コミュニケーションや上司・部下の関係性、ひいては組織風土が大きく棄損されてしまう危険性があることを、ぜひご認識頂ければと思います。

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