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自信満々なエグゼクティブが転職面接で〈即NG判定〉を受け続ける理由

「別に辞める理由はなかったのですが、良い条件のスカウトがあったので移りました」

延べ数万人の職務経歴書・履歴書をみてきた経験から、転職を繰り返し、あえてそのすべての理由に「ヘッドハントされて」と記載する人には、自意識が強すぎる傾向を感じています。自己PRのつもりで記載しているのに、実はまったくの逆効果。企業側、とくに経営者や人事責任者は「自意識過剰だな」とネガティブに評価するでしょう。

なぜ上記のような理由を語るエグゼクティブはNG判定を受けるのか。以下の記事をぜひご覧ください。

「スカウトとは登録先から案件紹介を受けただけのことではないか。そもそも、エージェントから案件を紹介されて面接を受けに来たということは、本人がエージェントや転職サイトに登録していたということ。結局、今回もこれまでの転職も、実は本人が職務に何か問題を抱えての話ではないか」。普通の面接者であれば、この程度の類推はすぐにします。

「いまの会社は自分を活かし切れていない」

自意識過剰な人が「まず機会を与えられる・期待される→やる・成果を出す」という思考なのに対して、結果を出してきた人は「やる・成果を出す→さらなる機会を与えられる・期待される」と、正反対の考えをします。このベクトルの違いは、とくにマネジメントやリーダーとしての転職希望者を「売れない人材」と「売れる人材」に大きく二分します。

「現在、内定を2社いただいていまして」
「いま一歩条件が満たされず辞退しました」
「なので、御社のオファーも来週中にいただけるとありがたいです」

このタイプは、職務の専門性やスキルにおいては非常に力がありますが、問われるのはオーナーシップを持って自社の組織をけん引してくれるか否か。つまり、リーダーとしての資質やマインドです。入社後、責任者クラスなら必ず直面するタフな事象に遭遇した際に、奮闘して乗り越えてくれる人か、まっ先に逃げ出す(また他社に転職していく)人かが問われるのです。

以上、3つの事例に共通するのは「自分には価値がある。それを応募先でも認めてほしい」という意識が転職活動で過剰に出てしまい、結果として応募先企業に嫌われるという構造です。

受け入れる企業側は、「自分ファースト」なナルシストを自社の経営幹部・エグゼクティブとして採用したいとは思いません。「自分への評価(承認)ではなく、他者への貢献軸」でしっかり判断、行動するエグゼクティブが、転職先の新天地においても活躍し、結果として遇されることになります。

転職活動で「おかしいな。こんなはずではないのに」という状況が続いているエグゼクティブは、この罠にはまっている可能性があります。自身の言動を振り返り、軌道修正を試みるべきかもしれません。

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